トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ364号目次

ハイキング・都留アルプス
森田 純子

山行日 2020年12月5日
メンバー (L)飯塚、大田、杉本、清水、森田(純)、他1名

 今回の山行、合言葉は「ピーヤ

 〈都留アルプス〉例会表で初めて知りました。私も参加できそう!1年以上例会に参加できずにいたので、三峰が懐かしくて懐かしくて・・・。都留アルプスにももちろん関心があったけれど三峰の人たちに会えるのがなにより楽しみでした。当日、富士急東桂駅に8時45分集合。大月でメンバーと合流して再会を果たすことができました。
 都留アルプスは、地元の登山愛好家の皆さんが、下刈りや倒木処理、道標の設置等コース整備に尽力され、2020年4月に日本トレッキング協会の認定トレイルとなったのだそうです。がっつりコース、一般コース、ファミリーコースと3つありますが、我らはもちろん「がっつり」歩きます。
 最初のピークは古城山(583m)で住吉神社があります。次のポイントは、尾崎山分岐でもある鉄塔NO.19。ここから谷へと下り、水は無い沢沿いの樹林帯をさまよい歩く感じで行くと、ちょっと不思議な廃屋に行きあたったのです。作業小屋?と思ったのですが、何軒か分散して建っているし、2階部分が何かを観察するためのもののようですし、ツリーハウスや巣箱が設置されていたり・・・。今思うと近くに都留文科大学があるので学生たちのフィールドワークに使われていたのかも・・・。謎です。
 しばらくして、誰もいない楽山球場を左に見つつ再度山に入り、鉄塔NO.15がある場所はミツマタ群生地となっていますが花はまだこれからです。

不思議の小屋これぞ〈里山アルプス〉

 そして、本日の最高峰713m(展望はない)を越し、楽山公園分岐あたりまでくると、向こうには三つ峠、滝子山、高川山、眼下には都留の町並みが見渡せ、これぞ里山アルプスです。
 さて、この頃からメンバー間で交わされ始めた言葉が「ピーヤ」。ハイキングマップでは鍛冶屋橋にポイントとして〈水道橋ピーヤ〉と表記されているのですが、いったいこれは何?何?
 それは、大きな水道管(石積みで、地表に現れている部分は蒲鉾みたいな形)を支えている橋脚のことでした。明治~大正~昭和初期にかけて山中湖を源流として上野原の松留発電所まで水路が作られ、8カ所の発電所が建設されたそうです(現在も稼働している)。この鍛冶屋坂のピーヤは大正9年に完成したとかで、なるほど文化遺産といえるくらいの風格がありました。大型車が通れるくらいの大きな橋脚は、その下で手を叩くと〈鳴き龍〉が鳴くとのことで、もちろん皆手を叩きましたが、声では?と試してみたところ〈龍〉が答えてくれたのは、唯一リーダーの声だけでした。
「ピーヤ!」  帰宅してからピーヤを調べていて、この桂川水系の水路を、源流の山中湖から最後の大月・松留発電所までたどった人もいることを知りました。ちなみに、標高差820mだそうです。ここからゴールの谷村発電所までは、コースタイム1時間55分です。途中パノラマ展望台、富士山展望台(残念ながら富士山は曇っていた)とアルプスを楽しみ、「ピーヤ!」「ピーヤ!」と言いながら歩きました。
 下山後のお楽しみ〈より道の湯〉はコロナの影響か臨時休業で、都留市駅近辺の食べ物屋も開いていないところばかりでがっかりだったのですが、最後に根性で見つけたうどん屋さんで打ち上げ。これまた、コロナのせいで1時間に1本になってしまった富士急に乗るため駅へと急ぎ、賑やかで楽しかったハイキングの終了となりました。

〈コースタイム〉
東桂駅(8:50) → 鉄塔NO.15ミツマタ群落地(11:00) → 最高峰713m(12:00) → 天神山(13:15) → 鍛冶屋坂ピーヤ(13:30) → 谷村発電所(14:55)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ364号目次