今回装備担当でメンバーに参加しましたが、担当とは名ばかりで若手隊員にまかせてしまった形になりました。また私も含めて6000メートル峰の海外登山の経験が無いため、試行錯誤をしながら打合せを行ないました。そこで報告書、案内書に目を通したり、また井上(博)氏の知人のガイドに色々アドバイスを受けたり、現地に問い合わせしたりでメンバー全員で取り組みました。
　打合せは、筑波大学での低圧訓練の帰りに行い、メンバー全員で行う為世間話になったり横道にそれたり、時には大声で意見交換をしているので周りの客からへんな目で見られることもしばしばあり、なかなか結論が出なかったと思います。
　基本的には、日本の冬山装備で十分対応できるようなので現在会や個人で使用している装備を持って行く事にし新品の購入品を減らしました。また、重量を全部含めて一人40キロ位にする為余分な物は切り落としたが、隊員によって40キロを越えた者もいたようだ。装備の点検、梱包等は鈴木(章)宅にて行い、時には泊りがけになった時もあり、鈴木(章)さんには本当にご迷惑をかけすみませんでした。また場所の提供ありがとうございました。
　装備について多少気が付いた点にふれておきますと、まずテントが一番問題に上がり、居住性、耐風性を考えるとイシイのドームテントが最適との事になり新規購入をしました。結果的にはエスパースより、少々重く、かさばるみたいだが、居住性、耐風性は申し分なかった。スコップ、スノーソウについては大型の物が有効である。国内ではほとんどスノーソウは使用しないので慣れていない為小型の物を使用したが時間的に労力をしいられた。外人隊は全ての物が大型の物を使用していた。竹ペグはほとんど使用せずピッケルやスノーバー、竹ざお、また氷やブロックを利用した。バーナー等はコールマンのピークIとMSRを使用したが、別に問題はなかったが、低温の為しっかりプレヒートしないとよく気化しない。もちろん予備パーツも持っていった。ガソリンは12ガロン現地購入をしました。心配だったので多少多目に持っていったがけっこう残ってしまった。コッヘルは大きなものを用意しました。フライパンはステーキを焼くのに必需品です。トランシーバーは、パーティー間の交信はアマチュア無線を使用し、レインジャーとセスナとの交信にK2社よりCB無線をレンタルしました。梱包袋と標識用赤布は鈴木(章)さんのお手製でとくに梱包袋は防水用の布地で大小多数作っていただきとても重宝しました。ろうそくについては白夜なので照明用には必要ないがビバーク時の暖房としては使えると思う。足まわりには、靴はダブルシューズにICIオリジナルオーバーブーツを使用した為冷えを感じることはなかった。スキーはクレバス対策やラッセルにはとても有効であるが、行動中はザイルで二人一組で結び合っている為、下降時は二人の息が合っていないと少々やっかいである。ソリは現地でレンタルし荷物の運搬にはとても重宝するが、これも下降時にはわずらわしくなる。クレバスの脱出用としてスノーバー、バイル、ユマールに最低限の登攀具を用意したが、幸い脱出用では使う事はありませんでした。ヘッドウォールにフィックスザイルが張ってあり登下降時にユマールを使用します。晴れると日差しの反射が強い為日焼け止めクリーム、リップクリーム、日除け帽子とサングラスは必携。長い期間山に入っていると会話が少なくなり無口状態が続くので、マンガ本や週刊誌は気分をまぎらわせてくれる。以上気が付いた点を列挙してみました。
　出発や帰国の際荷物の運搬を田原会長また会員の方々に手伝っていただき、ありがとうございました。また個人的に装備を貸していただき助かりました。この紙面を借りてお礼申し上げます。誠にありがとうございました。