山行日 2022年4月17日
メンバー (L)佐藤(明)、他1名
月山はすその大きく広がる緩やかな山容が特徴だ。今回のルートは月山頂上から北に向かう緩やかで長大な尾根を、北月山荘までの距離12kmを滑るというものだ。全くの登り返しなしでこの距離を滑れるのは、日本国内ではこのルートが最長と云われている。
しかしながら月山の山塊は巨大で入山口と下山口が大きく離れるため、クルマの回収がネックである。今回は三峰からの参加者はあいにくいなかったが、地元酒田に住む均ちゃんが同行してくれることになり、彼のクルマも動員しての山行となった。
まずは前日、下山口の北月山荘で彼と落ち合う。既に周囲は今までに経験したことのないほどの多くの残雪で期待が高まる。ここに自分のクルマをデポし、彼のクルマで2時間半も走り、入山口となる姥沢の駐車場で車中泊とする。
午後の雨まじりのお天気とは打って変わり、出発前夜は星が輝き風も弱い。明日の山行は成功の予感で気分も高まる。
朝5時に起床。既に快晴で目前の朝日連峰の残雪もピンクに輝いている。リフト稼働前に出発。牛首まではシール登行。そこからはアイゼンで月山山頂を目指す。しかし頂上手前でリフト利用の足の速い若者パーティに抜かれてしまったのがくやしい。
頑張った月山山頂では大展望が待っていた。北には鳥海山の秀峰が、東には葉山、そして蔵王や朝日連峰の山々がぐるりと取り囲む。さあ、鳥海山の方角を目指して滑降開始だ。
幸い雪は適度に柔らかくなり、ザラメで滑りやすい。先週末、10名位のパーティが滑ったらしく、そのトレースが要所に残り、ルーファイが楽になるのはありがたい。それにしても稜線の残雪が少ない。山麓の雪は豊富なのに、上ではヤブが所々に出ており、その上をスキーで藪コギ。また驚いたのは雪面のクラックの多さだ。通常グライドクラックは傾斜の大きく変化する場所に出来るものだが、緩やかな斜面でもアチコチ割れている。前月に付近で大きな地震があったため、その際に雪が動いたらしい。
40分程滑った弥陀ヶ原でさっそくビール休憩。その後、自動車道沿いに少し下り、1,206mより北月山荘への尾根に入るべきだが、先行パーティは尾根を行かず谷に降りている。さんざん悩んで自分たちもそのトレースを追うことにしたが失敗。下りすぎて登り返しになってしまった。幸い我々は二人ともステップソールなため、シールを張らずにそのまま登り、1,111mで尾根に戻ることが出来た。その先も快適斜面が続き、三角峰の西側の斜面から鶴巻池に下降。ずっと雪が続いていたおかげで北月山荘前までしっかり滑り下ることが出来た。
クルマを置かせてもらったこともあり、ここで入浴し地元食材たんまりの御膳をいただき、姥沢に戻った。
姥沢~月山山頂 距離 5.5km 標高差 830m 時間 3h20m
月山山頂~北月山荘 距離12km 標高差 1,600m 時間 2h20m
〈コースタイム〉
姥沢駐車場発(6:20) → 月山リフト上駅(7:30~7:40) → 牛首(8:40~8:55) → 月山頂上(9:40~10:20) → 弥陀ヶ原(11:00~11:20) → 北月山荘(12:40)