三峰は60周年、そして私は数えたら山に登りだして20年たっていた。もともと歩くことは好きだったが、ハイキングは好んでいく方でもなかったし、富士山位しか子どもの頃の登山は記憶がない。
　初めて登った北アルプスの槍ヶ岳とそこから眺めた北鎌尾根を見て以来そうした山に登ってみたいという望みで、三峰にも入り結構登ってきた。最近は子どもと遊んでいる方が多くて山もルームもさぼりがちだが、決してその夢はさめたわけではない。
　その昔一人で北アルプスのあまり人の来ない山を縦走した頃、あのルートとあの山をいってみたいと思っていたところは未だに実現していない。当時は独身で、グループで登ったり、夫婦二人での山行なんかいいなぁと思ったりしていたが、今では妻と行くと絶対にシュラフの中で喧嘩して、三峰で行くと酒ばかり飲んでどちらも結局山を見ずとなる。また、子どもが北アルプスでも登れるように大きくなったらとも思うが、そのころは子供は親と一緒に登るより、さっさと友達と行ってしまうのだろう。
　三峰の幾多の先輩が山を愛しての60年の歴史に思いを馳せ、私の純粋にそうした山に登りたいという初心も強固に忘れずにあるので、20年を経てその夢をいつ実現しようか、三峰の仲間と酒を酌み交わしながら考えたい。