雪が好きで"何となく冬山を始めてみようかな"という安易な考えがまちがいだった。
31日、日頃の運動不足と慣れないリュックの重さでバテぎみだったけどそのまま硫黄岳に登った。途中何度も"もうここまで"とあきらめている私をだましだまし山頂まで連れて行ってくれた小林さんに感謝。でも結局ずっと話をしながら登った小林さんのパワーには頭が下がります。山頂は風が強かったけれど広々として気持ちよかった。
元日、吹雪の中赤岳。今日は停滞と喜んでいた私のまわりではみんな黙々と出発の準備をしていた。"どうなるのかなぁ"と思っていると山頂に近づくにつれすごい寒さと雪で眉毛やまつ毛が凍ってしまい、目があいていられないほど息をするのも苦しい。ただ、ただ、真白な世界。小屋でお茶を飲みひと休みして赤岳鉱泉にもどった。
頭の中は帰ることでいっぱい。リーダーに1日早い下山の許しをこうがあっさりかわされる。もしあの時"勝手にしていいよ"と言われていたら私は二度と冬山に入ることはなかったかもしれない。
2日、昨日とは打って変ってすごくいい天気。本当に山の天気はわがままです。今日は阿弥陀岳。体調も今日が一番楽みたい。山頂からの眺めを期待しながら登ると、まずは富士山がくっきり、それから硫黄岳の山頂、南・北アルプスの山々。お年玉をもらったような気分。1時間ぐらい遊んで食べてのんびりと。
3日、天幕をたたんで帰るのみ。美濃戸口に着くまで何度転んだことか。でもすべて終ってみると"楽しかった"。