山行日 2023年11月26日
メンバー (L)高橋(祐)
ハギーさんが11月頭に六甲全山縦走の例会を出していたが、実は私も11月末にトレイルランで六甲全山縦走をした。三峰で六甲に行く人は滅多にいないと思うので、例会原稿には出てこないポイントの紹介も含めて寄稿をさせて頂く。
須磨浦公園から宝塚(塩平寺)まで、六甲全山縦走路に加えていくつかのピークに寄り合計24個の山頂を経由する「六甲全山縦走24ピークスハント」というレースに出場した。レース当日は前泊地の三宮から須磨浦公園に向かった。阪神電車の乗り場はタイガース日本一祝福モード一色だった。朝焼けの瀬戸内海を眺めながらのんびり準備。レース関係なしに縦走しに来ている人も多かった。
9時に一斉スタート。最初のピーク鉢伏山の頂上は遊園地だった。2個目のピークの旗振山から海側を見ると、すぐそこに淡路島が見えた。
4個目の高倉山を過ぎて少し進むと住宅街に出た。住宅街を走り抜けた先には、ハギーさん原稿でも出てきた栂尾山に向かう長~い階段・・・段差が大きくて非常にしんどい。地元中学の男子サッカー部の元気な子たちに挟まれ、おばさんは必死な顔を隠しながら登った。
次の横尾山を過ぎると、岩稜帯である馬の背。こんな荒々しいところもあるとは。しかしその次の東山を下るとまた住宅街へ。変化が激しい。住宅街の中でも六甲全山縦走の案内は多く、迷わずに次の登山口へ行けた。
次のピークは三等三角点のある高取山。南を見るとだいぶ都会が近かった。遠くに和歌山が見えた。高取山一帯は高取神社の境内となっていて、色々な方向に道があり、ルーファイが難しかった。何度も地図を確認。
高取山を下るとまた住宅街。少し長めのロード走りの先には最初のエイドのある鵯越駅(ハギーさんたちの初日の終着点)。バナナとコーラを頂いて再出発。
その次の目標は菊水山。最初はなだらかだったが、途中から段差の大きな階段が出てきた。手すりに頼りながら山頂へ。山頂は晩秋の紅葉を楽しむ登山客でにぎわっていた。
ハギーさん原稿にもあったように、六甲全山縦走路は登ったと思ったら一気に下って住宅地の繰り返し。菊水山からも一気に下り、住宅地の上を走る橋を渡り、次のピークの鍋蓋山・再度山へ。ちなみに再度山は「ふたたびさん」と読む。弘法大師が唐に渡る前に安全祈願をし、帰国後に再度お参りした山だという。再度山の麓の大龍寺の近くにあるエイドを目指したが、この付近も道が錯綜してわかりにくく、昨年もレースに出たという方に先導してもらった。
多くの家族連れでにぎわう河原を通り抜け、次に向かうは摩耶山。事前にハギーさんに六甲全山の感想を聞いた時、「摩耶山までがしんどい」と言っていた。傾斜の緩いところで歩きながらどら焼きを食べ、万全の状態で臨んだ。急登だったが、とにかく段差の少ない場所を選んで歩いた。トレランは大きな段差で腿を使うと後々しんどい。
摩耶山の山頂は樹林に囲まれて地味だが、その先のロープウェイ終点近くに開けた場所があり、神戸から大阪までの海沿いの街並みが一望できた。夜に来たら一層の絶景だろう。ちなみにこの開けた場所の名前は「掬星台」という。やたらロマンチックな名前。絶好のデートスポットである。
しかし私はデートしに来たわけではないし、夜景を待っているわけにもいかない。写真を撮って早々に次を目指す。摩耶山を過ぎて車道をしばらく走ると3つ目のエイド。その先は神戸GCのゴルフ場の間を抜けたり車道を走ったりで、山という感じが薄く、港町も見えず、テンションが上がらなかった。観光客でにぎわう六甲ガーデンテラスの横を通り抜け、六甲最高峰の六甲山に到着。後で知ったが、「六甲山最高峰」の標識の「山」と「峰」を手で隠し、「六甲最高!」と言って写真を撮るのがお約束らしい。しかし、夕暮れ時の山頂は閑散としていて、六甲最高!などと叫んでいる人はいなかった。私も淡々と標識を撮って次を目指した。
この先は目立つポイントはないが、縦走路から外れてピークを取りに行く作業が増えた。早速、六甲山の後すぐに後鉢巻山という縦走路から外れるピークがあった。回り道をしてピークを取らなければいけないところもあった。そして日がとっぷり暮れた最終盤には、縦走路を外れてのピーク往復が連続5回。岩原山・譲葉山西峰・譲葉山南峰・譲葉山北峰・譲葉山。いずれのピークも登山道がなく、足元が固まっていない。心を折りにくる。ピーク往復ですれ違う面子は大体いつも同じで、あと何分くらいでピークです、あと〇個ですね、などと励ましあいながら行き来した。
最後のピーク岩倉山を越えたら、後はゴールに向かって走るのみ。ところで、ゴールってどこだっけ?駅ではなくて、塩平寺がどうとか言っていたな・・・ふと地図を見ると塩平寺を過ぎていた。ゴールを通り過ぎた?と焦って引き返したら、後ろから人が来た。ゴールは寺の下の広場とのこと。よかった。8:46:53で無事にフィニッシュした。登山アプリのログによると、総距離42.8キロ、累積標高差は±3,300m程度だった。
山の隙間を縫うように住宅地がある。山頂から港町が非常に近い。どこの山も多くの人がいる。様々な地点に様々な公共交通機関を使って行ける/帰れる。六甲は非常に人の暮らしに近い山だった。
ちなみに、このレースのゼッケンには名前・番号に加え、居住地が書かれていた。「東京都」と書かれたゼッケンを見て、2つ目のエイドのスタッフさんは摩耶山の絶景スポット掬星台を教えてくれた。再度山からエイドまで先導してくれた方はコースのアドバイスをくれた。女性2位の方はゴールから三宮への帰りまで誘導してくれた。登山の方からの「頑張ってな!」という声援も励みになった。人の温かさも感じた六甲全山縦走だった。