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花見山行・高尾山
鈴木 一彦

山行日 2021年4月11日
メンバー (L)原口、江村(皦)、勝部、広瀬、菅原、小芝(麻)、小芝(泰)、鈴木(一)、高橋(史)、西村、他1名

 三峰名物・原口鍋をご馳走になるのは、これが2度目である。最初は2020年のレスキュー訓練。三峰のレジェンドたちがあり得ないほどたくさんの食材とお酒を持って駆けつけてくれた時以来。物量、そして何より美味しさに度肝を抜かれて、また機会があったら参加したいなと思っていた。
 例会表にあるお花見山行は気になっていたが、個人山行と日程が重なってしまい横目で眺めるだけになったが、金曜日帰りの急な出張が飛び込んで週末の予定が全キャンセル。ポッカリと空いた週末、どう過ごそうかと考えていたら、高橋さんから「高尾山に来なよ」と連絡をいただいた。天気も良いし、我が家から高尾は歩いても行ける距離。即参加の意思を固めて当日を迎えた。
 2時間ほどかけて集合場所に着くと、間もなくレジェンドたちが続々と集結してきた。初めてお目にかかる方々も多く緊張する。普段、わいわいと山に向かっているときはあまり意識したことがなかったが、間もなく設立から90年になる会に所属しているのだなと背筋が伸びる思いだ。
 原口さんから食材を預かり、ここからはケーブルカーと徒歩に分かれて山頂を目指す。ここで、自分は小芝夫妻と別れ、菅原さん、高橋さんと3人でケーブルカー組より速く登ろうという無謀な試みを実行した。家族連れや若者グループを次々と追い越し、山頂駅直下まで一気に登ると、あり得ないぐらい心拍数が上がる。そして、3人ほぼ同時にトラバース路への分岐に到着してひと息ついた。ここからはさすがにのんびりと歩き、高尾山への自分と高橋さんは初登頂を果たした。

東屋で宴のスタート  山頂は自粛明けで人、人でごった返している。どこで鍋をするんだろうと思っていたら、何と東屋の下で既に原口さんが支度を始めているではないか!慌ててそちらに引き返し、取るものも取りあえず乾杯という流れになった。ここでさらに驚いたのが、ホエーブスの登場である!名前しか聞いたことのない往年の名器にこんなところでお目にかかれるとは。本体もさることながら、収納容器も味のある佇まいだ。ベテランの方々は、口々に「やっぱりガソリンはこれじゃなきゃ」と嬉しそう。そんな様子を見ていた年配の登山者の方も懐かしさなのかお話しに加わってきた。

威圧的な蟹  ホエーブスを使っていよいよ原口鍋のスタートである。饗宴の主役は鍋にでかでかと鎮座する蟹!!高尾山で蟹を食べる日が来るとは思わなかった。心なしか周囲の視線が気になるが、その味わいの前には無力である。みんなが持ち寄ったお酒も音を立てるように消えていく。
 恥ずかしい話だが、ここから先は曖昧である。チュニジアでの運命的な出会い、ヨーロッパアルプスでの思い出など、小説か映画のような話を聞きながら、とにかく楽しかったという記憶しか無い。目の前にいる人たちは日本の山登りを体現してきたような人たちなのだ。若い頃に読んだ紀行小説を思い出した・・・。その後、気が付いたらアシストつきで下山していた、そうです。
 20代から70代のベテランまで、三峰には様々な年代、様々なバックボーンを持つ山好きが集まり、楽しく山を目指している。三峰の旗の下に集まれば、それだけで楽しく過ごせる仲間なのだなと、改めて実感した一日となった。

〈コースタイム〉
高尾山口(9:30集合) → ケーブルカー組と徒歩組に分かれ登頂


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