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沢登り・笛吹川鶏冠谷右俣

山行日 2025年6月1日
メンバー (L)高橋(史)、山蔦 、平井、川口(由)、朴

 当初2日間で左俣を遡行する予定でしたが、1日目が雨天のため、日帰り右俣遡行へと変更になりました。
 前泊は、登山口700m手前のキャンプ場のバンガローです。昼下がりのチェックイン早々に宴会が始まり、雨足が弱まった頃、バンガロー前にある東屋で焚火を起こして、宴会会場を移しました。持参したビールや日本酒2本では足らなくなり、キャンプ場の目の前の道の駅でどぶろくを買い出し、さらに宴会が続きます。どぶろくの威力は抜群で、床に転がる者が次々と現れます。宴会4時間の末、夕食の準備がやっと始まり、食当の心づくしの豚づくし料理(生姜焼き、豚汁)に一同満足して、幸せな夜は帳を下ろします。

 翌朝は5:00起床、6:30出発を目指して、起床直後から食当の私は朝食作りに励みました。メニューはクッパです。みんなどうせ二日酔いに違いないと予想して、サラサラ食べられるメニューにしました。自らもチャーシューを作るぐらい、食の伝道師であるリーダーから、「美味い」の一言を頂け、「美味い頂きました!」と内心ガッツポーズで喜びます。
 予定より20分早く出発でき、元気よく遊歩道と山道を歩いて鶏冠谷出合まで進みます。いよいよ入渓しますが、思ったよりも水が冷たく『できるだけ濡れたくない』が早速合言葉になります。
 今回のルートの概要は、3つの大滝とその間の無数に連続する小滝を遡行し、最後にナメ床の広がるエリアを歩いて脱渓します。その後は、山の斜面をトラバースし、一般道に合流して下山します。
 沢床は褐色で、全体的に苔でヌメヌメのため、フェルト靴が推奨されます。
 前日の大雨により増水したことや、初心者の私向けの配慮で、大滝は高捲きました。楽しみが減ったであろう先輩たちには、申し訳ないです。
 高捲きルートおよび脱渓後、徳ちゃん新道に向かうトラバース道共に、踏み跡が殆どない上に、足元がかなり脆くて悪いです。
 12m魚止めの滝は、水のない水流右側から直登した痕跡がありますが(残置がある)、落ち口の岩が前方にせり出して、乗越すのが大変そうです。この滝は左岸から捲き、懸垂下降で沢へ復帰しました。ナメの小さな滝がいくつか続いた後、現れる10m×20mの「逆くの字」の滝は、右岸から捲き、これまた懸垂下降で復帰しました。

逆くの字の滝40m滝

 その後、ヌメヌメの2,4,6m滝が続き、左俣と別れた後、4m滝を越え、現れる25m滝は左岸から捲きました。捲き道に踏み跡がない中、リーダーのルートファインディングが秀逸で、懸垂下降なしにドンピシャで滝の落ち口上にトラバースできました。これで30分ぐらいは時間が節約できました。
 小滝、4m滝の後、現れる30m滝も左岸から捲き、懸垂下降しました。
 その後、5-10mサイズの滝が連続しますが、これらは直登しました。
 途中、滝の登り口で私が滑りましたが、フォローしてくれていた山蔦さんが、とっさにレインウェアのフードを握りしめてくれたおかげで、滑落せずに済みました。山蔦さんには足を向けて寝られないので、ご自宅の方角を伺ったところ、東とのことでした。その日以来、枕の向きは変えています。
 脱渓直前には、進行方向とは逆側に圧巻の40m滝があります。沢ってかっこいいな、と心の底から思える瞬間でした。

シャクナゲ天国  脱渓後は、前日の大雨のために足元の脆くなった、崩れやすい斜面をトラバースしながら徳ちゃん新道を目指します。ちょうどシャクナゲが見頃を迎えており、咲きたての濃いピンク色のくす玉が一面の視界を覆います。シャクナゲの美しい時期は咲き始めから1週間程度と、とても短いので今回は超ラッキーでした。
 下山後、温泉の後に立ち寄った中華料理屋は、大盛り大盤振る舞いで人気のお店だったようで、手加減なしのサイズのラーメン、主菜、拳の大きさの唐揚げ2つ、マンガ盛りのご飯、スープ、サラダ、デザートのセットがお得なお値段でした。私以外の皆、量の差はあれどもセットにチャレンジし、唐揚げとご飯で漏れなく撃沈していました。この日一番の核心だったそうです。

〈コースタイム〉
【前泊】 笛吹小屋キャンプ場
【1日目】 西沢渓谷入口市営駐車場(6:29) → 鶏冠谷出合(7:08) → 徳ちゃん新道分岐(14:48) → 徳ちゃん新道登山口(16:03) → 西沢渓谷入口市営駐車場(16:31)

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