トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ365号目次

岩登り・小川山-東股沢野猿返し
小芝 麻紀子

山行日 2021年5月23日
メンバー (L)小芝(麻)、青木、石毛、坂井

渡渉点  例会募集で集まったメンバー3名と共に、女性陣だけで小川山の東股沢にある野猿返しにマルチピッチ・クライミングをしてきました。

 トポにある林道から踏みあとに沿って進むとすぐに、川と堰堤にぶつかる。事前にネットで調べておいた渡渉点らしきあたりは水量が多くて渡れそうにないので、水流の穏やかな堰堤直下を裸足で渡る。この時期はまだまだ水は冷たく足が悴む。

 川を渡って一段高くなっている台地に上がると、ケルンが2つ見える。2つのケルン間の踏み後を辿り、しばらく歩くと岩峰が左手に見えてきたが、踏み後が続いていたのでそのまま斜面を進むと、段々と足場が悪くなる。おかしいと思い来た道を戻り、岩峰の先端あたりにキラリと光るボルトを発見。取り付きと確信する。どうやら本日は我らが一番乗りのようだ。
 今回は、私と石毛さん、青木さんと坂井さんの2パーティーで登る。私達のパーティーが先行する。

1P目  1P目 私のリード。ボルトは無視して、1・2番あたりのカムを一つ決めて左上の登りやすいルートから登る。1段上がると、その上にもう1段登りきったところの岩角で支点構築。トポだともっと先まで行くようだが、流れが悪くなりそうなのでピッチをきる。私の声が小さく、内容もはっきり伝わってなかったようだ。向こうの声も前半はっきり聞こえず。パートナーが登ってきた後に指摘を受ける。コールと聞こえないときは笛を使う等など確認する。基本的なことの指摘で反省。  支点からはロープを持って歩いて少しくだり、次のピッチの岩下まで移動する。

 2P目 パートナーのリード。4-5mくらいのスラブを登り、その後のフェースをそのまま直上登る。ここから本格的なクライミングが始まる。ちょうどいいところにホールドがあって登りやすい。高度感があり、景色が素晴らしい。

 3P目 私のリード。リッジ歩き。途中で数ヵ所岩角を使って中間支点を取りながら進む。ほぼ歩き。

 4P目 私のリード。右上のピナクルを目指して登る。ピナクルを右から巻いて、少しトラバース。ここで立木に支点をとって直上しようとしたら、岩のフレークにロープがスタック。涙。少し降りて、立木をやめて、やや斜め上の岩角に支点を取って登る。が、またもやスタック。涙。更にもう少し登ったところの岩角に支点を取り直しやっとスタック地獄から抜け出す。安堵。その後クラックにカムをキャメロットの0.5と0.75の2つをセットして岩の上部まで辿りつき岩角に支点セット。ロープの流れを考えさせられるルート。景色と高度感はとてもいい。

 5P目 パートナーのリード。トラバースしていくと、大きなしっかりとした岩がぐらっと動く。こんなしっかりしてそうな岩が動くとは。身を引き締める。

 6P目 私がロープを首にかけて暫く歩き。

 7P目 パートナーのリード。クライミングシューズに足が疲れたパートナーが5P目を終わった時にクライミングシューズからアプローチシューズに一旦変える。簡単な壁だったので、そのままアプローチシューズで登る。

 8P 目 パートナーがロープを首にかけ、しゃくなげのアーチの中を歩く。この時期はしゃくなげの花が咲いていて綺麗だ。満開を楽しむならもう少し時期をずらした方が良さそうだ。

 9P目 岩上の木に懸垂用のカラビナが見える。数メールの壁を登って無事に登頂!

 後発のパーティーの到着を待って懸垂で25mほど降りる。しっかりとした踏み後を辿って下山すると、アプローチの道に合流。来た道を歩いて終了。

最高の景色の中でのクライミング!  皆様に助けられながら、無事に山行を終えることができました。色々と反省もあり、また次に生かしていきたいです。

 最後に、野猿返しルートを整備して頂いた方々に感謝をします。支点の取り方やロープの流れを考えるなど、いい勉強になりました。ナチプロマルチの入門編として良いルートです。また勉強しつつも、素晴らしい景色の中で、高度感のある気持ちのいいクライミングを楽しめました。

(備考)キャメロット0.3~3 のカムを1セット持っていきました。全部は使いませんでしたが、カムはあった方がいいかと思います。

〈コースタイム〉
林道駐車スペース(7:00) → 取付き(7:30) → 終了点(11:30) → 林道駐車スペース(12:30)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ365号目次