トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ365号目次

沢登り・屋久島の沢
その1 淀川中俣
津田 友紀子

山行日 2021年4月30日
メンバー (L)Kaisei、BATAKO、津田

 屋久島に到着した翌日は足慣らしで淀川中俣に入った。私自身は今シーズン初の沢でワクワクするとともに少し緊張していた。
 宿からレンタカーで淀川登山口に到着。淀川小屋まで40分ほど登山道を歩く。ここで沢支度をし、トイレの裏にある踏み跡から入渓。沢は白い砂床で水は透き通った淡いエメラルドグリーンだ。その美しさと、水が思いのほか冷たくて、ワーキャーはしゃぎながら歩きだす。
 徐々に苔にびっしり覆われた岩が増えていき、ところどころに小石の入ったポットホールも出てくる。次第に日も登っていき水面がキラキラと光り出す。ほとんど標高が変わらない沢なので水平のままだ。はるばる南の沢にやってきた実感に浸りたくて、「屋久島にいるんだね~」とたびたび口にしてしまう。見たことのないこの景色を収めたくて写真を思う存分撮る。
 左俣と分かれてしばらく進むと、両岸が迫ったゴルジュが出てくる。ゴルジュ奥の小滝のしぶきが側壁の苔に水玉を付けている。その無数の水玉が虹色に輝いているのをバタコさんが発見!見たことのない幻想的な風景を目にしてしばし見入ってしまった。
 このあと1時間ほど進むうちに、だんだんと日が陰ってきて少し寒くなってきた。もうあと30mほど標高を上げれば稜線というところで、間違って右の枝沢に入ってしまった。枝沢の入り口は広いものの、急に傾斜がきつくなり、沢が滑って歩きにくいので右の尾根に逃げる。なんだか目指しているはずの沢とは違う様子だ。この尾根には高盤岳へ向かうと思しき踏み跡が続いていた。
 沢が間違っていたと判明したあとも、無理やり対岸を進めば稜線に出るからそのまま進む方がいいのか・・・。ただ対岸は木々に阻まれ進むのが大変そうだとの判断により、結局、元居た出合まで戻ることにした。戻ってから周りを見てみると、出合の角度からは沢の続きに見えなかった反対側のボサった入り口が正解だった。確認できたところでしばし休憩。再び歩き出してそのボサから上がると、すぐにピンクテープが出てきて稜線となった。
 稜線からは登山道を北に進み、花之江河の湿原を通過して淀川小屋を経由し、登山口まで戻った。
 噂に違わず素晴らしい美渓と、ちょっとしたハプニングで楽しい沢となりました。間違った枝沢は地形図ではわずかな凹みで、私には目の前の風景はイメージできず、とても勉強になりました。

〈コースタイム〉
淀川登山口(6:55) → 淀川小屋(7:40~8:15) → 1,410m左俣出合(9:35) → 1,430m地点(9:55~10:15) → 1,520m地点(11:55) → 1,430m地点に戻る(12:20~12:40) → 稜線(13:00) → 花之江河(13:25) → 淀川登山口(15:30)

お天気もKaisei!
エメラルドグリーンの美渓!虹色の水滴の滝

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ365号目次