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雪上訓練・谷川岳山麓
木村 咲稀
高橋 史生

山行日 2021年3月6日~7日
メンバー (L)千葉(快)、下村、宮本、萩原、石毛、高橋(史)、梅田、野畑、坂井、青木、古屋、津田、木村

【3月6日】記録:木村
プロービングの様子  当日天気は曇りのち小雨となったが、初日は9:30に土合の家に集合し、以下のスケジュールで実施された。
 ・ビーコン装着とテスト
 ・ビーコン捜索(ファインサーチ)
 ・ビーコン捜索(シグナル~ファイン)
 ・プロービング
 ・掘り出し
 ・アンカー作り
 ・搬送(引き上げ、引き降ろし)
 ・16時終了

夜間の講習の様子  夜間(大広間)
 ・17時~19時
 ・搬送法の補習(ヒューマンチェーンとロープワーク)
 宿泊は希望制でテント泊と土合の家泊に分かれた。3つのテントではそれぞれすき焼き、餃子、味噌煮込みラーメンと豪勢な夕飯で夜を楽しんだ。
 今冬から雪山登山を始め、ビーコン、スコップ、プローブをなんとなくの使用方法しか理解せずに持っていたが、今回実践的にレスキューの流れを学ぶことができたのは貴重な経験だった。もちろん事故はないに越したことがないが、もしもの時、迅速に対応できるように準備しておきたい。ビーコンの電源を入れ忘れてそのまま埋めてしまったプチアクシデントはむしろよい訓練になったように思う。
 今回講師を務めていただいた快晴さん、宮本さん、下村さん、ありがとうございました。

【3月7日】記録:高橋(史)
 昨夜は、いったい何人の人が我々のテントに酒や食べ物を持ってきてくれたのであろう・・・全く覚えていない。
 同じテントの梅田も覚えているはずがなく聞くことすら無駄である。
 今日は、昨日教わった三分の一システムやビーコンの操作を実践的に訓練する日だ。今シーズンから雪山を始めた自分にとって、この訓練はとても重要な位置づけだった。身支度を整えて山の家の裏に集合して2班に分かれ、雪崩によって埋まった要救助者に見立てたビーコンを掘り出す。仮想デブリを斜面に作り、より本格的に現場を再現させる講師陣の工夫は流石だ。

ジャンボテントが並ぶ仮想デブリを斜面に作る

 準備が出来て一休みした後、最初に我々の班が上部に待機し、次に実施する班がビーコンを埋める。生存が可能な時間内に掘り出すことが重要になってくる。
 上部に待機していると「仲間が雪崩に巻き込まれた!!」と野畑の迫真の演技でスタート!!真剣にダッシュで斜面を駆け下りたのだが、私は穴に落ちて足を痛めてしまった。訓練でケガ・・・バカですね。
 よろよろとビーコン捜索に入り必死に穴を掘る。ギリギリ生存出来る時間内で掘り出すことが出来た。次の班は、スムーズに作業が進んでいく。やっぱり一度見ているのと違うと言い訳を考えながら見ているが、完全に負けている感じがする。時間も圧倒的に速い。
雪崩からの救助訓練の様子  2回目、要救助者を三分の一システムを使って斜面を引きずり上げてトラバース、引き下ろす。かなり重い・・・次の班はプーリーを使って引き揚げてかなりスムーズに上がっていた。能力の差がここでも・・・。
 3回目、時間制限有りで実施・・・ビーコンが全然見つからなくてタイムオーバー・・・救助できなかった・・・次の班は、引き上げまでは時間内に・・・スムーズさとパワーの差が出ている。雪崩からの救出は訓練でもまともに出来なかった。本番が来ないことを心から祈ってしまう。
 今回、2日間で色々な救助訓練を受けたが、私自身が初めてだったこともあり、体験程度にしかなっていないと自分で感じ、繰り返し訓練を行うことが大事だと思った。ゾンデで人を探す感触も非常に難しく、実戦で活用できるレベルではない。その事を知れたことは大変よかったが、来年も繰り返し訓練を行いたいと思った。


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