トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ376号目次

雪山登山・遥かなる金城山
朴 明玉

山行日 2025年2月1日~2日
メンバー (L)高橋(俊)、朴

 積雪期に入る人はまずいない、新潟の名峰、金城山に、2人でラッセルしながらチャレンジしました。
 厳冬期は猛ラッセルを要し、なかなか登らせてくれない山で、リーダーは、実に3回目のチャレンジです。
 一方、入会1年目・雪山2年生の私は、ラッセルと言えば、クロウ?という程度のラッセル・ピヨピヨです。
 こんな、戦力的に海のものとも山のものとも知れない新人しか参加希望者がおらず、山行中止になるのではないかと私は密かに危ぶんでいました。
 しかしながら、リーダーの勇気ある決断によって、山行計画は粛々と実行に移されました。
 登山口から早速深雪が始まり、俄然ワクワクします。1合目にある、紅葉台という、展望の良い東屋で、リーダーが過去の山行で、ここに来るまでに膨大な時間を要したことをしみじみと回顧しています。今回も積雪量は負けていないそうです。それを聞いて、気を引き締め直しました。
空身ラッセル後、ザックを取りに戻る  進むにつれ、積雪量は増えていき、ワカンでも、最大で腿までの深さの急傾斜に加え、見上げるほどの雪壁ラッセルが随所で続きました。 ほぼ休憩なしで、ラッセルを回し続けました。
 深雪でのラッセルは、リーダーの真似をして、同じように私も花魁歩きをしました。この歩き方は、単純に雪に逆らって前に足を前に出すよりは、雪の抵抗を受けないので、格段に足が出しやすい反面、点々と足跡が付くため、後続も全く同じような足運びをしないとトレースを活用できないというデメリットがあります。足の長さや股関節の柔軟さが異なるメンバー間では、難しいことが想像されます。テント泊装備のザックが重くて雪に沈むので、1人は空身ラッセル、標高50m登ったら、後続に交代→標高50m下ってザックを取りに行く、を延々と回し続けました。なので、1.5倍歩いた計算です。
 15時前に、Co826辺りでテントを張りました。
 2人で鍋をつつきながら、三峰山岳会の歴史について、入会24年目のリーダーの話に耳を傾けます。
 お酒をこよなく愛するリーダーと、山に入っている間は翌日の山行に備えて酒は近づけない私との間には、血中アルコール濃度とテンションにマリアナ海溝のようなギャップがありながら、長い夜は静かに更けて行きます。

連続する雪壁をラッセルする  2日目の山頂アタックに備えて、4時起床、5時半出発をすることにし、早めに就寝しました。
 ですが、あろうことか、2日目2人とも寝過ごして、目覚めたら6時半でした。
 たとえ山頂に到達していなかったとしても、折り返す制限時間は、1日目に決めていました。そして、その制限時間内には、山頂に到達できず、8合目まででした。アタック装備だけの軽い身で挑みましたが、連続する雪壁をラッセル突破するのに、それぞれ時間がかかりました。
 結果的には凡ミスで敗退となりましたが、技術を磨いて、またラッセルしに行きたいです。今度はピークまで!

〈コースタイム〉
【1日目】 金城山登山口(8:00) → 826m幕場(14:30)
【2日目】 826m幕場(8:00) → 金城山8合目 → 金城山登山口(12:50)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ376号目次