トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ371号目次

沢登り・鬼怒川大下沢
野畑 祐子

山行日 2023年5月27日~28日
メンバー (L)野畑、坂井、長浜

【5月27日】 晴れのち曇り
下降点となる看板  朝始発電車で新宿駅に集合し、車で出発。東北道の渋滞が思ったより早く始まり、9時半過ぎに平方山遊歩道駐車場に到着した。ヒルが出るとガイド本に書いてあったので、足回りに塩を塗り込んだりしながら、10時を回ってようやくスタート。15分ほどで遊歩道から入渓地点に降りる看板まで到着し、明確な踏み跡を降りて入渓点である堰堤に着いた。

右から胸まで浸かっていく  まだ涼しい季節だ。しょっぱなから腰まで濡れるのは勘弁してほしいと、どこから入るか見回す。堰堤にはしっかり固定された鉄パイプが横に渡してあり、それを頼りに手前の一段下から乗っ越した。
 少し歩くと、小滝が現れた。3mほどの小さな滝なのに、釜が深い。この沢の特徴だが、小滝なのに大体が深くて広い釜を持つ。浸かりたくないな、と思いながらも、巻くのも楽しくないので、思い切って右側から水に入って行った。ばっちり冷たい。

4mの小滝は左から  水中の足場を探り、ルーフ状になっている下のワンポイントだけ足がつかず飛びつく。滝自体は普通に歩ける。
 小滝をいくつか進むが、先程の水の冷たさから、巻きや水線横主体に進む。水もきれいだしホールドも豊富だし、もう少し温かい季節なら喜んで水に浸かって水線を行くだろう。4mくらいの小滝で、左水線を行けそうだから行ってみようかということで、NCさんがロープを引いてリードをしてくれた。が、このルートがヌメヌメで、ハマコちゃんも私も取り付きからずるずると下に滑り落ちる。

誰かまだ使っているのだろうか  沢で面白いなといつも思うのは、人によってルート取りが様々なことだ。え、そこ行くの!?という驚きがいつもある。そして「自分ならこっちのルートかなぁ」と考えるのである。それがまた楽しい。
 ナメを少し歩くと導水管のパイプが見えてきた。せっかくなのでパイプ横の通路を使わせてもらう。

幅広スダレ滝  次に現れる幅広スダレ滝6mは、右壁をから登った。落ち口の状態が良くわからなかったので、念の為ロープを引いていく。

気持ち良いナメ  滝上に太い流木が挟まっていて、対岸に渡るために流木をまたいで進む。ここは身軽なハマコちゃんに先頭を行ってもらう。続くヒョングリの滝6mも左から巻けた。
 明るく開けたきれいなナメもあって美しい沢だ。

素敵な幕場  遊びながらのんびり進んで、15時前にガイド本にビバーク適地と記載されているところで幕とした。どこでも張れる、100人は寝れるのではないかという広場!今回はヒルがいるとのことでテントを担いできたが、張ったところで早速ヒルがテントに貼り付いていた。ハマコちゃんとNCさんが持ってきてくれた塩を、お清めと言いながら周りにまいた。おかげでその後ヒルは見なかった。ヒルさえいなければ、こんな贅沢な幕場は他にないだろう。

ハマコちゃん、ありがとう!!  焚火をしてごはんを食べ終わった後で、サプライズでハマコちゃんがケーキを持ってきてくれて、NCさんと私の誕生日を祝ってくれた。なんかもう、めちゃくちゃうれしかった。ありがとう!で、飲みすぎた。

【5月28日】 曇り時々晴れ
立派な柱状節理  翌朝、二日酔いでぼーっとしながら焚火の熾で火を起こし、出発準備をして7時前にスタート。
 すぐにおおげ橋に到着し、そこから10分ほどで柱状節理地帯に入った。

左側からへつる  あまり期待していなかったのだが、柱状節理はその先も長く続き、美しい景観だ。
 深い瀞の柱状節理のプチゴルジュは左壁をヘツって行く。濡れたくないNCさんはあくまで水に入らないルートだが、ハマコちゃんは水にザブンと入り水中の足場をうまく拾って突破。先の小滝もそのまま水流左から簡単に登れた。

 柱状節理で階段状になって登りやすいのに加え、この沢は全体を通してラバーソールが吸い付くようにきまる。とても気持ちが良い。
 その先5mくらいの深い釜を持った滝は、左から簡単に登れる。

手足はたくさんある沢の中まで柱状?節理!

ハング滝  その後も柱状節理の景観を楽しみながら、ガイド本に記載されているハング滝に到着。少し戻って左から巻く。
 まだまだ柱状節理は続き、写真をいっぱい撮って遊びながら赤滝にようやく到着した。

赤滝の前で集合写真。。に間に合わなかった!側壁はモアイ像のようにも見える?

迫力ある赤滝  朝から、気になっていることがあった。記録を調べていたときに、ほとんどの人が下山後に寄って食べている「坂文精肉店のキャベツメンチカツ」。うーん、是非食べたい。
 ここから先白滝まで行っても良いが、あまり見どころもなさそうだし、下山の林道のヒルも気になるし、キャベツメンチカツも食べたいし。。。ということで、赤滝を巻いた上にある作業道で下山しようということになった。(というか、メンバーに納得してもらった)
 赤滝下で大休憩してから左のフィックスロープが張られている巻道を登り、作業道に出る。急斜面を登り終えると赤滝が横から見られた。

美味い!!  そこからは快適な作業道を使って下山し、11時半過ぎには駐車場へ戻ることができた。駐車場でヒルチェックをすると、数匹のヒルがスパッツについていたが、誰も被害は受けていなかった。
 時間も早いのでゆっくりと装備を解き、真っ先に「坂文精肉店のキャベツメンチカツ」に向かう。少し並んでいたが、無事揚げたてを買うことが出来た。なるほど、みんなが来る理由がわかる美味しさだ。

 その後、薬師の湯の内湯に入り(混浴露天は川沿いでかなりなオープン度合いだったので、入れる女子はなかなかのツワモノだろう)帰路についた。

 大下沢はアプローチも短く、登れる小滝やナメや見どころとなる柱状節理もあり、初心者が楽しめる良い渓だと思う。ヒルが活性化する時期を除けば。

〈コースタイム〉
【5月27日】 平方山遊歩道駐車場(10:00) → 幕場(14:50)
【5月28日】 幕場(7:00) → 赤滝(9:20~9:50) → 平方山遊歩道駐車場(11:40)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ371号目次