山行日 2008年9月20日~23日
メンバー (L)鈴木(章)、藤井、飯塚、深谷、古野、小山
会社のハイキング部那須茶臼岳からの帰りに携帯にメールが届く「飯豊山行の原稿できましたか?三峰岩つばめ委員より」ギョ!そうであったA子さんと約束していたのだ、すっかり忘れていた。しばらくして、帰りのバスの中、少しずつだが飯豊を思い出してきた。
「こっちにおいでよ~、天国だよ~」
「素晴らしい眺めだよ~」
「アルプスの草原だよ~」
長者平の草原の向こうから3人(A子、T子、Y子)がアルプスの娘ハイジのように歌いながら、手を振って我々に呼びかける。360度の大パノラマ、全方位どこを見渡しても視界は良好、遥か遠くに佐渡ヶ島から朝日連峰、そして南側の稜線を振り返ると歩いて来た地神山その後方に飯豊山が見える。いくら眺めても飽きることはなかった。ついに来たんだ飯豊連峰北端の地、杁差岳(エブリサシ)。
1日目
新宿から夜行バスで会津若松、乗り継いでJR山都駅、そしてタクシーで川入キャンプ場に入る。管理小屋、炊事場と綺麗に管理され、夏は子供達のキャンプで賑うのだろう。身づくろいをして登山口よりなだらかな道を歩き始める。紅葉にはまだ早いがブナ林や潅木が少しずつ色づき始めている。陽射しは強く横峰小屋跡を過ぎ一汗かいた頃に、峰秀水で冷たい美味しい水を飲む。岩場の剣が峰を越えて三国岳避難小屋(無人)に着く頃には、ガスで眺望がなくなる。そこからは稜線歩きでハイキング気分「まつむし草」などの草花を見ながらゆっくり歩き、種蒔山を過ぎると斜面に雪渓が見えて切合小屋(キリアワセ)(泊り2500円/人)に到着。小屋前の蛇口からは水が溢れでている。夕方にはガスが晴れ、夕陽で真赤に染まる空をバックに、大日岳が黒く雄大な姿となって浮き立ってきた。kさんはロマンチックにずっとそれを眺めていた。
2日目
残念ながら雨と強風の稜線歩きとなる。飯豊山頂は標識だけ見て早々に撤退、御西小屋付近の風雨は一層強くなり大日岳は断念する。ヤモリに似た小型山椒魚や大きなカタツムリに出会いながら烏帽子岳を越え、コンクリート造の立派な梅花皮小屋(カイラギ)(泊り1500円/人)に到着。水場は50m程歩いたところにあり、豊富に水が流れている。小屋の北側斜面は石転び沢雪渓で、雪は見えないが急勾配で危ない感じ。
3日目
飯豊連峰中央部の雄、北股岳の山頂を越え門内小屋から地神山、頼母木小屋(タモギ)に到着。雨は上がり青空が見えはじめ大石山、鉾立山が見える。小屋前の水場はホースから水が溢れ出ている。杁差の水場は当てにならないようで、ここで給水する。マツムシソウの花は終わりでトリカブトが花盛り。岩イチョウやナナカマドの実も色づいている。13時杁差小屋到着、わびしい雰囲気である。管理人はボランティア活動の有志で、泊りは無料、ありがたい。他には親子3人パーティのみ。小屋から5分程で杁差岳だ。青空も広がり風もおさまって、のんびりと1時間以上山頂で大パノラマを満喫する。いつまでも飽きない。夜になると新潟平野の夜景が美しく、空は満点の星空、天の川が大きく輝きを増している。昼は地球の大パノラマ、夜は宇宙の大パノラマに感動し、杁差岳は飯豊連峰の最高の日となった。
また、稜線上にある山小屋は綺麗に管理され水が豊富で、水洗トイレにも驚いたが、門内小屋と頼母木小屋の自転車付バイオトイレにも驚き、「前20回、後20回漕ぐこと」と注意書があり、そのトイレ空間で自転車漕ぎしている自分が笑えたが、飯豊連峰の環境を大切に守ろうとしている山小屋の人達の努力にも大きな感動を覚え、管理の方々に感謝申し上げます。
9/20 | 会津若松(05:31) => 山都 => 川入キャンプ場(07:00) → ブナ坂 → 笹平(09:05) → 横峰避難小屋跡(09:25~09:40) → 峰秀水(10:00~11:05) → 三国岳(11:10~11:30) → 種蒔山(12:45) → 切合小屋(13:00) |
9/21 | 切合小屋(06:00) → 草履塚(06:30) → 御秘所(06:45) → 本山小屋(07:00~07:30) → 本山山頂(07:35) → 御西小屋 → 御手洗ノ池(11:10~11:25) → 梅花皮小屋(13:20) |
9/22 | 梅花皮小屋(06:40) → 北股岳(07:05) → 門内小屋(08:00~08:35) → 地神山 → 頼母木山(10:10) → 頼母木小屋(10:25~11:00) → 大岩山(11:15) → 鉾立峰(12:00) → エブリ差小屋(13:00) |
9/23 | エブリ差小屋(05:40) → 鉾立峰(06:20) → 大岩山(06:50) → 足の松尾根 → 姫子ノ峰(09:10~09:30) → 林道(10:05~10:15) → 奥胎内ヒュッテ(11:00) |