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山スキー・二王子岳
永岡 恵二

山行日 2023年2月4日
メンバー (L)永岡、荻原、深谷、清水、小芝(麻)、大瀧

 二王子岳は今回参加できなかったスキーメンバーのもきちさんの故郷の新発田で親しまれている山だ。登山口付近に二王子神社、三合目に一王子神社、八合目に三王子神社、九合目に奥の院があり、飯豊の展望台と言われている。素晴らしい眺望を楽しみに企画してみた。
二王子神社  南俣の集落のドン付きに車を駐車。天気は快晴だったが、午後から崩れる予報なので、おそらく登頂は難しいだろうと思いながら出発した。二王子神社までは車道、林道で殆ど平坦な道、二王子神社から登りが始まる。
 まずは一王子神社を目指すが、トレース通りに進んでいたら南側を通過したようで、神社を見ることはできなかった。
 そのまま994mの定高山を通過すると樹林が少なくなり、少し行くと新雪の素晴らしい斜面があり、先行のボーダーはここからワサビ沢に滑り降りていた。
 ボーダーの滑降地点から上は疎林のよさそうな斜面があったので、ここで一回滑って、登り返して上を目指そうと話していたが、時間もないことからそのまま1,202mの独標を目指すことにした。しかし、森林限界になると、暴風雪となり、ホワイトアウトとなってしまった。独標の北側に行けば、ひょっとしたら風下で風が落ち着くかと思い、稜線沿いを進むも雪庇となっているのが見えて、稜線の少し下に進むが、後ろから「もっと下!」と注意が飛ぶ。独標の30mほど手前で雪面が見え、雪庇地帯を抜けたことが確認できた。が、後ろから引き返そうとの声。暴風雪で皆の気持ちが萎えているのを感じ、安全を見て、引き返すことにした。
 少し戻って、平らなところでシールを外し、滑降開始。とはいってもホワイトアウトの中、雪面もわからない状況のため、慎重に少しずつ滑る。先ほどの疎林のところまで来ると、風が落ち着き、見晴らしもよくなった。ここで極上のパウダーを味わって、一休み。

軽快な荻の滑りかっこいいミーコの滑り

 来た道を戻るか、ワサビ沢に行くか協議した結果、見晴らしもよくなったことから、ワサビ沢を滑ることにした。最初の滑り出しは、先行のボーダーのトレースがあるところから。極上のパウダーを楽しんで高度を落としていくと、段々雪面が見えなくなってきて、ところどころ沢が割れてきた。沢のギャップで先が見えず、少し上り返して、右岸にのった。
 ここから先は斜滑降で、右岸を一気に滑り降りる。右手の斜面からは点雪崩や表層雪崩が起きており、デブリの中を斜滑降で降りた。時々雪崩のような大きな音が聞こえ、不気味な状況。ようやく登山道手前まで降りてきた。登山道の手前は沢が流れており、雪で埋まっていないため、渡渉になった。
 かすかに沢に雪が積もっているところに板を外して、渡渉。何とか水にぬれずに全員わたることができた。あとはスキー場まで延びている登山道を下るだけ。
 今回のスキーは、暴風雪、ホワイトアウト、デブリ、渡渉と盛りだくさんだった。スキー歴の浅いマキちゃん、オオタッキーにはいい経験になったようだ。

渡渉点三峰スキーチームのびじょスキー場に到着!お疲れ様~

〈コースタイム〉
南俣(7:35) → 二王子神社(9:00) → 独標手前(12:45) → 疎林帯(13:20) → 渡渉点(14:20) → スキー場(14:30)


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