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山スキー・至仏山
坂井 泰子

山行日 2022年4月23日
メンバー (L)清水、永岡、萩原、川口、大瀧、坂井

 至仏山の計画があると伝えきき、今年の残雪期に山スキーデビューを狙っていた私は、ぜひとも参加したいと早々と手を挙げた。
 今年は4月22日に冬季通行止めが解除され、その日の夜にKG号と川口号の2台で鳩待峠に向かった。川口号はあと20分ほどというあたりで車を止められて、鳩待峠の駐車場は満車のため、戸倉に戻って明日の朝シャトルバスで向かうようにと言われ青くなる。慌ててリーダーに連絡をすると、我々の駐車スペースも確保してくれており、無事に鳩待峠の駐車場で合流し仮眠を取った。
 当日朝、鳩待峠休憩所前まで行くと雪の多さに圧倒された。積雪はまだ3メートルはありそうだ。リーダーが以前この時期に来た時より格段に多いらしい。しかしここから山の方を見ると、地面が露出している箇所もあるように見える。我々が行くコースはどんな状態なのだろうか。
至仏山頂にて  7時半すぎ、鳩待峠を出発。周りを見るとスキーヤーが圧倒的に多く、次にボーダー、一番少数がツボ足。シール歩行の方がツボ足より速いというが、私は慣れない歩きでツボ足の人にもどんどん抜かれていく。ヒールリフターの調整にも手間取るし、ちょっとした登りで滑り落ち、何もかもに時間がかかる。歩き方やキックターンを教わりながら進んでいくが、はじめは一緒に歩いてくれていたメンバーも、いつの間にかどんどん先に行ってしまった。天気は良好で、青い空に白い雪、見晴らしも素晴らしいので一人感動しながら黙々と(しかし、のろのろと)歩いていく。
 小至仏を過ぎ、岩が露出しているところで一旦板を外して担ぐ。シール歩行も慣れないが、板をザックにつけて担ぐのは初めてで、足元がふらつくがそれもわずかな距離で、またすぐに板を装着してしばらく歩くと、もうその先には至仏山が見えた。
 みんなは先に山頂に到着していて、私一人が遅れて到着。ここまで3時間もかかってしまった。山頂は大賑わいで、山頂標識で記念写真を撮ろうと行列ができていた。我々も列に並び記念撮影。
 不思議なことに標識の周りだけ雪がなく、写真だけを見るとまるで夏に来たかのようだ。
 しばらく休憩した後、いよいよ滑走開始!何回かに切って450メートルほど下降した。 上部は樹木がなく、初心者にもやさしいゲレンデ。やっと滑れる程度の私でも滑りやすい。気持ちいいい~!!それにしてもみんな上手い。今シーズン始めたばかりという川口さんや大瀧さんも、もう大分慣れているようだ。私は基本姿勢がなっておらず、思いっきり太腿に負荷がかかる態勢で滑っているうえ雪も重く、長く続けて滑ることさえつらい状態。やはり山スキーデビューはまだ早かったか。
華麗なリーダーの滑り!  絶景の中で休憩を取り、そこからが地獄の?登り返し。至仏山に向かって登り返す。なかなかの急登で遅々として進まず、みんなの姿がどんどん小さくなっていく。いつも自分で体力がないと言っているリーダーの歩きの速いこと!慣れれば私でももう少し早く歩けるようになるのだろうか。この長く長く感じた登り返し、あとでGPSのログで確認すると350メートルしか登っていなかった。
 登り返している途中で、もう一回滑って登り返す予定だと告げられる。私がいたら厳しいのではないか。これ以上足手まといにならないように、どこかで待っていようと思っていたのだが、その後みるみる天気が悪化して視界がなくなり、下まで滑って終わりということになった。
 ほんの数メートル先も良く見えない状況のため、先程よりだいぶ短く切って滑った。見えない怖さ半減、かつ太腿の疲れにも優しかった。ワル沢を下降していくと徐々に樹木が多くなり、アップダウンも出てきてアスレチックのようでスリル満点!ワル沢からオヤマ沢に入ったあたりか、雪解けであぶないから川に落ちないようにと注意を受けると、緊張しすぎたせいか川の手前で転んでしまうという情けなさ。最後までわたわたの滑りだった。
 最後の最後はシールを着けての登り。休憩所が遥か上に見えると思ったが、わずか15分ほどで帰着した。楽しかった滑りも、苦しかった登り返しも、終わってみると、あっという間。
 この山行の前に一度山スキーの練習をしたものの、その効果はさほどなかったようだ。まだまだゲレンデの練習が必要なレベル。来シーズンも残雪期によろしくお願いします。

〈コースタイム〉
鳩待峠(7:40) → 至仏山頂(11:40) → 鳩待峠(14:40)


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