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救助訓練・ファーストエイド講習
石毛 恵
山行日 2021年11月27日~28日
メンバー (L)宮本、鈴木(一)、津田、川口、湯澤、平井、千葉(快)、坂井、菊池、渡辺(智)、長浜、橋本、野畑、青木、清水、及川、大瀧、萩原、平山、高橋(祐)、高橋(史)、梅田、小芝(麻)、和田、永岡、金子、小芝(泰)、淺井、石毛
懇親会参加 原口、勝部、江村(皦)、佐藤(明)、菅原、土肥

 11月27日~28日、エコパ伊奈ヶ湖にて山のファーストエイド講習を行いました。
 1日目は応急処置と搬送の基礎、講師陣による事故現場の再現(エデン劇場)、夜は原口シェフのフルコースを楽しみながらの懇親会、2日目は班毎に山行計画を立ててもらい、当日に事故状況を伝えてその場で対応してもらうシミュレーションを実施しました。
 2日目のシミュレーションは各班、かなり真剣に取り組んで頂けたと思います。また、迫真の演技で盛り上げてくれたベテラン会員の皆様には感謝致します。
 以下各班のリーダーによる振り返りを記します。

三角巾による頭部止血 お似合いです

【1班】(L)湯澤、平井、菊池、千葉(快)、渡辺(智)
 1班は千葉さんと智代さんが日帰り登山の最中に木の根につまずいて怪我をしてしまうという想定で訓練を行った。二人が転倒したら、まず足の状態を確認し、安定した場所に搬送。そしてその後、講習で習ったように捻挫した足を三角巾で固定し、さらに骨折したと思われる足を、ポールを用いて固定した。今回の訓練ではもう起こることがわかっていて、対応策まで決めていたのだが、筆者は思ったように動けなかった。本当の登山の最中にいきなりこのような事故が起こってしまったら到底対応できないだろうと思った。今回の訓練はファーストエイドの基本を学ぶとともに、登山のリスクを思い出すきっかけとなった。

【2班】(L)長浜、橋本、野畑、清水、青木
 三峰山岳会に入会して2回目のファーストエイド講習では、2班沢登りチームのリーダーとなった。
 初日の講習は宮本さんの面白すぎるイントロダクションからスタート。講習では、止血法やテーピングのやり方などを実践。去年も教わったものの、忘れている部分もあったので、今後、定期的に復習するようにしたい。
 ファーストエイドキットの中身も再確認。今年は、伊達(菊池)氏の三角巾も給食用から、ちゃんと救急用の大きな三角巾に進化していたので、安心した(笑)。
 講習後半の宮本さんや石毛さんら講師陣の救助事例のシミュレーションは、実際の事故を参考にしたものということもあり、とても具体的で勉強になった。
 夜の部、懇親会は原口さんの絶品料理と大量のお酒で大いに盛り上がった。後半、焚き火を囲んだところあたりから私の記憶はほぼ無いが、今年は自力で自らのシュラフに包まっていた模様。私の日本酒への耐性も徐々についてきたようだ・・・。
BATAKOさんの熱演  2日目は、清水さんが我が班に合流。他のパーティの実演もありつつ、我々は沢登り時の事故が起きた際のレスキューシミュレーションを行う。野畑さん、清水さん、青木さんの先輩方の名演技とリード、橋本ちゃんの頑張りにより、なんとか実演を終えた。
 私自身、三峰山岳会に入会してから3年目。今年の初めは仕事の都合で山行を自粛しなくてはならない状況が続いたが、春以降はハイキングや縦走の個人山行のほか、実際に山行を企画しリーダーをする機会もあった。
 今まで先輩方について行くばかりであったが、リーダーとなると、ルートや装備、当日の天候のことだけでなく、山行中のペース配分やメンバーの体調なども気にしなくてはいけない。どんなに気をつけていても山行中に体調を崩したり、怪我をすることは起こり得ることで、その対処法を知っていたことによって、「あー助かったー!」と実感したことが何度もあった。
 また、自分だけではなく、チーム全員が共通認識を持つことはとても大事なことであり、今回のように、レスキュー講習で振り返りができるのはとても有難いと感じました。「自立した山屋」に一歩でも近づけるようにしっかりと知識を身につけ、山に臨みたいと思います。

【3班】(L)及川、荻原、平山、大瀧
 伊奈ヶ湖のキャンプ場で2日間開催された山のファーストエイド講習。
 今回2回目の参加でしたが、忘れてしまっていた内容や今回初めて知った内容も多く充実した2日間となりました。
 1日目は主に座学での講習でした。事前に配られていた講習マニュアルを使用して、登山中に発生したアクシデントに対応するための救急法を主に学びました。
 ・回復体位
 ・三角巾のたたみ方・止血方法
 ・ファーストエイドパックの中身について
 ・添え木代用品を使って応急処置
 ・搬送の実践、ヒューマンチェーン等
 ・テーピング等
 昨年参加後にファーストエイドパックの中身を見直して、持っていなかった物を追加したりしたのですが、それでも足りないものがあり今回の講習を受けて常備しようと思いました。
 また、幹事の皆さんで実際に発生した山岳事故救助事例の再現があり、自分が実際に事故にあった時はどのように対処したらよいか反省も含めて大変勉強になりました。
 講習後はベテラン・若手が一堂に会しての懇親会。普段あまりお会いできないベテランの皆さんとお話しすることができてとても有意義な1日でした。
 2日目は各班に別れて提示されたシチュエーションでの擬似救助シミュレーションを行いました。
 我々3班は縦走班という設定で、縦走中の低体温症への対応というシミュレーション内容でした。各班が救助を呼ぶレベルのシチュエーションの中で、外傷ではなく持参している装備で回復が見込まれるかもしれないという可能性もあり、安易に救助を呼ぶだけではなく自分達で行う救助方法についても想定するという点で非常に勉強になりました。
 幹事の皆様、2日間ありがとうございました。

【4班】(L)高橋(祐)、高橋(史)、梅田、小芝(麻)
 4班はバリエーションルート班でした。
 一番経験の浅い私が練習としてリーダーとなりました。講習の少し前に行った妙義の雰囲気が気に入り、来年も行きたいと思っていたところで、車中で見た金鶏山・筆頭岩に行く、という妄想で計画を立てました。シミュレーションは私が落ちて手足骨折・意識不明、という設定でした。電波は良好で救助はすぐに呼べるが、不安定な場所であり、落石のリスクも考えられる、傷病者はすぐ移動させた方がよい、という状況でした。
 自力で動けない傷病者を岩稜など足元が不安定な場所から二次災害を起こさずに移動させる、というのは実際にはかなり難易度が高いと思います。事故を起こさないことが第一なのでしょうが、何が起こるのかわからないのが登山。実際に起こり得る状況を想定して、傷病者の手当てに際して何を優先させるか、何に気を付けるか、などを考える非常にいい機会になりました。

真剣に取り組む4班メンバー

【5班】(L)和田、永岡、金子、小芝(泰)、淺井
 チームメンバーは、金子重鎮+実はもうベテラン組?の芝ちゃん、KG、和田に加えてさわやかNEW FACE淺井ちゃんの5名。
 事前に登山計画書の提出をとのことで、数年前に早々に敗退した奥黒部ヒュッテから、夢の平、高天原へのコースを提出したところ問い合わせ殺到(笑)。今の私の体力では到底難しそうなので、是非会員の皆さんに完遂いただきたい。
演技派ベテラン勢による適切な処置  さて、わがチームへの課題は、KGが蜂に刺されパニック状態、携帯電波がつながるところまでは半日かかる。安定しているところまではそう遠くないという、いかにも本当にありそうな人選とストーリー設定であった。
 かつてKGの熱中症で似たような体験があったため、その光景がフラッシュバックされ、前日の講習の内容とあわせて適切な対応が容易にイメージでき、ベテラン陣の豊富な経験もあわせてスムーズに対応できた。
 応急処置フレッシュ淺井ちゃんがテキパキ対応、その後、安全な場所に移動し、メンバーの特性を考慮して負傷者サポート組と、電波の届くところへの援助要請組とわかれ、装備を振りわけて迅速にすすめることができた。
 様々なケースを想定して、短時間で適切な判断につなげられるのは、経験はもちろんだが、会員の事例の共有やこういった訓練への参加も大変重要であり、企画していただいた事務局の皆さまに感謝する。
 加えて、わがチームのKGの蜂にさされた渾身の演技力に最優秀主演男優賞をいただき重ねて感謝申し上げます。


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