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雪山登山・傘寿、喜寿で八ヶ岳
箭内 忠義

山行日 2024年2月26日~27日
メンバー (L)箭内、天城、別所

 例年シニア隊は年末に八ヶ岳に行っていた。2023年末も行く計画を立てていた。ところが行く直前になり、箭内が頭部の手術をすることになってしまった。硬膜下血腫というやつだ。仕方ないなあ、八ヶ岳は中止となってしまった(天城さんが単独で行った)。
 残念な想いを抱えて年を越した。しかし、箭内の手術後の経過がよく、2月には動けるようになってきた。よし、八ヶ岳の決行だ。雪はある、雪歩きを楽しもうと縦走の計画とした。縞枯から茶臼、白駒を越え稲子湯までだ。
 計画書を作成していてびっくりした。別所さんは80歳傘寿であり、天城さんは77歳喜寿になるのである。素晴らしいことだ。3人の年齢を足すと231歳となる。

【2月26日】快晴
アニマル別所、快調に進む  茅野駅10時集合である。皆さんあずさ3号に乗り茅野駅に集合した。駅からタクシーで北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅まで行った。(タクシー代1万1千円)連結がよく、11時のロープウェイに乗れた。
 11時15分、山頂駅からいよいよ今回の八ヶ岳縦走のスタートだ。内心今夜の宿、白駒荘まで明るいうちに着けるかなあと心配な気持ちがあった。何しろ合計231歳だからなあ。
 先頭は傘寿別所さん、2番目は喜寿天城さん、どん尻は箭内だ。別所さんは普段はプールで泳いている。市の水泳大会にもシニアの部に出で優勝するほどの力の持ち主だ。天城さんは、昔ウルトラマラソンに出ていたが今は走ることが厳しくなり、水泳でトレーニングをしているらしい。
 縞枯山荘を過ぎ、縞枯山の分岐まで歩いて休憩だ。12時になっていた。ここからが登りだ。コメツガ、シラビソの樹林の中を一歩一歩踏みしめていった。雪山の空気は冷たくて清々しくて気持ちがよい。シニア隊は無理はしない。30分に一本休憩をとっていった。
 縞枯山の頂上には13時についた。頂上は何の展望もない。ただ縞枯山頂上の標識があるだけである。眼下に広がる展望を期待して展望台まで休まずに歩いて行った。

シラビソ樹林の登り休憩は有難い展望台まで来ると人が登ってきた

三人の勇士  疲れてしまうので本当の展望台には行かず、展望台を左手に見て、次の茶臼山に向かった。何しろ白駒小屋には3時過ぎには着きたいと思っていたからだ。(最初は高見石小屋を予約した。しかし、3時までに小屋に着いて欲しいと言われた。3時到着は無理なので小屋を高見石小屋からより距離がより近い白駒荘に変更した)
 茶臼山は縞枯山よりも登りが短く楽に登れた。14時茶臼山到着。
 茶臼山からは下りだ。大石峠からさらに歩きやっと麦草峠に着いた。このあたりでもう疲れてしまった。麦草峠の広々とした雪原で休憩だ。
 もう、あまり歩きたくないなあという気持ちを奮い立たせて、天城さんが先頭に立ち歩き出した。別所さん、箭内も天城さんを追うように歩き出した。
 白駒荘は2年前にも泊まった小屋だ。建て直したばかりの綺麗な小屋だった。ビールだビールだと呪文のように唱えながら疲れた体にムチをうち歩いて行った。白駒池が近づくと シラビソの樹林がとても濃くなってきた。夏には辺りは一面苔でおおわれている場所だ。天城さんは快調に飛ばし先頭で歩いて行った。
 濃い樹林の隙間から真っ白に凍った白駒池が見えたときはホッとした。やっと白駒荘に到着だ。時間は3時15分。思いのほか早く着いた。
 白駒小屋は本館を予約したが、泊まる人が少なかったので新館の部屋に泊まることができた。(本館12,500円、新館15,500円)食事はよかった。お風呂にも3人で湯船につかることができた。
 コースタイムでは170分だがシニア隊は245分かかった。コースタイムの1.44倍の時間がかかったことになる。そんなもんだろう。

白駒荘の食事はお肉です

【2月27日】
 最初の計画は、白駒荘からニュウの山麓を通り、シャクナゲ尾根を登り稲子湯にいく予定だった。しかし、白駒荘の人はそのルートは誰も人が入っていない、赤布もどの程度ついているかわからない、止めたほうがいいと言いう。その助言を聞き、下山ルートを高見石から賽の河原を通り渋の湯に降りるルートに変更した。
 8時、外の気温はマイナス12度だ。二日目も喜寿の天城さんが先頭をどんどんと歩いて行った。高見石への分岐のところで稲子湯に迎えを頼んだタクシー会社に連絡し、迎えをキャンセルした。分岐のところが電話が通じるところだったのだ。キャンセルの連絡ができ、ほっとして高見石に向かい緩い登りを歩いて行った。周りはシラビソ、コメツガの樹林だ。9時、賽の河原方面への分岐に着いた。ここからが歩きにくい岩場のルートだ。
 賽の河原に踏み込むが、いつもなら足が岩の隙間にボコッ、ボコッとずり落ちてしまい歩きづらいのに今回はスムーズに歩けた。岩の隙間に雪が詰まり隙間が埋まっていたのだ。そのためさほど苦労なく歩くことができた。
 天気は途中雪が舞い、回りが真っ白になることもあった。
 11時45分、渋の湯に到着した。
 タクシーを呼び茅野駅まで行き、打ち上げをした。
 コースタイムは130分だが、シニアは225分だった。1.73倍だ。そんなもんだな。

賽の河原を進む渋の湯の前で荷物整理

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