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【集中山行】沢登り・杉田川
金子 隆雄

山行日 2020年9月26日~27日
メンバー (L)金子、古屋、飯塚、大田、菊池

 集中山行でなければ中止にしたいような天気予報なのだが、今回は40名以上が参加する今まで経験したことのないような大規模なものなので簡単には中止にできない。
 22時集合の予定だったがメンバーの都合で1時間遅れの23時に変更した。これが後々吉と出るとは思いもしなかった。目的地の遠藤ヶ滝駐車場に到着したのはかなり遅い時間だった。駐車場は他に車もなくひっそりしていた。

【9月26日】 曇り後小雨
 朝起きると荻原パーティーは既に出た後で誰も居なかった。ゆっくり支度して8時少し前に時々小雨が降る中を出発した。もっとゆっくりでもいいのだが、これ以上は時間を持て余してしまう。駐車場から遠藤ヶ滝までは遊歩道を辿る。橋を渡り神社の脇を抜けていくとやがて遠藤ヶ滝だ。想像していたのと違って貧弱な滝だ。3~4mで傾斜も緩く登れそうだがそれは止めておく。滝の右側は岩小舎のようになっており中には小さな祠が祀ってある。
遠藤ヶ滝 意外と貧弱だ  滝の右側の大岩を迂回して進むと橋があり遊歩道は沢から離れていくので入渓することにする。数日来の雨のせいなのか水量は多いような気がするが溯行には支障ない。
 ナメが終わった所に出てくる7mほどの滝は右岸、左岸どちらも登れそうなのだが入渓間もなく体が温まっていないのでなんとなく左岸を捲いて越えた。少し行くと右岸に梯子の架かった8m滝が現れる。難しそうには見えないが念の為にロープを出して登る。梯子はしっかり固定されてなくて宙ぶらりんだ。だけど鎖が付いているので梯子は使わなくても大丈夫だ。2条8m滝は右岸を登る。落口でザックが支えて水流中で身動きできずに難儀する。
 快適な小滝が続き楽しく遡っていくと二俣となり終わりも近い。進路を右に取り赤茶けた10m滝を越えると今日の行動は終わりだ。右岸の笹薮を刈り払って整地すると立派な幕場が出来上がった。タープを張り、薪を集めてすっかり泊まる準備ができてもまだまだ時間はある。この沢には魚がいないので釣りもできず時間を持て余してしまう。

【9月27日】 曇り後ガス
 もう沢は終わっているので後は登山道へ合流する踏み跡を探し出すだけだ。痕跡はすぐに見つかったがすぐに途切れてしまい右往左往することしばし。左岸にしっかりした踏み跡が見つかると後は順調になる。しっかりと踏まれた良い道でこれから辿る登山道よりははるかに歩き易い道だった。30分ほどで仙女平に飛び出して登山道と合流する。
 仙女平に荷物をデポしてほぼ空身で安達太良山を目指す。この登山道は表登山道と記されているが名前とは異なり誰も歩かないようで仙女平から上はほぼ藪に覆われている。背丈を越える笹薮も出てくる。途中には迷い易い所もあり、間違って沢に入り込んでしまった所もあった。
これが表登山道とはどういうこと?  ブツブツ文句を言いながらも仙女平分岐にでると突然見違えるような良い道、そして一気に人が増える。我々が辿った表登山道では誰にも出会わなかった。ここで高島一家と出会い、かなりのメンバーがロープウェイで上がってきたことを知る。ここで集合時間が迫っていることに気づき先を急ぐ。ガスが出始めて風もあるのでかなり寒く感じるようになってきている。
 集合時間にはギリギリで間に合った。我々が最後かと思ったらまだ1パーティーが未集合とのことだった。全員集まってはいないが取り敢えず写真を撮るとのことで集合写真を撮る。山頂を往復している間に遅れていたパーティーも到着し、もう一度写真を撮るので早く降りてこいと急かされる。二度目の集合写真を撮ってから解散となる。
 大半はロープウェィでの下山で、我々はまた藪っぽい登山道を下らなくてはならない。仙女平で荷物を回収して登山道を更に下る。仙女平から下は道が良くなり藪っぽさがなくなる。登山道を最後まで行くと駐車場までかなり遠回りになるので、途中で安達太良林道が交わったら林道に入り駐車場が近づいたら林道から直接駐車場に降りた。踏み跡くらいはあるだろうと期待していたが何もなし。藪のない疎林だったので見通しが利いて降りやすかった。
 帰りに安達太良温泉に浸かっていこうと思っていたが休業中で入れなかった。すぐ近くに、新おおたま温泉というのがあったので寄ってみた。普通の日帰り温泉施設で料金も安かった。

〈コースタイム〉
【9月26日】 遠藤ヶ滝駐車場発(7:50) → 二俣(11:25) → 幕場(12:30)
【9月27日】 幕場発(8:00) → 仙女平(8:30~8:50) → 安達太良山(10:50) → 仙女平(13:10) → 遠藤ヶ滝駐車場(14:45)

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