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山スキー・阿寺山、巻機山
鈴木 一彦

山行日 2025年2月1日~2日
メンバー (L)荻原、川口(修)、永岡、清水、鈴木(一)

 いつも通り、前のめりなリーダーの計画には緊張させられる。阿寺山は昨年(2024年)に何度かチャレンジしたが、初回の歩き登山では時ならぬ大雪、その後に参加した山スキーでは寡雪と理不尽極まりない理由で途中敗退を余儀なくされている(寡雪を理由にしているが、私の歩行技術が未熟なせいでの時間切れ敗退)。今年こそと思っていたところ、リーダーからリベンジの計画が示されて一も二もなく飛び付いた。とは言え、阿寺を超えて、入道岳とは・・・。
 定宿の石打・バードランドを6時半頃に出発。登山口には8時前に到着した。駐車場はほぼ満車の賑わい。遅めのスタートを選択したリーダーの狙いはドンピシャリ。大雪の中にこれ以上ないほどはっきりしたトレースが続いている。迷うことなくこれを辿り山頂を目指した。
昨年より圧倒的に雪深い!  昨年は藪に阻まれ、緩む雪に苦しめられて散々な思いをした斜面も、全く労せず登ることができる。つくづくスキーはコンディション次第なのだと思いながら、3時間強のハイクで山頂下の台地に到着した。晴れていれば気持ちの良い斜面が見えるはずだが、あいにく今日はホワイトアウト。これでは稜線は歩けないねということで、幸い(!?)入道岳はなしになった。だが、メンバーの誰もが阿寺山の山頂に立ったことがないので、こんなコンディションでも山頂を目指す。一面真っ白の中で記念写真を撮り、いざ滑降準備が整ったところで、念願の阿寺山滑降だ。
 最初は目標物が無い雪原でルートを探り探りの滑りだったが、広い樹間の森に入ってからは視線が定まり、極上のパウダーを堪能する時間が始まる。まるで自分がうまくなったかのような錯覚に陥るほど、小気味よくターンが決まる。一同、歓喜の中、1時間半ほどの至福の滑りが終わった。あまりに楽しくて、「楽しかった」という記憶しか無い。
 石打のスキー宿で初日の祝勝会を終え、さらなる高みを目指す我々は、翌日早朝に巻機山登山口を目指した。気分が高揚しているのか前日の深酒をものともせず5時起き、6時半には歩き出した。井戸の壁もばっちりトレースで訳なく過ぎて、ニセ巻機山に11時過ぎに着く。眼下に米子沢を見下ろすと、これ以上ないコンディションだ。しかも、ここまでのタイムなら巻機山の山頂を踏める!
どこまでも広い巻機山の頂  30分ほどで山頂に到着。快晴の裏巻機、はるか尾瀬方面まで見渡せる大眺望を堪能した。
 さて、米子沢へ滑り込もう。雪質は少しだけ重めのパウダー。メロウな斜面を思い々のターンで降りていくと、徐々に水蒸気が立ち上り、ガスで全く視界がなくなってしまった。さすがにこれでは気持ち良く滑れない。斜面で視界が晴れるのを待っていると、スノボで単独行の方がジョイン。しばらく我々ととりとめのない話をしていたが、しびれを切らして先に滑り込んでいった。我々もすぐに続くと、幸いにして数分でガスを抜けた。あとはゲレンデのような斜面を登山口までまったり滑るだけだ。
 ここまでハズレのない2024-2025シーズンにおいても白眉の2日間を堪能できた。これだから山スキーは止められない。

〈コースタイム〉
【2月1日】 駐車スペース(8:15) → 阿寺山(12:30) → 駐車スペース(14:30)
【2月2日】 駐車スペース(6:30) → ニセ巻機山(11:00) → 巻機山(12:00) → 米子沢 → 駐車スペース(14:15

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