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沢登り・滝川赤石沢
高橋 俊介

山行日 2023年7月22日~24日
メンバー (L)高橋(俊)、坂井、鎌倉

 ナンシーから面白そうな沢があるから行きましょうよー、とのお誘いをいただき、調べてみたら飯豊の中では比較的取り付きやすそうな沢でしかも釣れそうとのことで例会計画した。本来、沢中1泊の沢ではあるが、入下山口も異なりしかも飯豊なのでアラフィフの身には一睡もしないで運転しての入渓はきついので2泊3日のんびり山行として計画した。
 直前まで海外出張に出ており、下調べをほとんどしておらずタクシー手配などをナンシーにお願いしてしまった。下山口である大日杉小屋に一路車を走らせここに車をデポ。小屋でタクシーにピックアップしてもらい、入渓口である滝川林道へ。運転手が場所が良く分からないとのことで、こちらでナビしながら林道終点まで向かってもらう。ナンシーが小国町役場に事前確認してもらっており林道通行可とのことであったが、どうにも林道は奥に進むに従いかなり荒れている。ただ、わらび畑が両脇に広がっており、電気も通じている模様なので、車で入れるところまで入ってもらうが、枝沢にかかる橋が抉れておりこれ以上進めないとのことで林道終点から3キロ手前くらいで降ろされる。沢装備の準備をしていると、林道沿いに建っている山小屋オーナーから声をかけられる。前夜、100ミリ近い豪雨があり、一気に林道が荒れてしまった、オーナーも豪雨で心配になったので山小屋と林道の様子を見に来ていたとのこと。ここから入山する人はあまりいないので林道終点まで自分のランクルで送迎してくれるというのでお言葉に甘え便乗させてもらう。やっと一台通れるか通れないかくらいの道幅の林道+かなり荒れている路面をランクルはものともせず進む。ランクルの走破性を皆一同痛感。ただ、ここは町道とのことで町が修復してくれるとのこと。恐るべし小国町。数年前の豪雨でトポにある鉄骨橋は流されてしまっており、現在の入山口まで教えてもらい丁重に御礼を伝える。

まだ13時です。  廃道に近い感じの登山道をしばらく進み、滝川に入渓。しばらくは広河原となっている。ここから30分も進むと左から赤石沢が合流してくる。ちょうど合流地点に泊ってくださいといわんばかりの幕場があったので、かなり早いが今日はここまで。実質1時間くらいしか行動していないが、そのための沢2泊にしたのでよしとする。
 各々、酒を飲んだり釣りに行ったり焚火したりで、あっという間に沈殿。気づいたら持ってきたウィスキーの3/4は飲んでしまっていた。
 一昨日夕刻の100ミリ豪雨の影響があったようで、昨日と比べると10cm程度水位が下がっており、沢の濁りもだいぶ取れたようだ。小一時間ほどゴーロ帯を遡行していくと赤石沢の名前のとおり、沢床に赤岩が目立つようになる。
 大ヒド沢手前でちょっと竿を出してみたら、かまちゃんが見事にヒット。これで夜宴会はますます楽しくなりそうで心が弾む。途中もポイント毎に竿を出していくがあまり魚影が見られない。12m魚止め滝に着いてしまい、これを越えるともう魚影は無いだろうという感じの滝である。大釜に向かって3人とも竿を出すと尺越えを含む数匹を調達できた。
魚止め滝でテンカラ  ここはトポのとおり、右岸を滝沿いに巻くと滝上でヤゴウ沢が合流してくる。ヒタヒタとその後も雪渓が出てきたりと変化を見せながら遡行していくとやがて権現沢二俣に到着。ここは1:1の水量であるが、地蔵岳直下に出たいので、左俣であるイボノ沢に進路をとる。ここから幕場を探しながら進んでいくが、あまりよい適地が見当たらない。15mCS滝が見え始めたところで左岸にかろうじて3人ゴロ寝できそうな場所を見つける。岩魚もゆっくり焼きたいしと、タープも張らずゴロ寝でいいよねということでここに決定。住めば都で焚火+酒を飲み始めたらここが一等地じゃんと思えてくる。18時過ぎてもまだ明るいよねーと話していたところで急に空荷の遡行者が現れた。聞くと地元ガイド主催の山行とのことで、幕場探しで様子見に先行で来たとのこと。今日は日曜日だし今回入渓者はだれもいないと思っていたので、かなりびっくりした。
 翌日も快晴。ゴロ寝であったが熟睡してしまった。帰路も長いので今日は早めの5時半出発。15mCS滝は左岸から巻く。上部にはスノーブリッジが残っており、慎重にブリッジ内を通過。雪渓横には水芭蕉の群生があり癒される。この辺りから一気に高度を稼いでいき、いよいよ源流の様相になってくる。
上部の雪渓  上部の小滝群もぬめっており一部悪そうな箇所もあったりで慎重に越えていく。水流がなくなってから20分ほどの藪漕ぎで地蔵岳直下の登山道に出た。
 展望があれば正面に飯豊山が見えるはずであるが今日はガスっているのでそそくさと撤収。登山道は整備されていたので、コースタイムでは地蔵岳から大日杉小屋まで2:30となっていたが、1:30ほどで下山できた。アポローチ+車の回収の問題はあるものの、中級レベルの沢としてはとても楽しめる沢だと思う。

〈コースタイム〉
【7月22日】 滝川林道終点(12:00) → 赤石沢出合C1(12:40)
【7月23日】 C1(7:00) → 権現沢出合(14:00) → 15M CS滝下C2(15:00)
【7月24日】 C2(5:30) → 地蔵岳(9:40~10:00) → 大日杉小屋(11:30)

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