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山スキー・茂倉谷
川口 修

山行日 2022年4月2日
メンバー (L)荻原、永岡、佐藤(明)、斎藤(吉)、清水、萩原、川口

 茂倉谷をスキーで滑走する・・・当初、荻さんからお誘いをいただき、内心「え~・・あそこスキーで降りるの!?」と、少々ビビりつつも、フォローしますよ~とのことなので、参加させていただくこととした。そういえば今シーズンの雪山始めも茂倉岳だったなぁ~、などと思いつつも、まさか今年から取り組み始めたバックカントリースキーで茂倉岳から滑走することになるとは思いもしなかった。スキーで滑走することも、山スキー装備で天神平から谷川岳~一ノ倉岳を経由しての茂倉岳まで縦走路も初めて尽くしで、楽しみ半分、不安も半分といったところだ。
 そんな中、東所沢駅集合の前夜発でまずは天神平ロープウェイの駐車場に向かう。
 金曜夜だけあって道路もガラガラ、一気に土合まで行き天神平ロープウェイの駐車場にて就寝となった。
 翌朝は7時運航開始のロープウェイに合わせて5時半に起床、ロープウェイもそれほど混むこともなく順調なスタートとなった。雲一つない晴天無風のコンディションのもと天神平スキー場に、視程も良好、とにかく天気がいい、みんなでまずは写真を撮り、さらにその先のリフトも利用して天神峠まで一気に高度を上げる。

ロープウェイを降りて一枚、とにかく晴天!!ハイクアップ開始

 まずは天神峠から稜線に沿って熊穴沢避難小屋に向かう。途中、スキーを履いたままでは難しい箇所もあったが、順調に熊穴沢避難小屋まで到達、ここからはスキーにクトーを装着し天神尾根に取り付く。とにかく天気が良い!絶景を望みながら肩の小屋までの急登をハイクアップする。
 晴天も手伝いとにかく登山者が多い、中には我々と同じく山スキーのパーティも散見されるが大半は雪山ハイクの登山者であり彼らはオキノ耳まででその先に行くのはバックカントリースキーをする人達のみであった・・・。  登山者でにぎわう谷川岳山頂を越えると、あとは静かな稜線歩きとなる。岩の露出箇所もあり、各々ルートを選びつつもやはりスキーを装着したままでは困難・・・スキーを背負いアイゼンを装着しての稜線歩きとなった。
 稜線に出てからは、途中のトラバース等少々の難所はあったものの360度のパノラマや万太郎尾根の景観に歓声を上げつつ、一ノ倉岳の急登を越えて13時前には茂倉岳山頂に到達した。

快晴の下、稜線を満喫茂倉岳山頂

 ここで記念撮影をし、しっかりと一本入れた後、いよいよ滑走開始である。先に到着していたガイドツアーのパーティが早々と滑走を開始、我々と同じ茂倉谷方面へと降りて行った。ほぼ同時にスタートし、同じルートにもかかわらず、無駄のないルートと装備の選択で結果的にかなり差がついてしまった。さすがである。まぁそれなりにコストもかかるでしょうから、当然といえば当然か・・・。
 まずは避難小屋のある左手の比較的緩い斜面を少し降りた後、一気に右手の茂倉谷上部へとトラバースする。気温が低いせいもあって、40度近くはあろうかという急斜面はガチガチのアイスバーン・・・全く気が抜けない、コケたら下まで一気に落ちるな~などと思いつつも、茂倉谷へと高度を下げる。
 南向きの斜面は雪も柔らくなっていて滑りやすいものの、路面コンディションはめまぐるしく変化する。荻さん、もきちさん、KGさんに引っ張られ、500mほど急斜面を一気に降りた。もうすでに太ももはパンパン(MPP)である(笑)。
急斜面を滑走  急斜面を越えると少し傾斜が緩くなる半面、徐々にデブリも出てくる。また、斜面のコンディションもこれまで同様、日当たり具合で突然変化する。先行のガイドツアーのトレースにも助けられ、茂倉谷を順調に滑り降りる。徐々に出始めたデブリを避けながら高度を下げていく。斜面が緩くなると木も増え、さらにデブリも多くなり、場所によってはスキーを履いて越えるのが困難な箇所も現れる始末。
 気持ちよく谷を滑り降りるというわけにはいかず、大半はデブリを避けて、トラバースで斜面を滑走することとなる。
 ただ沢が現れる頃には、さらに緩斜面となりデブリも解消、樹林帯に突入する。緩斜面の樹林帯を縫うように滑るのは、なかなか面白い、子供のころよくこういう感じでスキーをしたな~、などと懐かしい感情を抱きつつ、一気に土樽の駅の手前の橋まで滑り降りた。
 当初予定していた15時台の電車には間に合わなかったが、KGさんがゲットしてきたビールを回し飲みしたりしつつ、まったりと土樽の駅で電車を待ち、18時台の電車で土合に戻り車を回収、湯テルメ・谷川で汗を流し帰路に着いた。
 下山後に土樽駅から見上げる茂倉岳はやはり迫力があって荘厳、茂倉谷大滑走の達成感は計り知れないものであった。天気にも恵まれ大満足の一日となった。

全員無事に滑走を終え下山

〈コースタイム〉
谷川岳RW(7:00) → 天神平(7:15) → 天神峠(7:30) → 熊穴沢避難小屋(8:30) → 天狗の留まり場(9:15) → 肩の小屋(10:00) → トマノ耳(10:20) → オキノ耳(10:40) → 一ノ倉岳(12:25) → 茂倉岳(12:50) → 茂倉新道登山口(15:15) → 土樽駅(15:50)


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