山行日 2022年1月22日~23日
メンバー (L)古屋、青木、高橋(史)
今シーズン始まる前から雪稜のアドバイス、サポートをしてくれている古屋さんに、アイスクライミングデビューをお強請りして連れて行ってもらえる事になった。
直前まで何処に行くのか分かっていなく・・・「トップロープで練習だろう」程度に考えていたのだが・・・・古屋先生のサディストっぷりを甘く見ていた(すごく考えてくれての事だと信じたい)。
結局決まったのは、広河原沢を拠点に1日目クリスマスルンゼでトップロープ、2日目3ルンゼという事になったのだが、自分に行けるのか・・・
最近、若干心を開いてきてくれている青木さんも参加という事で、少し緊張が和らいだのは幸いだ。
1日目、舟山十字路の駐車場に到着。沢山の車が・・・もう少し出るのが遅かったら停められなかったかもしれない。早々に準備をして出発した。
広河原の幕営地までは1時間ちょいですぐに到着、さっさとテントを張ってクリスマスルンゼに向かうのだが、広河原から右に向かうトレースが薄くてよく見ないと雪の下のトレースを踏み外し腰ぐらい沈む場所も有った。雪の上の僅かな痕跡を探しながら歩くのも面白いな~とか思って余裕だったのも、力強いお二方がいたからなのだろう・・・
明日行く3ルンゼとの分岐に到着するとトレースは更に見えにくくなってラッセルになった。途中、先輩2名共に踏み抜いて沢に浸かり御機嫌が悪くなったのが、本日の核心だった。
5m程度の氷瀑が現れるが、特に難しいとかは無かった。初めてアックスを氷に刺したが、出発前にビンビンに研いでおいたので簡単に刺さるし、新調したモノポイントのアイゼンもサクサク刺さるので、全然怖さも感じなかった。どんどん気持ちが高まってくる。
そうこうしている内にクリスマスルンゼに到着(途中に滑が有ると聞いていたが雪で埋まっていて良く分からなかった)準備をして下部の雪を退かす。お~凍ってる凍ってる・・・とか思っているとリーダーが凍った表面をアックスで引っ叩く・・・ガシュンとか音を立てて貫通・・・アレ?最中状態が何層にもなっているし、すぐ隣は氷の下を水が流れてアックスで刺すと下から染み出てくる・・・何とか氷の状態が良さそうな場所を狙ってリーダーが上って行くと「うわっ!!」後で聞いたら噴水みたいにピューピュー水が出てきたらしい。
それでも、何本か下部で練習をして上部に進む。行く前に、「脹脛と腕がパンパンになるよ!!」と色々な人に脅されていたが、全くならなかった。さぼりさぼりだが、クライミングジムに行っているのが良いのかな?
一段上がると良い感じに発達した2段目が現れた。凄くかっこいい!鍾乳石の様にごつごつとしていて滑らかで神殿のようだ!!「おお~」とか声が漏れてしまう。
リーダーが残置されたV字スレッドとスクリューのバックアップで支点構築してトップロープを張ってくれた。
下段の大滝よりも立っていたが、それほど難しくなく楽しく何本か登って、アックステンションも教えてもらい明日の準備万端となったところで、本日のトレーニングは終了した。幕場に着くとツェルトが一張り・・・タフな隣人がいらっしゃる。その日の晩は、何時も激ウマ青木さんの鍋に舌鼓をうって就寝、明日の3ルンゼが楽しみだ。
のタフガイも間違えているのか、トレースは真っすぐ進んでいる。
2日目、まだ暗いうちに出発、昨日トレースを付けてあるから楽ちんだ。3ルンゼとクリスマスルンゼの分岐に到着すると、我々が進む方向にトレースが出来ている。隣人のタフガイに違いないと思いラッセルに感謝である。分岐を入ると直ぐに雪が、びっちり着いた8mくらいの小滝、特に問題なく登る。
暫く歩くとゴルジュ状の地形に入り正面に進むと勘違いする様な感じだが、左のCS滝を登るらしい・・・リーダーが居なかったら確実に間違えている。そして、先行 一本取ってCS滝をリーダーが登ると「うわっ!!」と叫び声が・・・相変わらず何があったのかは教えてくれない先輩・・・怖いんですが・・・と思いながら登ると、自分も「うわっ!!」と声が出てしまった。リーダーが水ギリギリに立っていて先に行くには、慎重に左をトラバースしないと沢にドボン状態・・・雪を崩して橋を作りながら何とか切り抜けた。この寒さで濡れるのだけは勘弁だ。そのまま進むと膝上から腰位のラッセルが始まる。急に硬くなり立てるところがデブリの痕跡だと知った時にはゾッとした。50m程先を見ると先行のタフガイが、ルートに戻る為に下降してきている。直ぐに追いつき協力してラッセルをする。直ぐにラッセルでへばる私はリーダーに笑われ冷たい視線を受けながら頑張りました・・・(被害妄想でしょうか?)
暫く行くと3ルンゼ2ルンゼの二俣に到着。右に進むと直ぐに大滝が見えてくる。結構雪が被っていて何だか小さく見えてしまう。ロープを出し、苦労なく突破して行く。リードが登っている時に氷が落ちてくるのも慣れてきた。大滝を抜けての二俣は右に進むと裏に回り込める5mくらいの滝が現れた。下部は埋まってしまっているのだろう。記録では8mと書いてあった場所だ。氷柱が欠けて若干ハングしている気が・・・
リーダーが登っているのを見ても氷柱の集合体の氷の壁がアイゼンの歯を弾いて刺さりにくそうだし、被っているから疲れそうだしで登れる気がしない。
自分の番が来て登っていると、蹴りこんだ半畳ほどの氷壁が割れ落ちて青木さんに激突しそうになって冷っとした。
昨日教わった、アックステンションを常に使い何度も落ちながら登り切ったのは言うまでもない。もちろん腕パンパンです。青木さんも苦労しながら登っていましたが、上から見ていたので様子は全く分からず。ロープにテンションが掛かると落ちたな・・・と
2段目を登るとまた水が・・・ここでもリーダーは、何が有るのか教えてくれないのです(冒険の楽しみを奪わない為と信じよう!!)。後は、P3ルンゼまで淡々と進むだけだ。
P3ルンゼに到着!!去年の春に初めての雪稜に古屋さんのサポートで相方と来た阿弥陀南稜の事を思い出した。あの時は、この場所に立つのが落ちそうで怖かったのに今は、それを下から登ってきた。一年の間に神経がマヒしたとしか考えられない。気を付けないと、変な人になっちゃうな・・・でも止められない。
その後は南陵を下山し南稜入口に荷物をデポ、幕場まで戻り荷物を回収して下山。
駐車場に着くころには暗くなっていて、あんなに沢山いた車は我々の一台だけになっていた。
今回、我儘でアイスに連れていってくれた上に全てリードしてくれた古屋さん、おいしいご飯と癒しの笑顔で助けてくれた青木さん本当に有難う御座いました。
最高に楽しいアイスクライミングデビューになり、これからも続けたいと思います。
帰ってから、研ぎすぎたアックスの歯が短くなりすぎたのは誤算でした。どうしよう・・・
【1月22日】 | 舟山十字路駐車場(7:00) → 広河原幕営地(8:15~9:25) → 右俣クリスマスルンゼ3ルンゼ分岐(10:15~10:25) → クリスマスルンゼ大滝(12:00) → 撤収(16:00) → 広河原幕営地(17:00) |
【1月23日】 | 広河原幕営地(6:05) → 右俣クリスマスルンゼ3ルンゼ分岐(6:40) → 3ルンゼ入口CS(7:45) → 2ルンゼ3ルンゼ分岐(9:00) → 大滝(9:30) → 大滝上右俣8m氷瀑(10:20~-10:25) → P3ルンゼ(13:30) → 青ナギ(14:30) → 南稜入口(15:50~16:00) → 広河原幕営地撤収(16:40) → 南稜入口(17:30~17:40) → 舟山十字路駐車場(17:50) |