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山スキー・焼山北面台地
荻原 健一

山行日 2021年3月14日~15日
メンバー (L)荻原、清水、斎藤(吉)

 岳人100ルートの紹介文「日本離れした広大な斜面の大滑降!」という文言と焼山と焼山北面台地が目の前に広がる写真に完全にやられてしまった。ここを滑るために今シーズンはスキーセットを買ったのです。岳人に掲載されたのが2014年なのでそれからあっとういう間の7年間。いつかいつかと思いつつ、そしてその日はやってきたのです。しかし土曜は最悪の天気、日曜の午前中は冬型でこれもまたダメ、メンバーと相談し日・月の日程へ急遽変更。メンバーが1名減ってしまったが、3名は無事に変更申請の承認?がとれた。これで準備は整った。7年ぶりの思いは結実するのか?

【3月13日】昼前より晴れ
アマナ平  天気予報によれば午前中は冬型で悪天。なので東所沢駅に朝に集合して出発。12時前には能生ICを通過して笹倉温泉の駐車場に到着。準備をして颯爽と出発する。しかし背中の幕営装備は重く、九十九折りの林道沿いのルートは雪で埋まっており斜度の強いトラバースを強いられてなかなか大変。幕営予定地のアマナ平まで2時間で見ていたところを3時間半もかけてようやく到着する。ここは真っ平の広大な雪原が広がっており、いつかの風吹大池を彷彿とさせる幕場であった。誰もいない静かな夜、満点の星空、周りを囲む頚城山塊のシルエット、そして旨い酒と愉快な仲間たち、いつもながらの最高の夜が更けていく。

【3月14日】小雪のち晴れ
 今日は朝から快晴だ!と思って、テントを出ると雪が降っている。出発時刻になってもまだそれなりに降っているが、天気予報を信じて予定通り出発する。しばらく行くと焼山北面台地の末端に出て、やがて焼山もその姿を現す。一気に気分がアゲアゲになるが、すぐに辺りは一面のホワイトアウト。数メートル先も見えない状態に。こんな状況でスキーは危険なので「撤退」の2文字も頭に浮かぶが、ここも天気予報を信じて前進することにする。それから1時間、今度は本格的にガスが取れて焼山北面台地のまさに日本離れしたロケーションに全身が包まれる。長年山をやっているが、こんな風景は見たことが無い。メンバーの声も上ずっている。滑降時に雄叫びを上げるメンバーは良く見かけるが、登っている時に興奮して声を上げる光景は見たことがない。そのくらいすごいロケーションなのだ。

北面台地と焼山火打方面

 傾斜が強くなる1,920m地点にスキーをデポ。ここからはアイゼン・ピッケルに代えて更に上を目指す。あわよくば山頂までと思っていたが2,100mあたりから傾斜は更に強くなり、登りはなんとかなっても下りはロープが必要なコンディションになってきたので、ここであっさり山頂はあきらめる。我々はこの広大な斜面を滑りに来たのでこれでいいのだ。スキーデポ地点に戻り、準備していざ滑降開始だ!

これから滑降です!M子の滑り

 心地よい傾斜の広大な斜面をひたすら滑っていく。雪もまずまずだ。滑りだすとあっという間ですぐに終わってしまいそうなので、1本とってこのロケーションを十二分に味わう。満足したころに後半戦を開始し、やっぱりあっという間にアマナ平に戻ってくる。
 テントを回収し、名残惜しいように何度も振り返りながら、重荷と重い雪でMPPになるころ笹倉温泉に到着し、今スキー山行も終了となる。イメージ以上の大滑降に今回も大満足。
 ここで一句、「変えるならルートじゃなくて日程だよ。有休バンザイ!」、お粗末でした。

M吉の滑降有休バンザイ!
〈コースタイム〉
【3月14日】 笹倉温泉(12:30) → アマナ平(幕)(16:00)
【3月15日】 幕場(5:45) → 焼山北面1920m(スキーデポ地点)(10:15~10:45) → 焼山北面2050m(最高到達点)(11:15) → スキーデポ地点(11:50) → アマナ平(13:10~14:00) → 笹倉温泉(15:00)

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