山行日 1967年6月25日
メンバー (L)宮坂、小林、佐藤(史)
1,969mの車坂峠はさすがに肌寒い。この先一帯が高峰高原で冬はスキー場として賑わうらしいが今は霧が深く見えない。さすがの宮坂さんも正装のままでした。峠より火山岩の中を高山殖物に目を奪われているうち小さなピークの車坂山は過ぎてしまいました。ゴーロ状の急な登りが終わるとトーミの頭へ出た。眼下は湯の平高原なるも見えず、切り立った岩から望むと足が震える。浅間山は更に己の姿は浅ましいとばかり一向に姿を見せない。一休みしブラブラと下げてきた桃を食べる。御馳走さまでした。おいしかったわあ、こんな上まで持ってきた甲斐がありました。休んでいるうち晴れ間があり、浅間山を始め、湯の平高原が箱庭のように見えるようになりました。これだけでも来てよかったと思う。
そこからほんの一足で黒斑山、山の頂上というよりは尾根の一ピークに過ぎないような気がします。さっきの卜ーミの頭を見ると岩肌はひび割れていつ崩れ果てるやも知れず、再び肝を冷やす。浅間山を中心に外輪山を蛇骨岳、仙人岳と半円を描き登山口へ近づく。仙人岳付近は広く、また麓から浅間に延びる累々とした岩石がテキサスの平原を想像させる。いよいよ外輪山も終り私達は白禿まで行ってみたが、そちらは鬼押出岩へ通じてしまうので引き返しバンドを下る。ガレ場なので登山道より外れるとガラガラと崩れてゆく。目前に浅間を見ながら新たに登り返すと思うと悔しい。まして雨がポツポツ降り出し止みそうにない。少し登ってお腹が空いたと昼食とするも食べるどころではない。丸坊主の山では雨を凌ぐ場所さえない。3人でこれ以上登っても仕方ないと決め下山。浅間山荘まで広いハイキングコースでした。