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集中山行・谷川岳
その1 縦走・馬蹄形
川口 修

山行日 2023年9月23日~24日
メンバー (L)川口、梅田、萩原

 今年は三峰山岳会90周年を記念する年でもあり、ルートが多くアクセスも容易で集まりやすい谷川岳肩ノ小屋を集中場所に選んだ。当日は天気にも恵まれ、個人での参加を含めると総勢10パーティ、30人ほどが時間通りに集中し、大いに盛り上がることが出来た。
 毎年集中山行にあたり、比較的距離のある縦走を計画していることから、今年は馬蹄形を計画したが、当初応募もなく一人でのんびり歩くかな~、などと考えていたら、直前でウメちゃんとハギーが応募してくれた。これは避難小屋が盛り上がりそうである。金曜は少し雨が降っていたが、予報では土曜の朝には回復の見込みということで、天気は微妙ながらも予定通り水上で前泊とした。前泊地では宮本隊と飯塚隊も加わり3パーティが集中し雨の中賑やかな前集中となった。翌朝は雨が少し残っていたがルートの長い我々は一足先に支度を終え朝5時に前泊地を出てコンビニで朝食等取ったのち、土合橋の白毛門駐車場に向かった。駐車場に到着する頃には雨も上がっており、これは予報通り天気も回復するかなと期待しつつ、6時半に白毛門登山口から取り付いた。
 白毛門までは急登の連続であるが登山道は濡れてはいたもののそれほど滑りやすい箇所もなく、涼しい空気の中順調に高度を上げる。
眺望の良い岩の上で一本  標高が低いところは視界もまずまずで途中眺めの良い場所で休憩を多めに挟みつつ3時間ほどで白毛門に着いたが、その頃にはすっかりガスの中であった。その後も、笠ヶ岳、朝日岳とガスガスの中、稜線からの景色を心の目で想像しつつ、14時半には清水峠に到着。 心配された今夜の宿「白崩避難小屋」には一番乗りであった。
 この頃にはすっかり小雨模様で肌寒いくらいだったが、ウメちゃんに寝床の確保をお願いし、ハギーと旧国道沿いの水場へと向かう。分岐から5分ほどで水の流れる沢筋にぶつかり、上流側に行くと汲むのに適当な場所がすぐにあった。ここで今日の夕食用と明日の行動水を確保、避難小屋に戻って開宴である。その後も避難小屋を訪れるパーティはなく、貸し切りかねぇなどと話しながら飲んでいるといつの間にか天気が回復しており、小屋の外には視界が広がっているではないか!!しばし外でくつろいでいると、朝日岳のほうから 大学生5人パーティが到着、小屋はまだ空いてるよ~とリコメンドしたが、我々を警戒してか小屋の裏の幕場適地でのテント泊を選択した。その後も外でのんびりしていると、今度は反対の蓬峠の方から赤いジャケットを着た人が一人歩いて来る。こんな時間に誰...?
小幡さん登場~  「も~と~っ!!」って、なんと赤い勇者は小幡さんだ!!思いがけない来訪に一同沸き立つ、この日一番の盛り上がりとなり歓喜とともに出迎えると、「ウメちゃんに酒を届けに来たんだよ~」って(笑)。蓬峠で飯塚隊と会ったあと、さらに2時間ほどかけて来たのだ、ウメちゃん愛されてるね~。4人になったところで再び小屋に入り盛大に第2部が開宴となった。もちろん小幡さんが持参した「菊水」はウメちゃんが美味しくいただいた。暗くなる前に更に2人パーティが小屋に到着、こちらは天神平から我々の逆路で 来たとのこと、この日はこれ以降到着するパーティもなく小屋を広々と使っての就寝となった。
 朝は4時に起床、朝食を済ませて5時半には出発の準備を整えて外に出ると谷川の稜線が眼前に広がっている。予報通りの好天。まずは冬路ノ頭を目指して稜線を歩き始める。朝露を纏った笹の葉が綺麗で、加えて朝日に照らされた谷川の稜線が素晴らしい。昨日歩いた稜線も今日これから歩く稜線も一望できる。昨日とは異なり皆テンション高めだ。1時間ほどで七ツ小屋山に到着、ここで一本入れて360度の眺望を愉しんだ。飯塚隊が昨日歩いた大源太山も存在感抜群。ただ昨日は我々と同様真っ白な中歩いたことだろう・・・。
眺望抜群の七ツ小屋山で一本  七ツ小屋山から1時間ほどで蓬峠に着くと行く先の斜面には前を行く宮本隊か飯塚隊らしきパーティが見えた。一本取って歩き始めると、武能岳で飯塚隊に追いついた。この後は今日の核心ともいえる茂倉岳への登り返しだ。鞍部でしっかり給水し、茂倉を目指して登り始める。振り返ると武能岳の西斜面の荒々しい岩肌がカッコいい。2時間ほどで茂倉岳山頂に到着した。山頂では先行していた宮本隊に加え当初予定の一ノ倉で時間を持て余し茂倉まで足を延ばしたパンさんも出迎えてくれた。まだ11時前、肩の小屋まではあと1時間半ほどだ、集中の時間までは十分余裕があるので、山頂でガヤガヤやっているとすぐに飯塚隊も到着。茂倉プチ集中となった。大きい三峰の旗を持っていたため、まずはここで記念撮影、総勢13名ほどでのんびりと一ノ倉岳へと向かう。

茂倉岳山頂にて  20分ほどしか歩いていないが一ノ倉岳山頂でも1本取って、のんびり時間調整と思っていたが、パンさんの話だとアッコさんのところはとっくに肩の小屋に着いていて1時には下山を開始するとのことなので、ちょっと早いが我々も肩の小屋に向かうことにする。途中オキノ耳・トマノ耳は今日の好天の影響もあってかあまりに多くの登山者がいたため、素通りで1時少し前に肩の小屋に着くと、とっくに到着していたアッコさんと箭内さんのパーティが盛大に出迎えてくれた。集中の醍醐味である。もうすぐ下山するとのことなので、まずはその場にいる人で記念写真を撮ろうと話していると宮本隊も到着。茂倉に続き本日2回目の撮影会となった。
レジェンド組と一枚  アッコさんと箭内さんのパーティは撮影後すぐに下山していったが、その直後に飯塚隊が到着。無線でのやり取りだとどうやら、沢チームも2時の集中には間に合いそうである。山頂でのんびり過ごしながら到着を待っていると、無線でKGさんからエールの催促が....(笑)、皆で肩の小屋の入り口付近に行き主稜線からの最後の登りに差し掛かった沢組2パーティ7名を「も―と―」コールで盛大に出迎えた。

 ひと段落してそろそろ写真を撮ろうとなったところで、軽部夫妻が肩の小屋に到着、これで全パーティの集中が完了した。皆で労をねぎらい3回目の記念写真の後、下山を開始、3時半には天神平に到着となった。
 絶好の登山日和の下、無事に、且つ時間通りに全パーティが集中。 90周年に相応しい集中山行となったのではないかと思う。参加した皆さんお疲れ様でした!!

沢組の帰還
〈コースタイム〉
【9月23日】 白毛門登山口(6:30) → 白毛門(9:45) → 笠ヶ岳(10:40) → 朝日岳(12:00) → ジャンクションピーク(12:45) → 清水峠(白崩避難小屋泊)(14:10)
【9月24日】 泊地(5:30) → 七ツ小屋山(6:20) → 蓬峠(7:35) → 武能岳(8:30) → 茂倉岳(10:45) → 一ノ倉岳(11:15) → オキノ耳(12:40) → トマノ耳(12:55) → 肩の小屋(13:00)~天神平(15:20)

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