山行日　2019年4月29日～5月2日
メンバー　(L)小幡、清水、石毛

　栂海新道を歩いて日本海へ...一度は歩いてみたいと思っていたコース。小幡さんから「行ってみるか？」と聞かれて二つ返事で参加を決めました。結果は残念ながら天候不良のため敗退となってしまいしたが、せっかくなのでその記録を残したいと思います。

【4月28日】
　バスタ新宿23:05発のバスに乗車。
　途中信じられないくらいの轟音で目が覚める。どうやら斜め前の男性のいびきのようだ。耳栓が全く役に立たない...寝れない...。

【4月29日】
　6:00栂池高原着。身支度を整えてゴンドラが動き出す、8:00までバス停で待機。8:30頂上駅着。
　みんなバスの中でのいびきに苦しめられていたようで、寝不足のためゆっくりペースで歩く。12:00頃白馬乗鞍岳の頂上に着く。
　計画書では今日は白馬大池泊だが、2日目以降の予定を考えるとできるだけ進めておきたいと意見が一致し、白馬大池には下りずそのまま船越の頭を目指して歩き始める。
　急登を登り終えたところで休んでいると、あっという間に天候が悪化しホワイトアウト状態に。このまま進むのは危険との判断で白馬大池に下りることに。白馬大池小屋から少し上がったところに幕営。ラジオの天気予報は翌日のさらなる天候悪化を伝えていた。

【4月30日】
　小幡さんの「テント潰れるぞ！」の声で目が醒める。積もった雪にテントが押されて変形していた。小幡さんが外に出てテントの周りに壁を作ってくれた。外に出ると吹雪で視界ゼロ。停滞が決定。
　この日は平成最後の日、ラジオから平成天皇最後のお言葉が流れている。テントの中、ラジオで聞くその様はまるで昭和。丸一日テントの中で過ごすのは初めてで最初はワクワクしていたけどすぐに飽きる。こんな事もあろうかと持参したナンクロを取り出し小幡さん、清水さんも一緒に黙々と解く。
　合間に私は体幹トレーニングをしようと思い立ちスペースを確保。限界まで追込み「うぅっ」と声をあげて倒れ込む。小幡さんも清水さんもとても迷惑だったと思う。優しい2人は何も言わず黙々とナンクロを解く。テントで過ごした平成最後の日。

【5月1日】
　前夜の天気予報から予定通り栂海新道を踏破するのは難しいとの判断で撤退が決定。しかしこのまま帰るのではあまりにも寂しいからと、白馬岳へ行く事になった。
　この日の天気は雨。時おり強い風が吹きつける中、黙々と白馬岳を目指す。三国峠に着くと、朝日岳そして栂海新道へと続く稜線が見える。「行きたかったなー」と素直な気持ちを口にして次回のリベンジを誓う。三国峠から1時間程で白馬岳に登頂。令和初登頂を喜ぶわけでもなく写真を撮って滞在時間5分程で下山開始。
　13:00頃に幕場に着くと晴れ間が出て、初めて白馬大池小屋を見ることが出来た。小屋の横にはテント数張り。
　夕飯まではまだ時間があるので私と清水さんはテントの中でのんびり過ごし、小幡さんはスコップ片手に工事開始。夕飯前にはビックリする程立派なトイレが建設されていた。噂には聞いていたがこれ程とは...感動。令和初感動。
　20時過ぎ、寝る前にあの立派なトイレを使わせて頂こうとテントの外に出ると上の方からヘッデンがふたつこちらに近づいて来る。ビックリして暫く様子を見ていたら男女二人組がやって来た。女性の方が「栂池はどっちですか？」と聞いてきたので「栂池？リフトの駅ですか？」と聞き返したら「そうです。」と言うのでまたビックリ。これから歩いて2時間はかかるのに？そもそもどこから来たの？と色々聞きたい事があったが、そこで大事な事を思い出した。私はトイレに行きたかったのだ。白馬乗鞍のケルンの方向を伝えて「お気をつけて」と見送る。しかし二人組は数メートル歩き出したところで何やら話合いを始めている。どうやら男性の方がすぐ下の小屋に幕を張った方が良いのではと主張しているらしい。どちらでもいいから早く立ち去って欲しい。5分ほどで二人組が立ち去ると急いでトイレへ。無事就寝。

【5月2日】
　5時起床。この日も外は吹雪だったが始発のリフトに乗る予定で6時に出発。白馬乗鞍岳を下り天狗原に着くと天気は急に回復して青空が見えた。その後はどんどん高度を下げ頂上駅に到着。栂池高原スキー場へ向かう始発のゴンドラに乗車することが出来た。

　今回は残念な結果終わってしまいましたが、是非もう一度チャレンジして栂海新道～日本海を目指したいと思います。