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雪上訓練・富士山
長浜 理枝
大瀧 美樹
山行日 2021年12月18日~19日
メンバー (L)古屋、眞鶴、下村、荻原、小芝(泰)、青木、野畑、清水、坂井、梅田、鈴木(一)、高橋(史)、長浜、芦田、菊池、木村、高橋(祐)、及川、佐藤(功)、田中(雅)、首田、大瀧、橋本、平井

【12月18日】記録:長浜
 南国育ちで寒がりの私にとって、ピッケルやアイゼンを使った本格的な雪山登山のハードルは高く、なかなか重い腰を上げることができなかった。意を決っして、参加を決めた昨年の雪上訓練は天候などの影響で急遽中止となり、今回、三峰3年目にして初めて雪上訓練参加となった。
 装備については、昨シーズンに揃えていたので問題なかったが、1日目夕食の食当を任命され準備したすき焼きの具材があまりにも多すぎて、出発直前のザックの重さに驚愕する。が、妥協できなかった。前泊で利用したカプセルホテルで荷分けをして、チーム全員で食材を運ぶことにさせてもらった。
 当日は午前7時に吉田口馬返し駐車場集合。準備を整えて、テント場に向かう。食材に加えて、最後の最後に追加となった2.5Lの水が重すぎてスピードが上がらない・・・。やっとの思いでテント場へ。テントを張った後は講習会場へ向かう。
講習の内容は、以下の通り。
 ・ギア準備とビーコンテスト
 ・歩行訓練(アイゼンなし)
 ・ピッケルワーク
 ・滑落停止の基礎
 ・アンカー構築
 歩行練習はまずはビーコンの動作チェック。その後、アイゼン無しで歩く、ジャンプするなどのドリル。アイゼンをつけずに靴のエッジを使った歩行では、当初、転ぶのが怖くて恐る恐るトライ。徐々に雪に慣れてくると、寒さを吹き飛ばすべく体を思いっきり動かした。やはり、雪山では体を動かして暖を取るのが一番!

雪上ランニング鍋持参は流石に重かった(反省)

 その後、ピッケルを使った歩行、滑落停止、アンカー構築などを練習。前週の山行でまさに不安に感じていたことを、訓練の中でクリアにできて有り難かった。
 1日目の講習メニューをひと通り終えて、夕食はテント各班にて。我がチーム全員で食材を運んだ「チームビルディングすき焼き」を堪能した。このすき焼きは、誰が欠けても完成しない、貴重なすき焼きなのだ。
 生卵を持参したのも凍てつくくらい寒い場所でテント泊をしたのも、私にとって生まれて初めての経験。これから始める雪山山行もきっと楽しいだろうなと思い、ほくほくとした気持ちで眠りについた。

【12月19日】記録:大瀧
 私が今回雪訓に参加したのは、年末年始の例会山行(光岳・聖岳)に向けて学生以来18年ぶりとなる雪山登山での基礎を一通り復習しておきたかった背景があった。そのため悪天候や雪不足で中止になるのではないかと冷や冷やしていたが、無事決行となり喜び勇んでの参加となった。ところが富士山5合目はマイナス15℃と気温もかなり低く、想定以上に厳しい訓練となった。
 風が強かったためテン場付近で説明を受けた後、講習会場であるスバルライン近くの斜面に向かった。
講習の内容は、以下の通り。
 ・アンカーとビレイ
  ~制動確保、スタンディングアックスビレイなど
 ・ロープで確保しての行動(基礎編)
  ~同時登攀など
 ・歩行訓練アイゼンありとピッケルワーク
  ~歩行ドリル含む
 ・滑落停止
 ・ロープで確保しての行動(実践)
  ~チームでの滑落停止含む
 1日目の復習であるアイゼンをつけた状態での歩行練習に加え、急斜面でのうさぎ跳びによる登り降りや横移動のドリルを実施。またコンテでの滑落停止等多岐に渡るメニューが組み込まれており、かなり学びの多い訓練だった。
 特に記憶に残っているのがうさぎ跳びシリーズ。アイゼンを付けているとは言え、ぴょんぴょんと跳ねながら斜面を後ろ向きに降りる時は滑り落ちてしまうのではないかとかなりの恐怖を味わった。
 今回の雪上訓練を受け、とにかく怪我をせずに無事に終えることが重要だと改めて感じた。
 そのためには、ギアの適切な使い方や様々な場面において冷静な対処ができるようになることが重要であり、一通り訓練で行っておくことが万が一に備えとても大切であることを改めて感じた。
 運営の皆様、講師の下村さんに感謝です。2日間ありがとうございました。

テン場で2日目の説明を受ける記憶に残るうさぎ跳びシリーズ
〈コースタイム〉
【12月18日】 吉田口馬返し駐車場(7:30) → テン場(11:00) → 講習(13:00-16:00) → テン場(幕)(16:30)
【12月19日】 講習(6:30-14:00) → 吉田口馬返し駐車場(16:00)

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