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山スキー・火打山~焼山北面台地(影火打北西滑走ルート)
荻原 健一

山行日 2023年3月19日~20日
メンバー (L)荻原、永岡、斎藤(吉)、清水

 2年前のこの時期は火打山~澄川滑降(これは成功)、昨年は今回と同じルートに挑戦するも火打山の山頂直下で悪天のため無念の敗退、そして今回と3年連続での火打山の北面滑走ルートへのトライとなる。山スキーヤーにとって火打山からの澄川滑降や焼山北面台地への滑降は憧れのビッグルートなのだ。今年は平日休みをとって4連休とし、この中で天気の良い2日間でトライする万全の計画とした。4連休の初日は大雪、2-3日目が絶好の好天予報であり、この2日間に狙いを定めて出発する。

頚城三山 【3月19日】終日快晴
 前夜はいつもの宿で仮眠。清水チームと名乗れば優しくしてくれる。妙高杉ノ原スキー場に移動しリフトトップからスタートする。今回は3度目にして初めて第三高速リフトが動いているので楽ちんだ。時間にして1時間半、標高差で500mのアルバイトを省けるのだ。疲れてないので三田原山への登りもあっと言う間に感じる。三田原山から黒沢池までひと滑りして茶臼山南西のコルに登り返す。コルからの頚城三山(火打、影火打、焼山)は何回見ても美しく、これを見るためだけに毎年ここに来ても良いくらいだ。ここから少しの高谷池ヒュッテを今宵の宿とする。今夜は総勢11名の賑やかな夜となる。

火打山頂にて 【3月20日】終日快晴
 今日も朝から快晴で素晴らしい光景が眼の前に広がっている。火打山を南側から西に向かってトラバースするように登っていくが、上部が凍っているので途中からクトーを付ける。山頂直下はツボ足アイゼンのシートラかな?と思っていたが、二日前の雪が乗っていてスキーのまま問題なく山頂まで上がる。
 二年前と同じ大展望を楽しんだあと、さぁーいよいよ焼山北面台地に向けての大滑降の始まりです。山頂からコルまではパック気味だが、影火打の北面に入るとプチパウダーで気持ちが良い。影火打北面2,290m台地状を西へトラバースして北西に延びるルンゼに入るが、これをこのまま降りていくと60mの滝の上に出てノーマルヒル並みの大ジャンプ?になるとのことなので、2,130mあたりからスキーヤーズライトの尾根に乗りしばらく尾根上を滑る。日当たりがよく途中からモナカになってくる。2,000mくらいで更に右にトラバースしたルンゼ地形に入るのが正解でここらへんのルーファイ力が問われるルートでもある。

影火打の上部滑走焼山北面台地へ向かって

 このルンゼは氷化、デブリ、崩れやすい重新雪と悪雪百貨店状態でメンバー全員なかなか苦労する。1,750mの左からの緩やかなルンゼを合わせた二俣でようやくひと息。ここからは緩斜面を素晴らしいロケーションの中、ひたすら滑っていく。1,325mあたりで賽の河原を横断(ここは登りで一旦スキーを外した)し、一昨年滑った焼山北面台地ルートと合流する。

焼山をバックに滑走成功の万歳三唱

 あとは知ったルートをこなして昼過ぎには笹倉温泉に到着し、温泉→バス→電車→タクシーを経て基点となる妙高杉ノ原スキー場に戻り、今山行も終了となる。翌日も祝日なので宿でもう一泊となり、大焼肉大会&打ち上げの最高の夜を過ごすことが出来た。
おしまい。

旅の終着駅
〈コースタイム〉
【3月19日】 杉ノ原スキー場・第三高速リフトトップ(9:40) → 高谷池ヒュッテ(13:30)
【3月20日】 高谷池ヒュッテ(7:40) → 火打山(9:20~9:50) → 笹倉温泉(13:00)

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