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山スキー・守門黒姫
鈴木 一彦

山行日 2025年4月5日
メンバー (L)荻原、永岡、清水、鈴木(一)

 大集会前の土曜日日帰り山行は、山スキーチームにとってすっかり定番となった。今回、荻原リーダーが企画してくれたのは守門黒姫から破間川源頭への滑降。守門大岳が知られている山域だが、この黒姫や袴腰など、スキーヤーにとって魅力的なピーク、斜面が目白押しだ。
 除雪終了点には5時半ごろ到着。浅草岳方面に向かう人の車がちらほら見られたが、どうやら守門方面は我々だけ・・・と思っていたら、見るからに年季の入った方に声を掛けられ、この方達も守門方面に向かうとのこと。後ほど、袴腰から颯爽と滑る姿を見たのがこのパーティーだった。
 6時ジャストに行動を開始した。いきなりの核心が、破間川を渡る細い橋だ。幅は1.5mほどあるのだが、雪がたっぷりと積もって手がかり無し。見た目より怖い。スキーを背負い、そろりそろりとクリアした。事前に色々な記録を見ていたが、「ここが核心」という記事が多く緊張していたので、ほっとひと息だ。
 橋を渡るとシール歩行開始、快適に歩いて下黒姫沢に降り立つと、経験の浅い自分でも分かるぐらい沢が浅い。びっしりと雪が詰まり、沢というより川のような状態になっていた。当然、小難しい滝などは全て埋まっており、快適な歩行で尾根に取り付く。

見た目より怖い平原となった沢

 ここまで抜きつ抜かれつしてきたパーティーの方がシールトラブルに見舞われたようで、850m辺りから我々が先頭に立つ。ラッセルと言うほどでもない歩きやすい雪面で、快調に稜線に到達した。
 当初の計画では稜線から源頭へ滑り込み、守門黒姫に登り返す計画だったが、時間も早いし、と言うことで、山頂を目指すことになった。稜線部は一部、雪庇が割れた部分等があったぐらいで、歩くのに苦労することはほとんど無かった。快晴の下、右手に浅草岳の雄大な姿、正面には会越の深い山並みを見ながらの至福の時間。だだっ広い黒姫山頂には予定より早い10:20の到着となった。
 山頂で記念撮影の後、滑降モードに切り替えて、いざ思い思いにシュプールを描く。出だしは35度程の斜面。この日はかなり気温が上昇したが、山頂直下の北面は適度に雪が緩む最高のコンディション。あっという間に350mほど高度を下げて滑降終了となった。時間にすると僅か10分ほど。だが、我々はこの10分のために4時間登るのだ!

会心の滑降!

 稜線に登り返すと12時前。かなりのハイペースだ。ここからは来た道を滑り返すのだが、こちらは南面なので雪質は最悪に変わっていた。少し急な斜面ではターンするたびに表層が雪崩、ホコリの溜まった部分では板が止まる。何とか下黒姫沢に降り立つと、沢底は日陰の部分もあり、思ったよりスキーが走ってくれて助かった。あとは例の橋を慎重にクリアして今日の山行は終了。コンディションに恵まれ、守門黒姫を一発でクリア。次は鋭峰・袴腰だねと話しながら、会心の1日が終わった。

〈コースタイム〉
除雪終了点(6:00) → 下黒姫沢下降点(7:00) → 尾根取り付き(7:45) → 稜線到達(9:50) → 守門黒姫(10:20~10:50) → 破間川源頭1030m(11:00) → 稜線(11:45) → 下黒姫沢下降点(13:00) → 除雪終了点(13:45)


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