山行日　2011年8月13日～17日
メンバー　(L)星野、YUKI

【8月13日】
　新宿から「さわやか信州号」に乗り、扇沢へ向かう。同じバスに上ノ廊下チームも。扇沢からアルペンルートを乗り継ぎ、室堂経由で剱沢のテン場へ。警備隊派出所に雪渓の状態や八ツ峰取り付きの情報を、小屋では天気を聞いた。最終日まで天気がもつ見込みと聞き安心。また、この時期の午後は毎日のように雨が降ることを教えてもらった。この日は終日天気がよく、剱岳を眺めながらうとうと昼寝、心地よかった。

【8月14日】
　幕場より熊の岩へ。長次郎谷は長く感じた。しばらく登ると岩に人が群がっているのが見え始めたが、そこからも遠かった。
　幕場からフェース群を観察していたが、Cフェースから人が減る気配はなかった(ルートを間違えたパーティがあり、混雑していたと後から聞いた)。予定のCフェース剣稜会ルートから、空いているAフェース魚津会ルートに変更し1本登った。懸垂下降時、用途不明な残置ロープがあり、邪魔だった。下降しながら翌日の5峰下降ルートを観察。どこを降りるのかさっぱりわからない・・・、と眺めていたら、ちょうど下降する3人組がいてじっくり観察させてもらった。
　彼らとは「剱岳の岩場」という本をきっかけに話が盛り上がり、所属や名前まで教えていただいた。幕場に戻るとテントがかなり増えていた。まもなくすると荻原組が熊の岩に到着した。

【8月15日】
　八ツ峰下半部へ向かう。取り付きには昨日の3人組が幕を張っており、声を交わした。
　雪渓を越えるとスラブが続いている。右側のスラブを避け、左側の草つきにルートをとっていたら2峰と3峰の中間に出た。稜線上、何ヶ所かルートに悩むところもあった。
　源次郎尾根は混雑していたが、こちらは誰もいなかった。たくさん花が咲いていて和んだ。
　5峰の下降ルートは前日眺めていたよりも明確だった。5-6のコルから翌日の取り付きを眺めるも解が出ず、上半部の縦走は中止とした。テントを撤収し、全ての荷物を持っての縦走は困難との判断もあった。
　テントに戻ったころガスが漂いはじめ、雨も降ってきた。雨の中、荻原組が登っているのが見えた。夜、テントにお邪魔すると晩ごはんをご馳走してくれた。

【8月16日】
　テントを撤収し、池ノ谷乗越経由で本峰へ。例年より雪が少なく、途中からは谷右端のガレをアイゼンを脱いだまま詰めることができた。晴れていれば、三ノ窓まで降りてチンネを下から見る予定だったが、乗越から見上げても全部が見えないほどのガスで諦めた。乗越から本峰まではガスでルートがわかりにくい。どこも歩けそうで、歩けなさそう。同じように試行錯誤していた一行がいた。懸垂下降を1回(ロープを使わず、他の場所から降りることも可)、最後の登りを経て本峰到着、一段と真っ白だった。温かいコーヒーを飲みのんびり。剱沢へ下る途中、雨が降り出した。剣山荘あたりから本格的に降り、剱岳小屋まで戻ったときには全身ぐしょ濡れ。小屋の玄関で雨宿りをしたがやむ気配もなく、諦めて幕場に戻った。

【8月17日】
　小雨の中を出発。濃いガスの中、雷鳥4-5羽の集団登場。足元を駆け回る無防備な姿に、リーダーがこの山行一番の笑顔を見せた。室堂までは往路と別ルートと思い地獄谷を通ったら、有毒ガスで息ができなくなり動けなくなって驚いた。ぜん息、気管支に疾患のある人は立ち入らないように、という注意書きは誇張ではなかった。
　室堂からは大町温泉郷の薬師の湯(600円)、信濃大町駅前のお食事処「三洛」に寄り、東京に戻った。