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雪山登山・光岳
小芝 泰規

山行日 2022年12月29日~2023年1月1日
メンバー (L)小芝(泰)、大瀧 、小芝(麻)、木村

 昨年の正月山行では光岳~聖岳までの縦走を計画した。南アルプスの安定した天候を期待してルンルンで縦走するつもりだったが、想定外の悪天候に苦しめられた。初日の幕場だった易老岳山頂はベースキャンプとなり、3日停滞してテカリも踏めなかった。下山後は元旦の山奥で車のバッテリー切れを経験し、ギリギリのガソリンで延々と峠を走るプレッシャーで心も体もヘロヘロに降参させられた。今年は同じ轍を踏むまいと、満を持してテカリ1座に4日間!の日程で挑んだ。

【12月29日】
 昨年のメンバーも2人参加し、思い出話などしながら落ち葉が積もったつづら折りの登山道を登る。途中から見えてくる聖岳の雪は昨年と比べるとかなり少ない。年末年始の天候は安定する予報なので問題要素は全くないが、予定通り1,900m辺りの台地でこの日の行程を終了した。

【12月30日】
 この日は易老岳を越えて2,200m辺りの台地までしか行かないので朝8時に出発。易老岳を越えた序盤の地形は高低差が少ないモヤっとした樹林の尾根だ。昨年は吹雪で視界がきかずルーファイで苦しめられた。今年は早めにテントを張り、偵察で目印をつけまくって翌朝の行動をスムーズにする計画を立てたのだが、輝くような雪面に延々とトレースが伸びている。昨年散々迷わされた通称「ぐるぐるポイント」までの偵察を20分足らずで終わらせ、また昼頃からのんびりカフェタイムになった。

オープンエアでのんびりカフェタイム

【12月31日】
 6時に出発してテカリを目指す。今日も晴天で、トレースをひたすら辿って9時ちょうどに山頂に到着。昨年は易老岳から先はずっと膝上ラッセルで、悪天候予報のためにイザルヶ岳直下で敗退を決めたほどだったので拍子抜けしてしまった。昨年一緒に苦労したメンバーが二人いない事が少し寂しかった。しかし、ピークを踏めたことはやっぱり嬉しい!帰りにイザルヶ岳にも寄った。広く開けた山頂で、真っ青な青空の中に立つような感じで素晴らしかった。

光岳展望台

【1月1日】
 おせち料理は無いが、昨夜のすき焼きにシイタケの出汁で薄めたすき焼き雑炊が朝食だった。うまかった。私は何か食べると必ず「うまい」というのだが、たまにはうまくないと思うこともある。しかし、今回は3日間ともとてもうまかった。
 7時に下山を始めたが、皆体力が有り余っているので飛ぶように下山した。昨年のリトライはあっけなく幕を閉じたが、楽しいメンバーと最高の年末年始を過ごすことができた。

下山 易老渡にて

〈コースタイム〉
【12月29日】 芝沢ゲート(8:00) → 易老渡(9:30) → 1,900m幕場(13:00)
【12月30日】 幕場(8:00) → 易老岳先2,250m幕場(12:00)
【12月31日】 幕場(6:00) → 光岳(9:00-9:30) → イザルヶ岳(10:00) → 幕場(12:00)
【1月1日】 幕場(7:00) → 易老渡(10:00) → 芝沢ゲート(11:00)

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