山行日 2020年10月3日~5日
メンバー (L)荻原、永岡、和田、清水
今年7月の釣り山行で焚火をしている時に金子さんから「虎毛沢の亀甲模様は美しい。あそこでしか見られないんだよなぁ~。」という話しを聞いて「よし、行こう!」と決めたものの、沢シーズンの7-9月は既に予定でいっぱい。来年かな~と思いながら、情報をとりたくてネットサーフィンをしていると結構10月の記録が出てくる。しかも10月の沢登りには嬉しい野湯のある赤湯又沢との継続遡行ルートが魅力的だ。いつもの沢好きなメンバーに声を掛けてみると、あっという間に満員御礼(最終的に2名キャンセル)となったので今回は例会山行ではなく個人山行として行くことにする。
【10月3日】高曇り
事前の予報は今日から3日間とも雨だったが、直前になってやや回復。まぁ、全部雨だろうが台風でも来ない限りは行くつもりだったので、予定通り前夜に東川口駅で集合し、KG号で東北自動車道を一路北へと向かう。翌朝、古川ICを出て国道47号、108号を経て湯ノ又温泉跡地に車を停めて、いざ出発だ。しばらくは湯ノ又沢右俣沿いに付けられた登山道沿いに進むが、湯ノ又沢のコンクリートで固められたような沢床は美しく、また歩きやすいのですぐに沢に下りて水線通しに進むようになる。標高830mの二俣は右へ、次の標高880mの二俣も右の沢へ進むが、ここで登山道から大きく離れることになる。この後の沢は藪っぽくて歩きづらく、最後も急傾斜の藪漕ぎとなり独標1,135mの南の小ピーク(1,120m)の更に南のコルに突き上げる。湯ノ又沢右俣の遡行は標高880mで打ち切り、あとは素直に登山道を登って独標1,135mすぐ南の登山道分岐に出た方が遥かに早くて快適だろう。登山道を南西方面に少し下り、独標1,033m手前のコルから赤湯又沢左俣へと下っていく。概ね歩きやすい下り向きの沢だったと記憶しているが、1ヶ所懸垂下降があったと思う。沢の下降に飽きてきた頃、赤湯又沢右俣と合流するが、ここで一気に渓相が変わる。右俣は硫黄分を大量に含んでいるようだ。二俣からもうひと頑張りすると左岸に温泉の煙が出ており、野湯のある予定幕場(標高670m)に到着だ。ここは真っ平らで非常に広くて開放的。寝床は所謂オンドルで、横になるとジワリと地球の熱を感じられる。野湯は地元の方が定期的に整備されているのだろうか?肩まで入れて温度も丁度で快適のひと言!薪も豊富で焚火も盛大。まさに桃源郷のような幕場なのに、今日は悪天予報の為か、我々の貸し切りなのだ。夢のような一晩を過ごすことが出来てチーム昭和は大満足!
【10月4日】高曇り
今日のルートは半日行程なので虎毛の自然をたっぷり楽しむ時間がある。赤湯又沢をしばらく下ると、やがて虎毛沢との出合いとなる。青く澄んだ虎毛沢の水と沢床の白い岩とのコントラストが素晴らしく、渓相は一気に明るくなる。
ヤマメや岩魚も走るようになり、虎毛の豊かな自然を全身で感じながら、ゆっくりゆっくり遡行していく。やがて名物の亀甲模様が出てくるとチーム昭和の興奮度はピークを迎える。
この先で良い時間となったので、右岸(標高680m地点)に出てきた極上物件を今宵の寝床と決める。今夜も焚火と酒と旨いつまみ、そして昭和の演歌をBGMにメンバーの記憶はとろけていく・・・。
【10月5日】雨
奇跡的にここまで雨に降られなかったが、さすがに今日は朝から雨だ。しかも雨脚は結構強く、風も強い。まぁ、今日は消化試合みたいなものだから、個人的には天気はどうでも良いのだ。すぐに独標735mのある二俣に到着し、予定通り右俣を進む。この先は結構ぬめりがひどくなってくるのであまり快適ではない。滝もいくつか出てくるので2ヶ所ほどロープを出す。最後は藪漕ぎとなるが30分もかからずに登山道に飛び出す。天気が良ければ、秋晴れと紅葉の中、湿原のある虎毛山頂までピストンするつもりでいたが、雨は更に強くガスで視界も全く効かない状況。更に沢で濡れた体に10月の雨は冷たく、全員一致でピストンはやめて早々に下山にかかる。
今回、入山口と下山口が離れている為、タクシーを呼ぶ必要があるのだが下山中は全くアンテナが立たなかった。タクシー会社によれば携帯が通じるとのことだったが、恐らく虎毛山頂まで行かないと通じないのだろう。アンテナが通じないまま、登山口まで下りてきてしまい、ここから車道を30分程歩き続け、国道108号に合流したところでようやくアンテナが立ったのでタクシー(横堀駅前の仙秋タクシー)を呼ぶ。湯ノ又温泉跡地に停めた車を回収し、地元の秋ノ宮温泉で冷えた体を温めてから帰京の途に就いた。
【10月3日】 | 湯ノ又温泉跡(10:00) → 赤湯又沢・野湯のある野営地(16:30) |
【10月4日】 | 幕場(7:00) → 虎毛沢出合(9:00) → 幕場(標高680m地点)(15:30) |
【10月5日】 | 幕場(6:00) → 登山道(10:30) → 虎毛山登山口(13:30) → 国道108号合流地点(14:00) |