山行日 2024年9月14日~16日
メンバー (L)永岡、荻原、澤野、清水、石毛
2019年、2021年の北又谷が終わって暫く経った頃だったと思う。荻原氏が興奮して高桑信一著「源流テンカラ」を見せて、柳又谷に行こうと誘ってきた。女性的な北又谷、男性的な柳又谷と言われている。北又谷であれほど苦労したのに柳又谷など行けるのか?!しかし、本の写真には我々よりも老齢と思われる男性2名が釣ったイワナを食している写真があった。どうも厳しい飛龍狭を通らないルートがあるという。(失礼ですが)この二人が行けるなら、自分も行けるだろうと決心したのだ。しかし、そのルートはルート図などなく地形図を見て多分このルートだろうと想像していただけだった。しかし、たまたま読んだ服部文祥の本にルート図があり、これで問題ないと確信した。
【9月14日】
小川温泉に6時にタクシーを予約していたが、いきなりトラブル。5人で予約していたつもりが4人で、ひとり乗れないとのこと。駐車場の奥にいたパーティーが北又小屋までのジャンボタクシーを予約していて、ひとり乗れるということで、無事に5人が北又小屋に着くことができた。そのパーティーは宇都宮渓遊会のメンバーで、同じルートで柳又谷を目指すとのことだった。
途中まで地形図に載っている登山道を行こうとしたが、河原のほうが楽でしょとのことで、河原ルートを選択。暫く行くと左岸の上の方に人が。宇都宮渓遊会のパーティーは地形図の登山道を行っているようだ。少し行くと、我々の前に堰堤が出現。倒木があり、それを利用して堰堤を降りることができたが、なければその先を進むことは出来なかった。宇都宮渓遊会のパーティーの話では、登山道は廃道になっていて道が悪く、途中で河原に降りたとのことだった。宇都宮渓遊会は何回かこのルートを来ているとのことだったので、この堰堤のこともあり、廃道を行ったのかもしれない。杉谷との出合手前の細いルンゼを越えて杉谷に到着。暫く沢筋を進み、途中から右に入り横山乗越に向かう。始めはなだらかだったこともあり、それぞれ歩きやすそうなところを歩いていたが、横山乗越付近は急になり、人によっては難儀していた。よく見るとしっかり踏まれた跡があったので、それに従って歩いた自分は楽に到着。そこから楊河原までも踏まれた跡があった。てっきり人が余り入っていない沢だと思っていたのに、がっかりだった。川原に出る手前の樹林に良い幕場があり、そこに幕場を作って、さっそく竿を出す。柳又谷の流れは想像以上に早く、ポイントが少ない。少し流れが遅いところに毛バリを落とすが、全く反応がない。人がなかなか入れない沢なので、入れ食い状態を期待していたのに、残念だ。澤野さんが少し下流で1匹釣り上げた。今晩はこの1匹で焚火を囲んだ。
【9月15日】
今日がメインの釣り日。竿を持って遡行するが、柳又谷の流れは激流でポイントとなるところが少ない。何匹かは釣れるが、入れ食いを期待していたので気分はイマイチだった。少し遡行したところに突破するにはちょっと厳しそうで、いかにもイワナが居そうな素晴らしい淵があった。ここでならと思って毛バリを落とすが、釣果はなし。諦めて引き返えそうとしたところ、宇都宮渓遊会の人達が追い付いてきた。彼らの熟練はテンカラ、若手はルアーだった。まずは熟練の方が淵に毛バリを落とす。しかし、全く反応がない。諦めて、若手に譲る。ルアーを投げ入れると入れ食い。この沢はテンカラでは釣れないのかと諦めて、引き返すと、上に来なかった澤野さんがよいポイントがあったようで毛バリで大漁。さすが釣り師だ。その後幕場に戻って、昨日澤野さんが釣った付近で竿を振ってみた。普通の沢ならまずポイントとならないような激流でイワナが食いついてきた。焚火場でそのことを話すと、澤野さんが興奮して「そうなんですよ。さすが早瀬イワナっていわれるだけありますよね」そうか、激流でもポイントになるのかと、この時知ることができた。もっと前に聞いていれば、今日の釣果はもう少し変わってきていたかもしれない。その晩は焚き火を囲ってイワナづくしで宴の予定だったが、天気がイマイチ。小雨の中焚き火を囲んで雨が止むのを待っていたが、雨足は強くなる一方。仕方なく幕場に移り、タープの下での宴となった。
【9月16日】
朝、雨はやんでいた。川原の方へ行くと、幕場近くまで増水していた。集めた薪は全て流されていた。早々にタープを撤収して来た道を戻り、北又小屋へ。帰りに小川温泉で汗を流そうと玄関に行くとなんと休館。インター近くの環境ふれあい施設らくちーので汗を流して帰路に就いた。
人を寄せ付けない男性的な柳又谷と言われていたが、今回のルートでかなりの人が入っているようだった。飛龍狭を越えた先の激流をみると、飛龍狭はかなり厳しいことがわかった。男性的な柳又谷と言われるのは飛龍狭を遡行してこそなのだろう。いつかは飛龍狭を越えて、柳又谷を最後まで遡行してみたいものだ