トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ372号目次

沢登り・栗原川ツバメ沢遡行ケヤキ沢下降
鎌倉 季美恵

山行日 2023年7月29日~30日
メンバー (L)荻原、永岡、川口、清水、青木、平井、長浜、高橋(祐)、鎌倉

岩塚ノ滝前 美しい滑に興奮!  荻さんの例会が都心からほど近い足尾に滑が美しく岩魚が釣れる沢と聞いて、元々予定していた山行を断り急遽参加させていただく事に。
 前泊は道の駅白沢。9人集まり蚊に刺されながら持ち寄ったおつまみを皆で楽しくつまんでいたらすぐに0時をまわったので就寝。
 1日目は5時起き。入渓点に一番近い栗原川林道沿いの駐車場に車を停め、7時丁度に駐車場から出発。30分ほど平坦な林道を歩き、尾根に沿って下り入渓ポイントへ到着。
 8時入渓。噂に聞いていた通り明るく美しい滑が続き、川の水も暖かく、この時点で来て良かった!と歓喜。少し遡行すると、川幅いっぱいに広がる扇状の岩塚ノ滝が現れた。ここら辺から若手?4人でルーファイの勉強の為に先頭を30分おきに代わりながら遡行させてもらう。
 焦っていると視野が狭くなり、歩きやすいルーファイが出来ず先頭を歩く難しさを実感。程なくして2人の釣り師が現れた!!こんにちは~と微笑み挨拶したが9人がゾロゾロ歩くのを見て明らかに嫌な顔をされた。邪魔にならないように林道側歩きますね~と行って早々に立ち去る。釣り師の気配が無くなるまで歩いたら何やら釣れそうな滝壺が出てきた!釣り師には申し訳無いがこの滝壺は先に荒らさせていただく。ここでエサ釣りとルアーで投げてみるが反応無し。ここの岩魚は絶滅した事にしよう。
 ペタペタと平坦な岩場を歩くと、曲線で奥まった岸壁から轟々と飛沫が噴出している。
 大膳ノ滝登場。岸壁が削られたくぼみに岩魚が休憩しているのが見えるではないか!ここはルアーで投げさせてもらう。追って来るが食わない!く・・・悔しい!ここの岩魚も絶滅したらしい!
 せっかくなので滝の前で全員で記念撮影。栗原川から不動沢へ移る際、円覚ノ滝を巻く為にガレ場を登りややトラバースする道が少しいやらしい道だった。足尾銅山繁栄期に木材供給を支えていた小さな集落跡を抜け、不動沢へ合流する。そこからは釣れそうなポイントが多く竿を出させていただく。魚影を肉眼で確認!いざキャスト!・・・反応無し・・・!足尾の岩魚は防衛本能が強いようだ!とりあえずここの岩魚も(以下略)
 竿をしまい幕場へ向かう。踏み跡を辿ると栗原川とツバメ沢の合流点に出た。4,5分栗原川を下降すると大人数に最適な広い幕場が現れた。早々にタープを張り、薪を集め、本日の寝床完成。荻さんと私はいそいそと釣りへ出掛ける。先行していた荻さん早速一匹釣り上げる。
 くっ・・・これでもう絶滅したって言えなくなってしまったではないか・・・!
 その後いかにも釣れそうな滝壺で荻さんは二匹釣り上げた。釣り好きとして純粋にジェラシーである。ここの岩魚はルアーは好みじゃ無いようだ。(負け惜しみ)ボウズでとぼとぼと幕場へ戻り既に盛り上がっている宴会に参加させてもらう。先輩方の豪華なつまみ達がずらりと並び有難く頂戴する。デザートにはっしーさんが持ってきてくれたスイカを頂く。小玉とはいえなかなかの重量・・・先輩強い!

沢でスイカ!最高なデザート焚き火とネオンのコラボレーション

 暗くならぬうちに夕飯を頂きのんびり焚き火を囲み寛いでいると、KGさんが何やらガサゴソ電飾を設置していた。スイッチを入れると電飾が輝き出して、焚き火の煙と合間ってクラブ(ディスコ?)の様な雰囲気に!山の中からいきなり都会にワープした様な異様な情景が沢を照らした!明日は3時起きと言う事で早めに就寝。
 翌朝、焚き火を囲み朝食を摂り、日の出と共に出発。出てすぐにツバメ沢側へ入る。本日はルーファイだけでなく地図読みの練習をさせていただく。地形図を見ながら最短でなるべく歩きやすいルートを見つけながら歩くのはやはり難しく、度々立ち止まりコンパスを確認した。
 8時頃、林道に詰め上げてそのまま林道を下ってケヤキ沢へ向かう。緩やかな尾根をつたってケヤキ沢へ入渓。なだらかな滑を2時間ほど下降するとケヤキ沢のクライマックス40m大滝の落ち口が見えた。右岸側をロープに沿って下りつつトラバースすると、トポ通りに懸垂下降のポイントが出てきた。残置で捨て縄が2つ取り付けられており、そこにロープを掛けて懸垂下降をした。滝を下から見上げると爆風と飛沫で近寄るのも憚られるような壮大さ。
 全員で滝の前で集合写真を撮った後はややスピードを上げて下降。12時過ぎに栗原川へ合流した。この日の栗原川の美しさと言ったら・・・
暖かな日差しに照らされた白い滑がキラキラと輝いていた。水の中に水中カメラを入れると、素揚げにしたら美味しそうな小さな岩魚が沢山泳いでいた。

40mのケヤキ沢大滝 圧巻!栗原川の白く美しい滑!楽園です。

 少し遡行して脱渓ポイントへ。100mあるか無いかの高度を汗だくになりながら登った。駐車場までの林道歩きは日陰が無く、焼ける様な暑さだった。14時に着替え帰路に着いた。
 このルートを振り返ると終始穏やかで滝、滑、岩魚が楽しめる楽園沢であった。
 個人的にはボウズの無念を晴らす為に再訪したいと考えている。

〈コースタイム〉
【7月29日】 栗原林道駐車場(7:00) → 入渓(8:00) → 大膳ノ滝(11:20) → 幕場着(14:00)
【7月30日】 幕場(5:00) → ツバメ沢脱渓(8:00) → ケヤキ沢入渓(9:00) → 40m大滝(10:40) → 栗原川合流(12:20) → 脱渓(12:40) → 栗原林道駐車場(13:40)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ372号目次