山行日　2023年7月15日～17日
メンバー　(L)荻原、永岡、川口、飯塚、清水、大瀧

　昨年から続く知床シリーズ第二弾は相泊から海岸ルートで行く知床岬(知床旅情編)だ。昨年は山からそして今年は海から知床の大自然を遊び尽くすのだ。7月の3連休に加えて平日休みを2日取る必要があるので参加者がどれくらい居るのか懸念されたが、シニア・メンバーを中心に6名が集まり頼もしい限りだ。悪天予報と数日前に打ち上げられたトドに群がるヒグマ情報と我々に待ち受ける関門は高いが、志しの高い？シニア・シックスは予定通りに出発する。

【7月14日】
　朝9時に女満別空港に集合してレンタカーで相泊へ。途中の知床ルサフィールドハウスで熊スプレーのレンタルと最新の熊情報を仕入れる。今年は熊の出没情報が非常に多いとのこと。すぐ近くの「熊の入った家」というライダーハウスで前夜祭。

【7月15日】終日曇り(夜雨)
　今日の行程は最低でも10時間以上、シニアペースで12時間と見ているので、はりきって4:30の出発とする。相泊を出るとすぐに石浜が延々と続く崩浜の歩きとなるが、石浜歩きは足への負担が大きく平らでも結構疲れる。これが終わると観音岩の高巻きになるが、ここはFIXロープもあり簡単。続いてのイベントは干潮時しか通過不可能と言われているトッカリ瀬だが、ちょうど潮のタイミングも良く、ヘツリもフリクションばっちりなので困難さは全く無い。ヘツリのミーコも本領発揮か？
　化石浜の先のタケノコ岩付近の巨岩帯はルーファイが難しく時間と体力が奪われる。モイレウシを高巻くと平和で心地の良いモイレウシ湾。ここで大休止をとって知床の自然を全身で感じる。この先の剣岩は干潮時の通過が推奨されているが、だいぶ潮が満ちて来ていて波に体を持って行かれるメンバーも出て苦戦を強いられる。ここをようやく通過してしばらく石浜を歩くとペキンの鼻。ここで今回初のヒグマと遭遇するが、だいぶ距離があるので緊張感はあまりない。本日最後のイベントとなる近藤ヶ淵のヘツリも潮が満ちていて時間を要するが、全員無事に通過してほっと一息。
　このあと滝ノ下の幕場まで疲れた体には長い長い石浜歩きをこなすと、ようやく滝ノ下の番屋。ここからすぐの男滝と女滝の間にテントを張って今宵の宿とする。本日は誰にも会わなかったが、この幕場で先行の3名パーティーと出合い、親交を深めることが出来た。総勢9名の楽しい宴会と焚火で大いに盛り上がる。

【7月16日】未明まで雨、その後終日曇り
　昨夜テントを強く叩いていた雨は起きる頃には止んでくれた。朝の焚火を起こして食事を終えると出発だ。本日はいよいよ夢の知床岬に自分の足で立つ日であり、気分は朝からアゲアゲだ。すぐに念仏岩の高巻きとなるが、ここは登りも下りも急峻で下りは懸垂下降で降りる。この先で大休止として知床の大自然と一体となる。
　次に本ルートで最大の難所と言われるカブト岩を高巻きで無事に越えると赤岩の番屋。あとは海岸歩きのみで知床岬であるが、ここから岬までの間に3頭のヒグマに遭遇、距離もそこそこ近くてメンバーにも緊張感が走る。なんとかやり過ごしてようやく知床岬の突端に立つことが出来た。全員感動！

　この後は台地に上がり、そのうえに立つ灯台に登って知床岬の先端部を上から俯瞰する。この景色もスバラシイ！
　帰りは行きとルートをずらして先ほど遭遇した3頭に合わないよう目論んだが、彼らも場所を移動しており、残念ながらもっと近い距離で遭遇してしまい、もうヒグマはおなか一杯だ。更に別の2頭にも遭遇してこれで今日だけで延べ8頭のヒグマに遭遇。糞や足跡はもう数えきれないほどあり、もはや我々にとってヒグマは非日常から日常になってしまったようだ。それでもなんとか無事に幕場に戻って、昨日と同じメンバーでお互いの無事を祝い、昨日以上に楽しい夜となる。

【7月17日】終日曇り(夜は大雨)
　今日も長い一日となるので夜明けとともに出発する。行きより潮のタイミングが良かったのとポイントの通過の要領を得ている分、順調に工程をこなしていくが、それでもシニアの体に蓄積した疲れは溜まっていく一方で足取りは重い。12時間かけてようやく起点の相泊港に戻ってこの冒険も終わりとなる。完歩したあとに入った自然豊かな相泊温泉のなんと気持ちのよいこと！

【7月18日】
　昨夜のうちに斜里のクリオネキャンプ場に移動。土砂降りだったが、レンタルハウスだったので快適な打上げ大宴会が出来た。今日は観光で岩尾別温泉の野天風呂、清里町のさくらの滝＆神の子池などを楽しんでから知床を後にした。
　さぁー、次は来年3月に企画しているシリーズ第三弾の知床岳スキーだ！