山行日 1966年8月13日~15日
メンバー (L)野田、山本(敬)、山本(義)
8月13日 晴のち雨
大町駅からバスで終点の七倉まで行き、見送りの入達の差入れで朝食を済ませる。「うまい」そこから嫌な軌道歩きで高瀬川上流へと向う。水の流れを耳に快調に飛ばし、1ピッチで濁沢小屋に着く。そこから約30分トロッコに乗せてもらい、途中で降り湯俣へ向うが、発電所の調整池の左側を過ぎて行くと軌道歩きも終りになる。
やがて正面に、北鎌、槍の岩肌が見えて来る。「ウワー凄いな」と感心しながら行くと湯俣に着く。ここで、北鎌、槍を眺めながら昼食にする。
ここから右に湯俣川、左に水俣と分かれているが、水俣川上流にと進む。ここまで来れば先は知れたものと差入れのパイナップルを食べながら休憩とする。
晴れていた空が今にも泣き出しそうになって来る。今日のビバーク地点、北鎌沢の出合に着くや激しい雨が降りだして来た。
8月14日 雨のち曇
雨と寒さで午前1時ごろ目を覚まし、バーナーに点火。昨日から降り出した雨は小降りながら降り続いている。滑り易い北鎌沢を1ピッチ2時間でコルに着く。ここから北鎌尾根の取り付きだが、木の根が露出している急登で背中のピッケルがジャマになり登りにくい。稜線に出た頃雨も上がり、北アルプスの山々が素晴らしい。ここで男の人が一人で下山して来た。「一人で下山出来るくらいならたいしたことないな」と3人で話し合う。山々を眺めながら北鎌山頂を目指す。山頂からは、先に登頂した3人のパーティーから「ガンバレ」と激励がとぶ。こちらも手で応答する。ガラ場を過ぎ、北鎌一番の悪場にかかるが、ロープが張ってあり慎重に渡る。あとは悪い所もなく、いつの間にか山頂に立つ。記念写真を撮り槍へ向う。ガラ場の登り下りの落石に気を付け慎重に進む。槍の直下で休憩し、登りにかかる。快適な登りでたちまち槍の山頂に立つ。展望は素晴らしい。槍の下りを無事過ぎ、人波の中快調に飛ばし今日のビバーク点一ノ俣小屋へ向う。
8月15日 曇
午前2時起床、お汁粉を食べながら夜明けを待つ。事故もなく、無事に下山出来たことを山敬さん、野田さんに感謝しつつ上高地へ。途中道が混み合い、バスで上高地から4時間もかかり島々に着く。
8/13 | 七倉(7:30) → 濁沢小屋(8:45) → 東沢(9:20) → 湯俣(11:00~11:35) → 千天の出合(13:15) → 北鎌沢出合(14:40) |
8/14 | 北鎌沢出合(5:30) → 北鎌のコル(7:15~7:30) → 独標(9:30~9:55) → 北鎌平(12:05) → 槍ヶ岳山頂(13:15~13:30) → 肩の小屋(13:45~13:55) → 槍沢小屋(15:30) → 一ノ俣小屋(16:30) |
8/15 | 一ノ俣小屋(5:10) → 横尾(5:45) → 徳沢(6:25) → 上高地(8:15) |