山行日 2024年9月13日~16日
メンバー (L)大瀧、菊池、佐藤(明)、和田、平井
「黒部の山賊」を読んだり当時の写真を目にする中で、伊藤新道を歩くことを主目的とした山行計画を立てたいと思っていた。その中で昨年に続き今年も雪が少なかった事から、水量が少ない今がチャンスということで計画を立てることにした。いくつかルートの候補を出す中で、当初は伊藤新道~裏銀座か伊藤新道~竹村新道で検討していたが、調べていく内に第五吊り橋から先もそのまま湯俣川を進み弥助沢から三俣山荘に登り詰める記録を見つけた。そのルートだと魚を釣りながら遡行することも可能なため、今回のテーマである『黒部の山賊に思いを馳せて』にピッタリだということで今回のルートに決定した。
■9月12日(木)
都内から七倉山荘手前の駐車場に向けて出発。夜中の2時頃に到着した時には既にかなりの数の車が停まっていた。16日まで天気も快晴予報(一部夜に小雨が降るくらい)だったため、絶好の登山日和ということもあるが、改めて人気の山域なんだな~と感じた。
■9月13日(金)
朝5時に起床し6時始発のタクシーに乗るべく乗車位置に向かう。我々の前には既に4名の登山客がいた。それから続々と登山客が増え、あっと言う間に30名ほどの人数まで膨れ上がった。我々は第二便に乗ることができスムーズな出だしとなった。途中落石により道の崩壊があったため、第一区間、第二区間とタクシー乗車の区間が別れており、間の1.5km位を徒歩で通過しまたタクシーに乗って高瀬ダム湯俣登山口に向かった。
登山口からは2時間強歩き湯俣山荘に到着した。湯俣山荘で伊藤新道の通行届を提出し、簡単なレクチャーを受けた後、天気予報や水量、水場、魚のいる場所等についての情報を得た。湯俣山荘はリニューアルしたてでかなり綺麗だったため、中を見せてもらったり入渓準備をして湯俣山荘を後にした。
そこから15分ほど歩いて入渓したのだが、温泉が流れ込んでいる影響で水の温度は温かい。また湯の花が揺蕩っていてとても不思議な景色が広がっていた。
晴天のため9月中旬と思えぬ気温の中、第一吊り橋を渡り河原を歩き続けると第三吊り橋に到着した。第三吊り橋は見事に流されており、ワイヤーフレームのみが残っていた。水量は、途中すれ違った人も驚くほどの水の少なさで、ガンダム岩付近ですらふくらはぎ程度の水量だった。
そのためサクサクと進み、当初の予定通りワリモ沢出合にテントを張り初日を終えた。
■9月14日(土)
初日同様河原歩きが続いていたが、第五吊り橋を超えたあたりから岩が大きくなっていった。
赤沢出合では赤と青の見事なコントラストを見ることができ、そこから10分ほど歩くと今度はまるでバスクリンを入れたような湯溜まりがあった。みんなで温泉を堪能した後、さらに進んでいくと硫黄沢出合を超えたあたりからはヌメヌメ。とにかく滑る。
巨岩帯ということもありペースが落ちつつも岩を乗り越えながら進んでいく。またこのあたりから魚影もほんのわずかだが見え始めた。モミ沢出合付近では魚影も濃くなってきたため、釣りを満喫するために幕場を探した後に釣りをスタートした。イワナが2匹少し深くなったところに佇んでいたため、テンカラを出し毛鉤を落とすが完全に無視。何度も粘るが全然喰いつかない。あきらさんは餌釣り(虫がほぼいないため、現地で虫の調達ができないため持参することをお勧めします)、和田さんはルアーと3人とも手法は異なったが、餌釣りとルアーのお二人がきっちりイワナを釣り上げてくれた。※イワナのサイズは餌がないことも影響しているのか小ぶり。
夕方ごろからはパラパラと雨が降りだしたため、宴会を早めに切り上げテントに入ったが夜が更けるにつれ雨はどんどん強くなっていった。
■9月15日(日)
昨日までとは異なり気温もぐっと下がり朝から雨も降り続く中、魚を横目に弥助沢を登り詰めていった。2,400m付近まで水が流れており、その先から伊藤新道分岐まで登るにつれ風が強くなってきた。三俣山荘に到着し今後の天気予報を聞くと、鷲羽岳上空に積乱雲が近づいておりこれからさらに雨風ともに強まるとのことだった。伊藤新道を降りることを断念し下山ルートをみんなで話し合い新穂高温泉に降りることにした。身体がすっかり冷えてしまったため、三俣山荘でラーメンやうどんを食べて双六小屋に向けて出発した。三俣蓮華あたりで徐々に雨脚が強くなってきた。その時私が着用していた雨具が、沢用に利用しているボロボロの雨具だったため防水機能が効かず水がどんどん滲み込んでくる。これ以上身体が冷えないようにとポリゴンを中に着てなんとか双六小屋に到着した。ダメ元で双六小屋に空室があるか確認するとラッキーなことに空いていた。同じように雨をしのぐために急遽宿泊に切り替える登山客が続々とやってくる。快適な山小屋の中で、昼寝をしたりお酒を飲みながらゴロゴロしていると雨がさらに激しくなってきた。土砂降りの中ご飯を作ることを断念し山小屋の夜ご飯に切り替えたが大正解であった。その日の夜ご飯は、天ぷら、から揚げ、煮物とみんな満腹になるボリュームだった。
食事後、新穂高温泉から七倉山荘に車をピックアップするためにバスの時間を調べていると、当初山行に参加予定だったすーさんから「天気大丈夫?」と連絡が入った。諸々の状況をLINEで伝えると、「16日は1日空いてるから新穂高温泉まで車で行こうか?」との申し出をいただいた。みんなで話し合い、さすがに申し訳ないとお断りしたがバスの時間等諸々考え、すーさんの好意に甘えることにした。
■9月16日(月)
前日までの大雨から一転、雨も止み快晴予報だった。鏡平分岐あたりで雲海が広がる素晴らしい景色を堪能しながら徐々に高度を下げていく。ワサビ平小屋で恒例のトマトを食べ、途中風穴からの涼しい風で体をクールダウンしながら新穂高温泉に到着した。
中崎山荘で温泉に入った後、すーさんと合流し無事に山行を終えることができた。
最後に。参加いただいた、どんきち、あきらさん、わださん、ひらぴょん 珍道中お疲れ様でした!復路に伊藤新道を利用できなかったことが悔やまれますがまたリベンジしましょう!!次は、餌釣りで!
そして、遠路はるばるサポートに来てくれたすーさん大変助かりました。感謝です!!
【9月13日】 | 高瀬ダム湯俣登山口(6:50) → 林道終点(7:45) → 湯俣山荘(9:20) → ワリモ沢出合※第四吊り橋跡(泊)(13:30) |
【9月14日】 | ワリモ沢出合(5:15) → 赤沢出合(6:45) → 硫黄沢出合(7:40) → モミ沢出合(泊)(12:50) |
【9月15日】 | モミ沢出合(5:20) → 弥助沢、縦沢合流地点(6:00) → 三俣山荘(9:00) → 双六小屋(泊)(13:00) |
【9月16日】 | 双六小屋(5:00) → 鏡平山荘(6:50) → わさび平小屋(9:00) → 新穂高温泉駅(10:40) |