• 新概念の導入について
  　グレードという言葉は、登山における分野で広く用いられており、ルート、ピッチの総合的困難度を、その難易に応じて格付けする事をいう。又、その格付けがある一定の基準のもとに体系化されている場合、それをグレード体系と呼称する。ここで発表する温泉グレード体系は、同じ趣味をもつ者にとっては初めての試みであり、これがより客観的なものとなるためには、時期尚早の感がなきにしもあらずではある。しかし、易から難へと自己の目指す温泉をグレードアップしてもらうため、或は、自己の実力にあった温泉を選択する一助となることを願って、あえてここで発表させていただいた。
• グレード体系
  　三峰山岳会温泉グレード体系は、次の三つの基準によって構成されている。
  1. 東京を起点とする基準であること。
     例えば同じ4級でも、東京都と温泉に近い長野県とでは、そのアプローチの困難度が違う。
  2. 上限設定がなく、上に向かって開かれていること。
     つまり、6級以上の概念の導入が可能である。
  3. グレードの決定は、次の六つの要因を分析し得るものとする。
• グレーディング決定の要因
  1. 東京から、その湯船までの所要時間。
  2. アプローチの方法、アルバイト(車か、徒歩以外の方法はないか)。
  3. 雰囲気と自然環境とマッチした景観、眺望(古くからあり、檜風呂や露天風呂、または無料の共同風呂などが良い)。
  4. 入浴時に必要とされる体力(熱い湯や、連続入湯が一般的な場合、必要)。
  5. 現地でのアルコール入手の難易度。
  6. 妙齢の女性と混浴できる可能性の有無。
• 参考グレーディング基準表
  

  級	山域	温泉名	旅館名	コメント
  1級	丹沢	七沢温泉	玉川館	広沢寺のゲレンデの帰りに行ける。大山の帰りも可、豪華檜風呂である。
  2級	谷川	谷川温泉	水上山荘	男女露天風呂あり、アルコール類の持ち込み自由。
  2級上	八ヶ岳	上諏訪温泉	片倉館	洋風の共同風呂、砂利敷きの浴槽、諏訪湖の展望良。
  3級下	群馬	尻焼温泉		川全体が広大な露天風呂、水量に依存し、雨天時不適。
  3級	後立山	大町温泉	薬師の湯	大露天風呂や砂風呂、体験入浴有、北アルプスの展望良。
  3級上	那須	三斗小屋	煙草屋	ランプの宿、露天風呂有り、推薦、強風下の冬期峰の茶屋越え。
  4級	志賀	渋温泉	共同風呂	厄除け巡浴、九つの外湯めぐり、連続入湯ベテラン向き。
  4級	白馬	鑓温泉		2050mの日本一高い露天風呂、風呂からの御来光可。
  5級	秋田	泥湯	湯滝	日本三大霊場、河原毛地獄下降、豪快な滝の露天風呂、ルート悪絶。

附録. 独断と偏見で選んだ温泉ベスト3ワースト3