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90周年記念山行・奄美大島
野畑 祐子

山行日 2023年6月14日~16日
メンバー (L)野畑、小芝(麻)、大瀧

【6月14日】雨
 朝、成田発のpeach便に乗り、10時半ごろ奄美大島空港へ到着。着いた時はまだ曇り空だったが、すぐに雨が降り出した。
 まずは鶏飯で腹ごしらえをしながら、本日の予定をどうするか話し合う。とりあえず雨でも観光できるところということで、住用マングローブパークの道の駅に併設されている奄美大島世界遺産センターに向かう。世界遺産センターは、広くはないものの、アマミノクロウサギをはじめとした奄美固有種の模型展示が揃っている。前回来た時に実物に出会えなかったアマミイシカワガエルに今回は会いたいなと思いながら、明日からに備えて事前学習をしてセンターを後にした。
 まだ夕飯には時間は早いが、なんせ雨だと、奄美ではあまりやることがない。仕方なく宿のある名瀬に戻り、チェックインを済ませてのんびりしてから、奄美名物が食べられそうな居酒屋に出かけた。大瀧さんセレクトの真珠貝の貝柱が美味しかった。

奄美初日の夕飯

【6月15日】曇りのち晴れ
 朝は、滞在中は毎朝お世話になるサンドウィッチカフェ奄美で美味しいサンドウィッチとコーヒーをいただく。大瀧さんが奄美滞在中もずっとリモートワークになってしまったので、小芝さんと2人で、曇り空のなか湯湾岳に向かった。
 湯湾岳は奄美群島最高峰。標高694mで宇検村側から登っても2時間かからずに山頂まで着いてしまう(大和村からのルートだと15分だ)。幻想的なガスのなか固有種の植物を探しながら歩いていると、、、登山道のど真ん中にヒメハブがトグロを巻いて寝ていた。思わず「ぎゃあ」と叫んだらハブが起きてしまった。でも道の真ん中からどいてくれない。小芝さんが棒で突いたり石を投げたりしたら、のそのそと道の脇の方に少し移動したが、そこから動かないので走って横からすり抜けた。「本当にハブってこんなに普通に会うんだねー」と感心したように小芝さんが言っていたのが印象的だった。(ちなみに前回は沢の中でもハブに遭遇している。足元を良く見て踏まないように歩きましょう)

湯湾岳、櫓からタンギョの滝、滝下から(過去の写真)

 湯湾岳は現在自然保護のため本当の山頂までは行けず、手前の広場まででその先は通行禁止だ。広場にはお堂や祠が建っている。古くから霊峰としても崇められ奄美を開祖した二神が降り立った場所と言われているそうだ。展望所となる新しく立派な櫓に登るが、ガスガスで何も見えない。櫓にある説明書きにもガスがかかることが多いと書かれている。
 しばしのんびりしてから下山したら晴れてきたので、ホノホシ海岸など島の南側の観光スポットをドライブして回った。帰り道がてら、落差80mと言われるタンギョの滝の展望スポットに寄る。相変わらず車のお腹を擦りそうな悪い林道だが、小芝さんは楽しんで運転していた。すごい。

 夜は大瀧さんが見たいと言っていたアマミノクロウサギに会いに、利用規制がしかれている市道三太郎線の通行予約を取り、3人でナイトドライブに出かけた。前日の世界遺産センターでアマミノクロウサギや固有種のカエル、ネズミたちが車に轢かれるロードキルの現状を見ていたので、規制はそのような被害を減らすためにも必要なことだと思う。なお規制区間は車の時速が10キロまでに制限されている。暗い林道をゆっくり左右を観察しながら走っていくと、峠に近づいた頃、やっと一匹目を発見した。その後もコンスタントに見つかり、車を止めたり降りたりしながらヘッドライトで観察する。アマミノクロウサギはとてもおっとりしていて、人に保護されているのがわかるのか、はたまた食事に夢中なのか、脅かさない限りは逃げない。最初のうちは一匹見つけるたびに大はしゃぎだった2人もそのうち「あ、またいた」というテンションになり、結果10匹以上のアマミノクロウサギとケナガネズミ1匹に会うことができた。大満腹。
 ※市道三太郎線の利用ルールに関してはHP等で最新情報をご確認ください

ハートロックで記念撮影 【6月16日】晴れ
 今日は昼到着の飛行機で和田さんと永岡さんが合流する。空港にお迎えがてら、小芝さんと今度は北側の観光スポットに行ってみようという話になり、ハートロックに寄ってみた。ちょうど干潮のいい時間帯に当たり、海岸線にきれいなハート型の干潟ができていた。干潟には取り残された小さい魚たちが泳いでいて、潜らなくても鑑賞できた。
 お二人を迎えにいったあとは近くのきれいな海岸で少しのんびりし、名瀬に戻り大瀧さんも加わって奄美の最後の夜を飲み干した。

 今年は5月、6月と2回奄美を訪問した。名瀬にはスーパーマーケットもコンビニも充実しているから不便さもないし、郊外に出れば村の集落の人たちがとても温かく、にこにこと話しかけてくれる。「今度は夏においで」と言われ、また来年も行こうかな、という気になっている。
 今回は梅雨時期にもかかわらず一緒に行ってくれた小芝さん、大瀧さん、ありがとうございました!


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