山行日 1962年4月29日
メンバー 高山
前線が通過のため空は青く晴れ渡り、天皇誕生日に相応しい天候となる。
中央線「猿橋」で列車を捨て、駅前を東西に走る甲州街道を右に曲がり、なだらかに舗装された道をおよそ15分ほど進む。道は左にカーブ、清流にかかる「猿橋」に着く。
橋を渡り左に10メートルほど行った右側に「百蔵山登山口」と書かれた指導標が目に映る。指導標に沿って足を進めると、麦の葉が太陽の光に眩いほどに美しい畑道に出る。付近の農家の庭に2、3匹のコイノボリが風にたなびき、南方には富士山の積雪がキラキラ輝いている。
1時間も歩くと道も畑道から山道、登山道となる。開けた展望の中の急登を続けて1,000mという百蔵山のピークに立つ。頂上は意外と狭かったが、展望は富士はもちろん丹沢、三ツ峠を始め東側には権現山、扇山が、眼下には大槻の街や遠くは河口湖町か古田町まで一望であった。
風を避けるために斜面の草原で腰を下ろし正午前、百蔵山を後に扇山へ向かう。東へ向かい三角点付近より北へ急降下である。右手の扇山が物凄く高くなってしまった。
緩やかな登り下りを続け、宮谷への分岐を右に見送るといよいよ扇山への登りである。付近には山つつじが所狭しと咲きしきる。急坂を一気に登り大久保山へ登り着く。
振り返ると百蔵山より今来た道がうねうねと美しくついているのが目に映る。大久保山より10分ほどで1,139mの扇山のピークに立つ。ハイキング日和の祭日とあって頂上は若い人たちで一杯だ。だが、人数の割に山が汚されていなかったのが我々にとって嬉しい限りである。
頂上からは百蔵山の展望はもちろん近くの大野貯水池、少し離れた相模湖など展望は多種多様である。
下山路は大久保山との中間から鳥沢駅へ下るコースを取る。