山行日 2024年3月9日~10日
メンバー (L)菊池、小幡、平井、佐藤(功)、甘川、田中(聖)
入会前、私は、平井さんとの共通の友人の結婚式披露宴のテーブルで、平井さんから興味深いはなしを聞いていた。
平「雪洞泊っていうのがあってね。これがまた楽しいんだよ。いや~、ほんとすごいんだよ」
円卓は山好きで集められていた。
聖「えー、なにそれー!私もやりたい!」
平「三峰には、雪洞の匠もいてね、」
(ちょっとー。そういうのだよー。私がやってみたいのは!羨ましすぎるぞ、、、)ということで、私は雪洞泊を夢見て三峰に入会させて頂く機会を得た。だから入会ののちは、檜枝岐の沢でお世話になった小幡さんの日程を、いの一番に空けて頂いた。
雪洞形成に適しているのは、3月初旬ということらしい。ついに実現だぞ!っと、まぁまぁ鼻息荒く、無鉄砲にもリーダーを申し出てしまった!(やったこともないけど、妄想が膨らんでいたので、やりたい!と言ってしまったのです)結局、見かねた?!ダテくんがリーダーを名乗り出てくれた。
んー、でもできることはしたい。装備のリストアップや分担について、ダテくんは私に考える機会を与えてくれた。過去の岩つばめを読んで、イメージする。なるほど。横穴式ね。二つの穴を掘るのね~。
石打ユングパルナスで前泊したのち、土樽の駅で準備。毛渡橋の登山口駐車場に車を停める。
私のワカンが、歩き始めから早々にズレた。固定が緩かったみたい。うちで練習してはいたけど、かなりしっかり締めないといけないことが分かった。こういう一つ一つがいい加減だと、よくないなってことは、切々と身に染みた。最初はそこそこ平坦だったけど、すぐにかなりの急登になった。
今季は1-2月になっても雪が少なく心配していたにも関わらず、ここに来て結構な積雪。私を離して、みんなドンドン雪を掻き分け、登ってゆく。まるで私の前を人間キャタピラーが登っているようだ。もう全然ついていけないのだけど、途中でみんなが私の荷物を減らしてくれた。申し訳ないです。ハイ。ついていきます。
かなり前方に甘ちゃんが見える。すごい勢いで雪を掻き出してる。もうすごいとしか言いようがなかったけど、見惚れている場合ではない。本当に取り残されないようについていくのが精一杯だった。段々とその雪は膝下、股下まで埋もれるほどに深くなり、目的地まで3時間半ほどと聞いていたところ、結局、7時間ほどかかった。
目的地は、なかなかの斜面だった。いよいよここからが楽しみの作業だ。掘る、掻き出す、掘る、、、。小幡さんの掘り方は上手い。大きなブロックの雪を取り出す感じなのだ。
2つの穴を掘り進め、両穴を洞内で連結させたら、天井をならす。天井に凹凸があると、水滴が落ちるというのは、予め学んでいたので、きれいにならした。
うれしい!6人、寝られそう!
雪洞が完成したら、急ぎ水作りをする。そして、夕飯だ。
登るのに時間がかかったこともあり、なんか忙しい。疲労もなかなかだし、やることいっぱいある。想像していた優雅でロマンチックな時間ではない。夕飯は、甘ちゃんと相談して、鍋と鉄板焼きにした。
お楽しみは、ダテくん誕生日祝いのアイスクリームケーキだ。土樽の駅でアイスクリームの材料をペットボトルに仕込んでおいた。小学校の自由研究でやったみたいに、塩でさらに冷却し、最初は私が、すぐに甘ちゃんが代わり引きずりあげてくれた。
どうなったかな?持ってきたオレオとナッツを混ぜて仕上げる。美味しいじゃないの!もう大満足だ。私は。きっとみんなも。
鍋に火を入れてる間、鍋の直上の天井には穴が空いており、溶けた雪は天井内を流れて、天井の最も低いところから小さな滝になって流れ落ちていた。
雪洞作りでは、天井のならしや傾斜は重要なポイントと言える。出入口は、ブルーシートで塞いだが、寝始めはそこそこ寒かった。隙間から外の冷気が入ってきたからだ。でも、夜中に雪が降って、ブルーシートの上を塞いでいたので、いつの間にか冷気は和らいでいた。
翌朝、広々雪洞内で下山の準備をする。風から守られているということは、それだけでとても助かる環境を得られるのだと実感した。
私達が雪洞を掘っている間に、小幡さんは雪洞横に、トイレも作ってくれていた。もう、今までの山行で最も快適で清潔で洗練されたトイレだった。気温湿度がこれだけ低いということは、臭いもないからだ。
小幡さんは、私の慣れない下山の足取りもずっと後ろで見守ってくれた。心強かった。ありがとうございます。とてもとても楽しく、いざという時はなくとも、学びの多い山行でした。
〈コース〉
土樽駅 → 毛渡橋 → 雪洞@@棒立山手前1350m付近の斜面 → 毛渡橋