ハイキング・男体山
トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ372号目次

90周年記念山行・ハイキング 男体山
川口  修

山行日 2023年9月30日~10月1日
メンバー (L)川口、和田、田中(聖)、他1名

 三峰山岳会90周年の記念山行のテーマは世界遺産ということで、世界文化遺産に登録されている「日光の社寺」にちなんだ山行を企画した。「日光の社寺」は東照宮、二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)、輪王寺の二社一寺を指すとのこと。今回は二荒山神社の境内でもある男体山の登山と東照宮の散策をメインにした山行を企画した。当初春に計画したが雨天のため中止に、再度秋の紅葉時期を狙ってのリベンジ企画となった。予報はあまり良くないが、気圧配置はそれほど大崩れはなさそう、異常な高温続きによる紅葉の遅れもあり期待通りとまでは行かなかったが、中止となった前回と同じ和田さん、聖さん、あと会員外のHさんの参加を得ての決行となった。
 宇都宮で前泊し、30日は天気が心配されるなか、男体山の二荒山神社中宮祠の登山口に7時過ぎに到着。山頂部は男体山ホワイトに包まれてはいるものの、降雨もなく気温も低めと絶好のコンディション。7時半には準備を整えて登山を開始する。
 二荒山神社の境内でもある男体山登山をするには、まず神社の受付に登山届を出し拝観料として1,000円を収める必要がある。受付で手続するとお守りがもらえる。ありがたいお守りを首から下げ厳かな境内から鳥居をくぐりスタートだ、まずは雰囲気のある石段が続く。

境内からスタートまずは石段

 石段を抜けると杉林の中に笹原の急斜面が3合目まで続く。この笹原も気持ちよい。笹原を一気に直登すると30分ほどで3合目に到達、ここから4合目までは整備された林道が続く、15分ほどで4合目に到達すると、ここからはいわゆる登山道となる。雨の影響で赤土の登山道は少し滑りやすくはなっているが、歩きにくいほどではない。4合目を過ぎてもまだ雲には入らず視界もある。開けた斜面に出ると中禅寺湖が眼下に見える。
 ほぼ直登なので高度が一気に上がる。ただ6合目で一本取るころにはガスの中に・・・。ここからは巨岩帯に入る。濡れた岩で少々登り難くはあるが一気に8合目避難小屋に着いたあたりで雨脚が強くなったため、小屋でのんびり雨宿りをすることにした。小屋に入るとすぐにHさんは「かいてき~っ」と言いながら小屋に放置されているシートなどを利用して横たわる・・・。三峰会員としての素質十分である。(笑)
 30分程で雨脚も落ち着き、真っ白な中山頂を目指す。8合目以降は傾斜も落ち着き一気に歩きやすくなり、山頂近くは火山特有のザレとなる。8合目から40分ほどで山頂に到着した。山頂は360度真っ白・・・太郎山神社まで足を延ばし、眼下の大展望を想像しつつ、15分ほどの滞在で下山を開始した。下山時はさらに下層まで雲がついており、終始真っ白。2時半頃には無事下山となった。

雨宿り(笑)山頂での一コマ

 下山のあとはお楽しみの打ち上げだ。まずは「やしおの湯」で汗を流してさっぱりしたのち、日光市街地のスーパーで買い出しをして、今日の宿「緑庵」にチェックイン。この宿は東照宮近くにある1日1組限定の自炊宿で、2階を丸ごと自由に使えるという快適さに加え1階に住むご主人は、なんと日光で渓流釣りをするためにこの場所を選んだという筋金入りの釣り師である。しかも宿の脇には沢が流れており、ここでも釣れるらしい・・・。早速買ってきた食材を並べて、まずはビールで乾杯!!冷蔵庫、電子レンジ、調理器具や食器なども置かれており、和田さんが腕を振るう。美味しいツマミと楽しい話でこの夜は大いに盛り上がる。まだまだ残暑厳しい東京と違い、すっかり涼しいうえベッドまである。 おかげで快適な夜を過ごさせてもらった。
 翌朝は朝から雨だったため、ゆっくり朝食をとり出かける支度をして、雨が落ち着いたところで車に荷物積み込んでいると、宿のご主人と日光界隈の沢の釣り事情の話で大いに盛り上がってしまった。釣り好きの客をあてに、この場所でゲストハウスを始めたものの、泊まり客は 外国人ばかりで、10月も日本人の客は我々が最初で最後だとのこと・・・「日光周辺ならいい場所へ連れて行きますよ~」とのことなので来春はこの宿を拠点にご主人の案内で釣りの企画でも出そうかと思う。
 雨の影響もあるが、朝から宿のご主人との話が盛り上がり出発は10時過ぎとなった。今回の計画のメインテーマの一つでもある日光東照宮と二荒山神社へと向かう。宿からは ほんの数分でまずは東照宮に、外国人観光客の多さに驚きつつも、拝観料を収め境内へと入る。私は初めての訪問であり、他のメンバーも小学校の修学旅行以来といった感じ、とにかく豪華絢爛かつ一切手抜きの無い装飾を施された数々の建築はどれも目を見張るものばかり、まさに圧巻というか圧倒される。木造建築に彫刻、日本の木の文化を再認識した。
 東照宮に次いで隣の二荒山神社にも参拝した。男体山を境内として抱える神社とあって、 昨日の男体山登山の後に訪れたことでより感慨深い参拝となった。縁結びのご利益のある神社ということで、皆さんどんな願掛けしたのかな?
 輪王寺に関しては入り口のみで帰路についたが、終わってみれば、3時間以上かけてゆっくりと二社を巡り、見応え十分の充実した世界遺産巡りとなった。
 今回、変化に富んだ男体山登山と世界遺産「日光の社寺」の散策は時折雨に見舞われる天気ではあったものの期待以上に充実したものとなった。参加してくれたメンバーに感謝するとともに、ぜひ晴れた日に男体山を再度訪れたいという思いを強く抱いた。それと「緑庵」をベースにした釣り企画も是非実現したいと思う。

〈コースタイム〉
二荒山神社中宮祠(7:30) → 五合目(9:00) → 八合目 瀧尾神社(10:15) → 二荒山神社奥宮(11:20) → 男体山山頂(11:30) → 太郎山神社(11:40) → 二荒山神社奥宮(11:50) → 八合目 瀧尾神社(12:15) → 五合目(13:25) → 二荒山神社中宮祠(14:15)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ372号目次