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縦走・谷川連峰馬蹄形
永岡 恵二

山行日 2020年10月24日~25日
メンバー (L)永岡、眞鶴

白毛門沢側の紅葉  以前から歩きたいと思っていたが、なかなか機会がなかった谷川の馬蹄形縦走を計画してみた。天候不良で、予定を1週遅らせたところ、指を負傷した眞鶴さんが参加表明してきた。
 土曜日朝、白毛門の登山口は既に7割ほど埋まっていた。金曜日夜からの霧雨がまだ降り続いていたが、天気予報では晴れだったので、すぐに止むと思い、6:30霧雨の中、出発。
 白毛門へ向かうパーティーは駐車場の車の数からするとずっと少なかった。殆どが谷川岳なのだろう。予報通り霧雨は直ぐに止み、中腹付近になると、陽の光が出てきて、白毛門沢側の燃えるような紅葉が姿を現した。湯檜曽川側の紅葉はよく見えないが、二重の虹が樹木の向こうにみえた。
 白毛門山頂はそこそこ人がおり、皆山頂からの紅葉を楽しんでいた。我らもひと休みしてすぐに、笠ヶ岳に向かった。笠ヶ岳に向かう人は殆どおらず、当初から同じペースで歩いていた女子2人組だけだった。山頂からは女子2人組に先に行ってもらい、我らはのんびり朝日岳に向かった。
 朝日岳に到着して暫くすると、ランニングシャツの老人が山頂にとどまることなく通過していった。我らはひと休みして、今晩の宿、清水峠の白崩避難小屋に向かったところ、山頂から直ぐに木道になるが、その木道で先程のランニングシャツの老人が昼寝をしていた。青空の中、気持ちはよいだろうが寒くないのだろうか?
 白崩避難小屋に到着すると、小屋の中には誰もいなかった。外にはツエルトをかぶって寝ようとしている変わり者がいた。先を歩いていた女子2人組、昼寝後、我々を追い抜いていったランニングシャツの老人は何処に行ったのだろうか?ポツポツ雨がぱらついてきたので、早々に水を汲んで、小屋に戻ると、ツエルトをかぶっていた変わり者がいた。山の初心者だったようで、ツエルトを使ってみたかったそうだ。その後小屋に入ってきたのは2人組とソロの3人だけだったので、広々と小屋を占領できた。眞鶴さんは気持ちよさそうに船を漕いで眠りに落ちていった。
 翌朝2人組が5:30に小雨が降る暗いうちに出ていった。我らは雨があがった6:30出発。空はどんより曇っていた。大源太山が見える稜線に出ると、徐々に雲は晴れてきた。七ツ小屋山まで来ると、雲はすっかりとれ、大源太山が全容を見せた。これが日本のマッターホルン?眼下にあるせいか、小さく見える。七ツ小屋山からの急斜面を下り、急斜面を上り標高1,598mの大源太山の山頂に立った。前日の雨が丁度山頂付近の1,600mから上に雪化粧を施していた。巻機山も真っ白だった。

日本のマッターホルン大源太山 山頂
遠方の巻機山清水街道(新道)からの白毛門

 急斜面を下って上り七ツ小屋山まで戻り、あとは蓬峠を経由して下山。蓬峠付近は一面熊笹で、風になびいており、ジブリの世界のようだった。蓬ヒュッテからは前日歩いた稜線の西側の燃えるような紅葉を見ることができた。標高が下がってくると、紅葉の樹林の中を歩き、更に標高を下げると、新緑のような緑と黄色く色づいた樹林の中を下山した。
 今回は雪化粧、燃えるような紅葉から紅葉初期までの全てを楽しむことができ、大満足な縦走だった。

〈コースタイム〉
【10月24日】 白毛門登山口(6:30) → 白毛門山頂(9:15) → 笠ヶ岳(10:30) → 朝日岳(11:50) → 清水峠(14:30)
【10月25日】 清水峠(6:30) → 七つ小屋山(7:30) → 大源太山(8:40) → 七つ小屋山(10:00) → 蓬峠ヒュッテ(10:50) → 白毛門登山口(15:00)

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