トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ365号目次

沢登り・烏川滑谷沢左俣
梅田 尚子
菊池 啓
山行日 2021年5月8日~9日
メンバー (L)高橋(史)、金子、紺野、高木、橋岡、和田、野畑、坂井、鈴木(一)、梅田、田中(雅)、菊池

 東日本大震災以来、放射線量が高く禁漁となっていた阿武隈川が、今年の4月1日より10年ぶりに信夫ダムを隔てて上流域ではイワナ等が解禁となり、早速釣りと山菜取りの初夏の宴会山行が企画された。1日目は岩魚班3人と山菜班9人に分かれ、異なるルートでそれぞれ岩魚と山菜を収穫し、幕場で合流。2日目は、山菜班が来た道を全員で戻る。

【5月8日】岩魚班 記録:梅田
 よこちんから山菜と岩魚山行をするから行こうと誘われた。岩魚を釣ってみたいと前々から思っていたこともあり、岩魚班に二つ返事で手を挙げた。
 しかし、蓋をあけてみると、岩魚班は滑谷沢を周回するため、1日目は10時間以上のコースタイム。他の岩魚班メンバーであるよこちんとナンシーは沢経験が豊富だが、沢初心者の私は、そもそも遡行できるのかがとても不安だった。そんなわけで、岩魚班なのに竿を持っていくのを放棄し、大事なお酒をすーさんに預けるまでして軽量化を図った。さらに、山菜班が前泊飲みで盛り上がっているのを横目に、我々3人は飲みもそこそこにさっさと眠りについた。
 3時半起床。4時道の駅国見あつかしの郷を出発。かなり眠いが、前泊でいつもよりも飲んでないおかげか、体調は良好。普段も前泊で飲みすぎないようにしようと思った。準備をして、5時30分に出発。入渓地点まで山菜がチラホラあったが、後から来る山菜班が採ってくれることに期待して通り過ぎる。
 烏川橋から入渓。いきなりヌメヌメである。入渓早々不安を覚えるが、しばらく遡行すると滑りにも慣れてきて、滑谷沢出合いまでは順調に遡行した。
 ナンシーは、歩きながら面白い落ち葉の形や石に刻まれた模様を次から次へと発見して、感激している。その感性の豊かさがほんと素敵だなぁと感心。この時期の新緑はとても美しく、感性があまり高くない私でも綺麗で癒される。入渓前は色々不安だったけれど、来てよかったと、初夏を感じながら進んだ。
 出合いの先から水が急激に冷たくなる。ふと前を見ると、雪渓が所々残っていた。スノーブリッジになっているところもあり、通過にやや苦労する。それでも、よこちんが釣りをしながらも12時には二俣に到着し、順調そのもの。この時点で、暗くなる前に無事に幕場に到着できそうだと思えて、ようやく安心した。二俣で岩魚をさらにゲットして出発。
雪渓が大量に残っていた  トポを見ると、左俣に入ってすぐに右側に巻道があるようだったので探したが、結局わからず諦めた。二俣から先は消化試合だと思っていたが、標高がやや上がって雪渓の規模が少しずつ大きくなった。遡行するのも巻くのも、予想に反して少し骨が折れた。また、朝早くから歩いていたこともあり、段々歩くのにも力が無くなってきた。軽量化で行動食をしょぼくしてきたことで、補給する意欲も失せ、食べたいものを持ってくるべきだったと少し後悔。
 そんなこんなでボーッと歩いていると、釣りをしている和田さんの後ろ姿を発見!幕場そばの裏見の滝まできていたのだ。
 右岸のフィックスロープを使って裏見の滝を登ると、すぐ右側に幕場があり、山菜班と無事合流。皆が「お疲れ様!」と最高の笑顔で迎えてくれて、これまでの疲れが一気に吹き飛んだ。「到着する頃にはお酒もおつまみもほとんど無くなっているよね~」なんて話していたけれど、そんなことは全くなく、お酒もほどほどに我々3人を待ってくれていた。その心遣いが本当に嬉しかった。
 急いで沢装備を解いて、宴会に参加。紺野さん作の歌詞集を片手に、飲めや歌えやの大宴会。はしゃぎすぎたせいなのか、睡眠不足のせいなのかはわからないが、宴会参加後30分くらいまでの記憶しかなく、寒くて目を覚ますと夜中の3時だった。しかし、とても楽しかったという記憶のカケラだけは残っている。
 紺野さんの絶品おつまみと山菜の天ぷらを少し食べたくらいまでしか記憶がないことだけは、ちょっと残念。しかし、周りに聞くと、「美味しい!」と言ってモリモリ食べていたようなので、まあヨシとしよう。
 最後にすーさん、私のお酒を運んでくれたのに、ギャン鈴(※ギャンブラー鈴木の略)と連呼して、ディスりまくっていたようでごめんなさい。

【5月8日】山菜班 記録:菊池
 よこちんさんから山菜山行にどう?と誘われ是非!ということで参加させていただきました。自分はとにかく歩荷としてみんなの荷物を担ぎ上げろ!とのことで80Lの大型ザックで参加。
 山菜班は歩行時間4~5時間、ほぼ林道歩きとのことなので7:45歩行開始というゆとりのあるスタート。
 新緑の美しい林道歩きをしながら高木さんから山菜を教わるも・・・最初はまったく見つけられない!!もともと林道にはちらほらしか生えていないこともあり、太平橋まではほぼ見つけられず・・・。
 入渓点である太平橋では何種類かの山菜があったので皆で目の色を変えて採集。とりあえず岩魚班への面目がたつぐらいは採れました。
 入渓後の幕営地、裏見の滝上流までは1時間半ほどしかからず、滝もまったくないためあっという間についてしまった。
沢を挟んで両岸に幕営の跡があったが左岸の方が平らな場所が多そうなのでそちらにタープを張り荷ほどきも早々に宴会スタート!
みんないい笑顔!  宴会ではとにかく酒が出てくること、出てくること!予想より早く14:30ごろに岩魚班が合流すると宴会はさらにヒートアップ!!つまみの山菜のおひたし・天ぷら・岩魚料理がとにかく美味しい。紺野さん、よこちんさん、高木さん、バタコさんの料理の腕に脱帽です!
 梅ちゃんの独(毒?)演会、紺野さんや橋岡さんが唄ったり、金子さんと和田さんがいつの間にか寝ていたり、自分も最後は少し記憶が怪しいですが、最高に楽しい宴会でした。

【5月9日】記録:菊池
 前日の余韻も冷めやらぬ中起きると、みな眠そうな顔をしながら起きていた。何人かに聞いたところ皆いつの間にか寝ていたらしく、おそらく半数以上の人が記憶がないようである。
 よこちんさん特製の山菜岩魚ご飯を食べ、撤収作業を行うも前日が楽しすぎたのか皆一様にテンション低めに作業。
 下山は山菜班が来たルートを戻るだけなので8:30に出発。途中の沢からでた太平橋付近で、金子さんパワーなのか天気予報にない雨が降りだすも駐車場の東栗子トンネル入り口では太陽も出てきていい感じに締めくくることができました。
 とにかく飲んで騒いだ2日間、この年になってこんなに楽しい山行ができるとは思っていませんでした。
 皆さんありがとうございました!

〈コースタイム〉
【5月8日】 岩魚班:東栗子トンネル入口(5:30) → 烏川橋=入渓点(6:15) → 滑谷沢出合い(8:45~9:00) → 二俣(12:00~12:20) → 裏見の滝上流=幕営地(14:40)
山菜班:東栗子トンネル入口(7:45) → 烏川橋(9:10) → 太平橋=入渓点(10:00~10:10) → 裏見の滝上流=幕営地(13:00)
【5月9日】 裏見の滝上流=幕営地(8:30) → 太平橋(9:30) → 東栗子トンネル入口(11:10)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ365号目次