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烏帽子岳~角間渓谷
松本 順子

山行日 1971年10月24日
メンバー 原口、松本、大島、石原、広田、境

 男性一人に女性六人というメンバーで上野を出発。高崎で降りたはよいが駅前の木賃宿(後で判ったことだがそこは旅館だった)は満員。仕方なく駅のベンチに座るが寒くて寝れない。寒い朝がきて、長野原線に乗り長野原で下車。なんとも接続悪く、1時間ほど待ちバスに乗る。鹿沢で下り、沢沿いに立派な道路を歩く。バスは旧鹿沢まであるが接続が悪く、歩いたところ10分差で始発バスが埃を立てて旧鹿沢に先に着いた。最近造られた雪山讃歌の歌碑の所に立てられた指導標に沿って小屋の前を通りすぎ、落葉を踏みしめ少しずつ登る。左側の沢にかけられた丸木橋を渡る。左側は大きく視界が広けてカヤトの原がなごやか...。間もなく湯の丸山を左にしてゆるい登りをゆくと角間峠。数人のハイカーが昼寝をしている。この辺は冬はスキー場になるらしく、全くのんびりムードでお天気もよく、お昼寝でもしたいような場所。角間峠まで楽なゆるい登りだったが左に折れて、湯の丸山への急登。30分程登ると傾斜もゆるくなり、三角点のあるゴロゴロした岩のところを通りすぎダラダラゆくとケルンのたくさん積まれた湯の丸山頂に着く。鳥帽子岳には一旦鞍部まで急な下りのあと40分程再び登ると山頂に続く。浅間山や根子岳が意外と美しく、辺りの山々は冬にはスキー場になるらしく雄大なスロープが想像できるようなところばかり...。下りは鳥帽子岳の北側の裏手を下る。しばらく急な下りだが間もなく小さなガレ場、そして辺り一面緑に染ってしまいそうな原生林の中を通り、落葉をカサコソ踏みながら下ると沢に出合う。しばらくゆくと開けたところに出ると真田まで角間沢の音を聞きながらのゆるい下り道を、女の子のパーティらしく綺麗に赤く染まった楓の葉を拾いながら、また紅葉に目を奪われながら歩くこと2時間40分、やっと着いた横沢の町。上田から乗った帰りの電車の中で、長野の農協の団体さん達と仲良くなり、どういう訳か大きな大きな紅玉という高価な林檎を頂いたのです。旅は道づれとか何とか言っちゃって。湯の丸山はおだやかな小春日和のカヤトの休息と汽車の中でおじさんから頂いた大きくて紅い林檎の思い出の山でした。


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