山行日 2021年10月2日~3日
メンバー (L)千葉(快)、野畑、坂井、首田
実は山を始めた当初はどの山に登っていいか分からず百名山ばかり登っていた。しかし最近は貴重な夏山シーズンは沢登りに熱中してしまい百名山のカウントは中々増えずにいた。
そんな時、野畑さんから「だったら両方やればいいじゃん!」と言われ、今回の沢から百名山企画が実現する事となった。場所はずっと行きたかった白山。しかもこの沢はマイナーではあるが青白い渓相で有名な茗渓ときく。百名山へ紅葉シーズンに沢からのアプローチ。百名山を志す者には何とも贅沢な良い響きではないか。
【10月2日】晴れ
前日は「道の駅ひだ壮川温泉」にて前泊し、朝コンビニで朝食を済ませ遅めの出発。大白川ダム駐車場は紅葉シーズンのためハイカーで大賑わいであった。入渓点は少し車道を戻った所にあり踏み跡もかなり明瞭。最初の分岐の転法輪谷出合までは河原の渡渉を繰り返す。温泉成分を含んだ水は青白く綺麗で冷たく足が痛いほどに冷えていく。不思議なことに沢臭はまったくなく苔も生えていないのでラバーシューズがバチギキであった。 転法輪谷出合を過ぎると谷が狭まり、ここから連続して3m滝、8m滝、25m滝が現れる。今回は安全の為、8m滝と核心の25m滝でロープを出した。
とくに25m滝は高度感があり緊張したが取り付いてみると、多少浮石が多いものの滝からあまり離れないラインで登りやすかった。
その後は楽しい小滝が続くが季節柄水を浴びるのは嫌になり、ほとんど巻いてしまった。夏ならば水線を行きたいところだが今の時期はウェットスーツが必要かもしれない。実際ウェットスーツの日帰りパーティーもいたくらいだ。
日帰り記録が多く幕場情報も少ないが、1,810m二俣の左の支流へ5分ほど入った所、河原の砂地を強引に突貫工事して4,5人テンを建て何とか本日の幕場とした。下は岩がゴツゴツしていて快適性はあまりなく、増水には耐えられないであろう。ここまでくれば水は支流から汲めば温泉成分はなく心配ない。夜は焚き火宴会で盛り上がった。
【10月3日】晴れ
朝から風が強く紅葉した木々が揺れ季節柄とても肌寒い。稜線の風を心配したが登山道に合流すると沢筋からの肌寒さから一転、一気に解放され、今度は水が恋しいくらいの暑さが我々を待ち受けていた。幕場から稜線までは沢筋を忠実に詰め、特に藪漕ぎもなく登山道まで合流できた。登山道は一転して今までの静かな沢とは違い人が途切れなく登ってくる。そう今は紅葉シーズン。どうやら一番混む時期に来てしまったらしい。しばらく人の波に紛れながら登っていくと、急に道は平坦となり赤く染まった紅葉の樹木が美しい平地に出る。整備された木道を辿れば巨大な宿場町のような建物群が現れた。ここだけ山を忘れ渋谷のド真ん中にいるような観光地を思わせる人混みでここが室堂平であった。一休みして鳥居をくぐり後は参道をひと登りすればそこは白山御前峰であった。山頂からの景色は圧巻。北アルプスや中央アルプスなどの山々が手に取る様に見える。登山道で来たら物足りないかも知れないがここに沢登りでみんなで来られたという事が何より嬉しい!
帰りは降りるだけだが登山道は暑く相当汗を掻かされ下山。帰りは駐車場横の大白川露天風呂へ立ち寄った。温泉は大白水谷の白い温泉成分が付着した岩と同じ色をしており沢水をそのまま沸かしたらこんな感じになるのかも。次にこの沢に行くなら真夏の暑い時期に水線で行ってみたい。日帰りの簡単に登れるオススメの1本。思い出に残る山行となりました。
【10月2日】 | 大白川ダムP(8:00) → 転法輪谷出合(10:00) → 25m大滝(12:00) → 1810m二俣(15:00) → 幕場1820m砂地(15:10) |
【10月3日】 | 幕場(6:40) → 平瀬道合流(8:00) → 室堂平(9:45) → 白山御前峰(10:40) → 大倉山避難小屋(12:50) → 平瀬道登山口(14:20) |