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集中山行 平標山
縦走・吾作新道~平標山
川口 修

山行日 2022年9月10日~11日
メンバー (L)川口、高橋(祐)、他1名

まずは土樽駅で出発前に。  今年の集中山行は主担当をさせていただいた。山域の決定は当初苗場山がいいかなと思っていたが、登山道へのアクセスを考えると、もう少し取り付きやすくて多くの沢ルートもある平標山とした。結果、多くの例会山行のほか、当日急遽足を運んでいただけた方々もいらっしゃり、アクセスのよい平標山にして正解であった。
 私は今回、歩いたことがなく、以前から歩いてみたかった万太郎尾根を通る吾策新道から谷川の国境稜線に入り越路避難小屋泊で平標山に至るルートを計画した。他の山行計画を見ると、ほかにも3パーティ程度が越路避難小屋泊を計画しており、集中前にプチ集中で盛り上がりそうだな、、、と行く前から内心盛り上がる・・・。
 山行もはっしーが参加してくれることとなり、のんびりプチ集中から楽しみだな~などと思っていたら、直前にルーム見学に来られた千葉君が参加してくれることになった。責任重大である。
 まずは当初の予定通り土曜の早朝4時30分に赤羽駅集合。天気も良く渋滞に巻き込まれることなく、朝7時には土樽駅に到着した。土樽駅では、前夜発の金子隊に遭遇、のんびり朝食中のところ、聞けば、今日は3時間程度の行動時間で幕を張るとのこと、我々は越路避難小屋まで行くので、ササっと準備を終えて先に土樽駅を後にする。
林道でおさるさんがお出迎え。  立ち上がりは整備された林道歩きである。魚野川沿いに少し進むと、1時間程で吾策新道の登山道への分岐に、ここからは登山道となりすぐに急登となる。
 天気が良いおかげで気温も高く、すぐにオーバーヒート気味となり、多めに休憩を取りながらも、まずまずのペースで高度を上げていく。大ベタテノ頭につく頃には、すでに暑くてバテバテである。今回のルートは水場がなく多めに水を担ぎ上げたこと、それと越路避難小屋でのプチ集中のため、多めに担いだお酒が暑さに拍車をかけたことは言うまでもない。
 それでも、井戸小屋沢ノ頭までは、コースタイムより少し早いペースで急登を進んだ。途中抜かれたとてつもなく早いおじさんは、この区間で万太郎山からピストンで降りてきて、すれ違いざまに、「この先まだ長くて心が折れますよ~」なんて聞きたくもない捨て台詞とともに下山していった。
万太郎山山頂。暑かった~  万太郎山まであと1時間ほどかな、というところで、軽いアクシデント、急登かつ湿ってツルツルの岩で足を滑らせて、はっしーが顔を打ち鼻血を・・・鼻の横がサングラスの淵にぶつかり少し切れていてそこからも軽く出血が、当初下山も考慮したが、幸い怪我の程度も軽く、絆創膏で応急処置をして山行を再開した。
 若干時間を要したものの30~40分程度の遅れで万太郎尾根から主稜線に、その後ほどなく万太郎山山頂に、天気も良かったので、ここで長めの休憩をとった。
 やはり谷川の稜線の景色は素晴らしく、存分に景色を楽しんだ。
 しっかり休んで、越路避難小屋へと稜線を気持ちよく進むと30分程で越路避難小屋に到着。先に到着していたすーさんのパーティ3人がすでに狭い小屋を占領。みんないい感じにでき上がりつつあった。午後から雨の天気予報にも拘わらず、天気はまだもっていたので、小屋前に銀マットを敷いて宴会に加わる。小屋は小さいけど、当初計画で出ていた金子さんの沢組は下で幕を張るとのことだし、アキラさんとちーちゃんのパーティは一つ手前の大障子避難小屋に泊まるとの連絡があったので、どうやら持参したテントは使わずに全員小屋泊できそうである。天気予報通り徐々に雲が増えてはきたが、雨はまだ降ってこないので、しばらくは外でのんびり過ごす。
贅沢な一本。  そうこうしていると、明日集中する平標山方面から年配の男性3名のパーティがやってきた。大障子避難小屋まで行きたいがもう無理なので今日はここまでにするとのこと、小屋内は無理そうなので、テント張るとのこと、小屋前もそれほど広くないので、これを機に我々のパーティも小屋内に入る。山と高原地図には5人と記載されているが、十分6人で寝られる広さである。
 ただ、小屋に入った途端予報通り雨が・・・後からきた3人パーティの方には申し訳ないが、快適に宴を続けることができた。2パーティでワイワイと盛り上がりながら、避難小屋にて快適に床についた。
 翌朝は朝6時半に2パーティ合同で、避難小屋を出発。空は快晴。
 稜線歩きには絶好の登山日和である。集中の12時には十分余裕があるため、賑やかにのんびり平標山を目指す。
 途中エビス大黒避難小屋にて長めの休憩を取る。
谷川最高峰、仙ノ倉山  その後は一気に仙ノ倉山の頂まで歩を進める。仙ノ倉山頂からの360度の眺望は好天に恵まれたこともあり、思わず歓声を上げるほど見事なものだった。しばし堪能し、記念写真などを撮っていると、平標山の方から「もーとー」の声が!急遽参加してくださり仙ノ倉山まで来てくれた菅原さんと合流し再度撮影会となった。
 沢組はどのあたりかね~などと話しつつ、30分ほど山頂を堪能した後、菅原さんを加え、集中場所の平標山へと向かった。
 平標山には集中時間の1時間半ほど前に到着した。
 早めに着いたつもりであったが、すでに平標山頂には数組が・・・
皆さん集中お疲れ様でした!!  晴天の下、ガヤガヤとやっている中、11時の沢組定時連絡で沢組の12時到着は難しそうであることも確定的に・・・、ただ、そこは想定内ということで山頂では続々到着する三峰レジェンドの方々を中心に大いに盛り上がる。そうこうしているうちに集中時間の12時が目前に、沢組を除くとあとはアキラさんとちーちゃんのパーティを残すのみとなった。
 仙ノ倉山からの登山道を見るとそれらしい二人組が見える。当然のごとく皆が出迎えに集中する中、サライのBGMと共に、11時59分に山頂に到着!!最後に美味しいところを総ざらい、流石である。
 その後は皆で記念写真等を撮り、バス電車での移動も考慮して自由解散とした。
渡渉地点で水に浸かってリフレッシュ!!  お試しの千葉君もいることから、我々のパーティも程なく平標新道から下山を開始した。下山道の笹薮は刈り払いされていて歩きやすい。しばらくは気持ちのいい尾根歩きが続くが、程なく吾策新道を彷彿させる急登となる。枯れた笹が滑るのと、急登のトラバース、多数のトラロープ等下山道もなかなかタフである。今回お試しの千葉君はなかなかの健脚で、比較的悪いところの多い箇所も難なくこなしてくれるため、ほとんど休憩も取らないまま急登を一気に下山して、渡渉箇所に到達する。下山とは言えやはり暑いことに変わりなく、渡渉箇所にて、あえて素足になり休憩とクールダウンのためしっかり長めの休憩を取る。3人で水につかり歓声を上げながら沢の冷たい水を楽しむ。
 すっかりリフレッシュして、その後の登山道を一気に降りる。傾斜が緩いながらも、随所に沢が交わりなかなか気を遣うが、30分程で林道に出る。橋を渡り淡々と林道を1時間ほどで土樽駅に到着した。
 下山後は岩の湯に寄りサッパリ。帰路に着いた。今回参加してくれた千葉君は沢登りに興味ありとのこと、健脚もさることながら、好青年!是非入会していただいて、今度は泊りで沢に行きたいものである。
 何はともあれ、集中に間に合わなかった沢パーティも遅くなりながらも皆さん無事平標山登頂できたという事で、事故もなく集中山行としては及第点だったのではないだろうか・・皆さん(特に各パーティのリーダーの皆さん)本当にありがとございました。

〈コースタイム〉
【9月10日】 土樽駅(7:45) → 吾策新道登山口(8:35) → 大ベタテノ頭(11:15) → 井戸小屋沢ノ頭(12:30) → 万太郎山(14:25) → 越路避難小屋(15:00)
【9月11日】 越路避難小屋(6:30) → エビス大黒ノ頭(8:00) → エビス大黒避難小屋(8:25~9:00) → 仙ノ倉山(9:35 → 10:00) → 平標山(10:40~12:30) → 仙ノ倉谷渡渉点の道標(14:00~14:25) → 群大ヒュッテ(15:05) → 土樽駅(16:15)

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