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雪山登山・磐梯山と安達太良山エクストリーム温泉
高橋 史生

山行日 2021年2月27日~28日
メンバー (L)梅田、高橋(史)、紺野、川口

 宴会とエクストリーム温泉に惹かれて参加。結果的には天気にも恵まれ、2日間ともしっかりと雪山を満喫、充実した山行となった。

【2月26日】
 22時東川口駅に集合し、日付が変わった直後に道の駅猪苗代に到着。
 当初、適当な場所に幕を張って・・・を予定していたが、ロビーが解放されており、しかも暖かい!!
 迷わずロビーで仮眠をとることに決め、場所を確保、軽く宴会を始めたところに似たような風貌の方々7~8人がロビーに現れる・・・考えることは同じらしく、2パーティがロビーを占領、スキーや釣り目的で車中泊をしていた人たちは目を疑ったことだろう。

【2月27日】
 朝5時頃に起床、予報に反して晴天!!
 ご来光を拝みつつ身支度を整え、コンビニで朝食を調達して8時頃には裏磐梯スキー場に到着。
 第1リフトは8時半から動くが、上の第2リフトは9時にならないと動かないということなので、第2リフトの時間に合わせて出発し、ゲレンデトップへ。裏磐梯の空は曇っていたが、時折覗く青空が天候の回復を期待させる。
 ゲレンデトップからフラットな銅沼(あかぬま)を歩く。
櫛ヶ峰分岐からの「櫛ヶ峰」  当初はここからワカンの出番とラッセルを覚悟していたが、少し前の暖気で一度溶けた雪が固まったようで、ラッセルどころか締まっていてむしろ歩きやすいという絶好のコンディション。一気にイエローフォールまで進む。途中噴煙が噴出している箇所もいくつかあり、近づくにつれイエローフォールも迫力が増し、活火山であることを実感させられる。イエローフォールで休憩をとるとともに、ここからの急登に備えここでアイゼンを装着。
 ここからは本格的な登山に、木々の間を縫うように長い急登を一気に櫛ヶ峰分岐まで登る。
 「櫛ヶ峰」は「磐梯山」の東側に聳えるピークでその荘厳な威容に圧倒される。
 ピークを踏みたい衝動に駆られつつも、「櫛ヶ峰」に背を向け「磐梯山」山頂を目指すことに、ここからは稜線を進む。そして、このころには天気も徐々に回復、時折雲は流れてくるものの、独立峰ならではの眺望に歓声を上げながらピークに向け稜線を進む。
 地を這うモンスターと化したハイマツを縫うように進み、13時前には山頂に到達。少しの休憩と記念撮影、山頂周辺の散策を楽しむ。

山頂手前の急登磐梯山山頂

本日の宿(豪華です!!)  景色を眺めながら気持ちよく下山を開始。急登を下り、銅沼周辺の平原に出た後は、トレースのない雪原をワイワイとはしゃぎながら下山をしていたら、前を歩く3人(紺野さん除く)で少々はしゃぎ過ぎてしまい、ルートを東に逸脱・・・(汗)
 リカバリーしたものの、ゲレンデに戻ると、すでに第2リフト終点より下に出てしまう・・・。ちょうど第2リフトの終了時刻15:30も回っており、そのままゲレンデ脇を下り第1リフト終点へ。こちらは16:00終了で何とか間に合った。
 ただ、リフト券1回分を無駄にしてしまう。リフトに間に合うようにと一生懸命歩いてくれていた紺野さんには本当に申し訳ないことをしてしまった。
 ルートチェックを怠ってしまったことに起因するミスであり、これは今回の最大の反省点の一つである。
 大事には至らず、ゲレンデ終了時刻前に無事に下山、途中コンビニに寄り酒おつまみ等を調達、梅ちゃんの会社の保養所というか、高級リゾートホテルの離れにあるロッジに向かう。
 チェックインの際4人でぞろぞろとホテルのロビーに行ったが、完全に場違いな雰囲気が・・・いや~いろんな意味で離れで良かった~。
 ロッジからは少し歩くが、ホテルの露天風呂からは裏磐梯が一望でき、温泉で疲れを癒す。今日の核心、宴会だ~っと部屋に戻ると、若干2名はすでに日本酒を1本開けて出来上がってる始末。まぁ、夜は長いですから~・・・。
 そんなこんなで、ワイワイと騒ぎながら、宴会を存分に楽しみ、寄せ鍋と締めのうどんでこの日は就寝です。
 ちなみに持ち込んだお酒は、飲み切らずに残っていました。どんだけ持ち込んだんだか・・・。

真剣にヘパリーゼと格闘する梅ちゃん

【2月28日】
リフトからは磐梯山が・・晴天!!  今日は温泉メインなのでゆっくり起床、6時前くらいから思い思いに朝の温泉を楽しみ、昨夜の寄せ鍋の出汁で作った雑炊で朝食を済ませ。支度を済ませ、9時過ぎにチェックアウト。
 今日の目的地「安達太良山」沼尻スキー場に向かう。雲一つない晴天!!
 10時くらいに沼尻スキー場に到着、染み付くように青い空、眩しいくらいに白く連なる峰々を堪能しながらリフト3本を駆使して一気に高度を稼ぐ。
 登山してないじゃん!!って怒られそうですが、今日の核心は温泉なのです!!
 ゲレンデトップからいよいよ登山を開始。歩き始めてすぐに痩せ尾根があり、少々危険を感じたものの、そこを越えると広い雪原になっていてルートにトレースは全くなく、しかも結構な積雪。
 前日の「磐梯山」同様、雪が締まっていて事なきを得たが、山頂部の情報が無いにも関わらず、目的地がゲレンデトップからの距離もさほどないことから、ワカンを置いてきたことに一抹の不安を感じたのも事実で、これも今回の反省点である。情報が無いときは装備に怠りなく、です。

山頂部は真っ白です。奥には真っ白な飯豊連峰真下に硫黄川(川が温泉!!)

川全体から湯気が・・・  各々谷を降りるルートにあたりをつけ、思い思いのルートで温泉を目指す。積雪期ならではの自由さが堪らない。
 降りると、温泉ならではの匂いに圧倒され、湯の華ですべてが淡い黄色に染まった川床が間近に迫る。
 早速、荷物を置き、適温の場所を探し色々と場所を当たるが、どうも夏場に比べて水量が少ないようで、かえって湯温が高く、適温の場所を探すのにパンツ一丁で右往左往・・・(貸し切りですから~)。
 当初予定していた、上流の深く掘ってある野天風呂は熱くて入れないので、少し下流に何とか落ち着き、手で掘ったり石を積んだりして念願の温泉に!!みんなで軽く乾杯し、温泉と日光浴を存分に楽しむ。
 こんな贅沢な時間はなかなか味わえない・・・温泉とともにゆったりと流れる時間を堪能する。

貸し切り温泉を楽しみます!!下山前に湯の華を採取

最後は尻セードで下山  2時間ほど滞在、気付けば14時を回り、いい時間に。湯の華も採取し、下山を開始する。
 谷伝いの下山道の脇には、麓の野尻温泉まで湯を引くパイプラインがあり、このおかげで、終始小さなスノーブリッジが形成されていて、非常に歩きにくく危険。冬季に人が来ない理由はこの辺にもありそうだ。歩けないことはないが、あまりお勧めできるルートではない。
 むしろ往路のピストンで下山したほうが歩きやすく安全。その場合、ゲレンデトップにスキーやソリ等をデポしておくと帰りも楽しめそう。
 谷伝いのルートは、ちょうど3本目のリフト乗り場付近でゲレンデに合流するので、そこからはゲレンデ脇を歩いて下山。沼尻スキー場は全体的に緩斜面の多いスキー場で、スキーヤーを横目に、のんびり歩いての下山であったが、駐車場手前の最後の斜面は少し傾斜があるので、みんなで尻セード!!
 よこちん自作のアルミ製ブス板が抜群の滑りを見せてくれた。

 2日間とも天気に恵まれ、若干のハプニングはありつつも、当初の計画通り登山も温泉も宴会も堪能できた。
 「磐梯山」は、その威容と景観のすばらしさに魅力を改めて感じることができた。できれば次は「櫛ヶ峰」にも登りたい。
 硫黄川(温泉)は、やはり雪があることにより、味わいが一気に増す。別の季節も興味をそそられるが、アプローチは大変だが、次も冬に山の上から訪れたい。
 また、今回の山行では反省点も多くあり、それらをしっかり踏まえて今後の山行の糧にしたい。

〈コースタイム〉
【2月27日】 裏磐梯スキー場ゲレンデトップ(9:15) → イエローフォール(9:55~10:30) → 櫛ヶ峰分岐(11:30) → 磐梯山山頂(12:50) → 裏磐梯スキー場(駐車場)(16:00)
【2月28日】 沼尻スキー場ゲレンデトップ(11:00) → 沼尻鉱山跡(温泉)(12:20~14:20) → 沼尻スキー場(駐車場)(15:45)

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