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山スキー・柄沢山
荻原 健一

山行日 2023年3月11日
メンバー (L)荻原、永岡、清水、川口、大瀧

 柄沢山は2017年10月に白毛門~朝日岳~巻機山の藪山縦走で来て以来となる。季節とアプローチを変えての再訪に胸がワクワクする。更に今回は柄沢山の東斜面に広がる夢の大バーンを滑降するというおまけ付き(こちらが本命かな)なのだ

【3月11日】終日晴れ
 今日は朝から最高の天気だ。3月上旬にしては暑いくらいの気温の中、いつものメンバーでスタートする。
 柄沢川沿いに緩やかに登っていくが1,250mあたりで傾斜がきつくなり、クトーをつけて左の尾根に乗る。結構な急斜面でクトー登降に慣れていないメンバーもいたので途中からシートラに切り替えるが、気温の上昇とともにツボ足だと潜って進めなくなるので、すぐにあきらめてスキーに戻す。傾斜は急だが雪がだいぶ緩んできたので滑落リスクはあまりない。

急傾斜をシートラで登る稜線まであと少し!

 急登にあえぎながら登っていくとやがて1,790mコルの稜線に出る。巻機山、越後三山、尾瀬の山々、先週登った朝日岳や谷川岳と360度の大展望のなか、稜線沿いに更に一投足で柄沢山山頂(1,900m)だ。東側に発達した雪庇は思っていたほど大きくはないが、それでもスキーでエントリーするところは限られる。ちょうど山頂付近で雪庇が切れているところがあり、ここから飛び込むことにする。

山頂を目指して!ようやく辿り着いた山頂

 出だしは下が見えないが数十m滑ると東面斜面の全容が見えてくる。幸いシュルンドなど口を開けているものはなく、真白で広大なバーンがどこまでも広がっている。出だしはクラスト気味なので慎重に降りていくが、やがて素晴らしいザラメへと変化し、静寂な東面バーンの滑降を堪能する。あっという間に予定していた1,650m地点に到達。ここからシールを付けて柄沢山北方の1,790mのコルを目指す。予定通りのルートだが、時間的にも体力的にも余裕があったので、あと100mくらい滑ってから登り返しても良かったかもしれない。

東面バーンの大滑降!東面滑降、まだまだ行きます!
コルへの登り返し西面の滑降

 コルに戻って再び大展望を楽しんでから余韻を引きずりつつ滑降モードに入る。登って来た西側の斜面も快適ザラメで気持ち良い。1,500mくらいからは、さすがに雪も重くなり始め、あとは消化試合でひたすら高度を下げていく。それでも物凄く重い雪と言ったこともなく、今回はMPP(腿パンパン)にならずに清水集落まで滑降して本山行も終了となる。今宵の宿は久々に土樽駅、そして明日は仙ノ倉谷シッケイ沢だ!

〈コースタイム〉
清水集落(7:00) → 柄沢山(12:20~12:50) → 東面ゴトウジ沢1,650m(13:10) → 独標1,809m南のコル(13:30~14:00) → 清水集落(15:00)


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